箏トリオ響 コンサート [ワールドミュージック]
◆◆◆ 箏トリオ響 コンサート ◆◆◆
2005年12月7日(水) ティアラこうとう小ホール 19:00開演
出演
箏・十七絃・二十絃
木村玲子 宮越圭子 山田明美
演目
・月の光 (ドビュッシー)
・亡き王女のためのパヴァーヌ (ラヴェル)
・「オルガン曲集」より (バッハ)
・Schizorhrenie (真鍋 尚之)
*
・「プレイアデス舞曲集」より (吉松 隆)
・マ・メール・ロア (ラヴェル)
・文様 Ⅰ・Ⅱ (三木 稔)
*
(アンコール)
・「蛍の歌」より (三木 稔)
・「冬のソナタ」より
*****
今年のカンゲキライフもひとまずこれで終了予定。
ただ、手持ちのチケットがこれで全部はけた、という事なので、
気が付けば来週には新しいチケットを握りしめてたりするかも(笑)。
今日は江東区にある文化ホール、ティアラこうとうで開催されました
箏のトリオコンサートに足を運びました。
お仕事の関係とは言え、この3人は、それぞれ
箏(十三絃)、十七絃、二十絃においては、
まさに世界のトップクラスに位置する方達です。
*
普通、「箏」というと一般的に十三絃のものを指します。
これに加えて、宮城道雄が開発した十七絃箏が加わり、
1969年に開発された二十絃箏も最近では徐々に一般化しつつあります。
ちなみに、宮城以降に開発された新しい箏を「新箏」と言って
十三絃と区別することもあります。
十七絃箏は、箏の中でもコントラバスのような低音を響かせる点に
大きな特徴があります。アンサンブルでは、その特徴が大きく活かされています。
二十絃箏は、海外では「Japanese Harp」と呼ばれるほど、
音色がハープに似ています。これは海外の楽曲を演奏できるよう、
五線譜でも演奏しやすい構造になっています。
現代、それぞれの箏の世界でのトップランナーとも言える
3名のソリストが集うこの舞台、想像するだけでもワクワクしませんか?
【カンゲキレポ】
ティアラこうとうの小ホールは、収容人数140名の
こじんまりとししたアットホームな空気の漂うホール。
***
演奏会は2部構成。
7曲のうち4曲が西洋クラシック音楽の曲で、
オルガン曲集は奏者のオリジナルアレンジ。
残り3曲は、箏のために作曲された作品です。
***
コンサートは、最初の曲「月の光」で、十七絃の琴柱(ことじ)が
4.5本、一気に外れてしまう、というアクシデントが発生。
絃をはじいた時に外れて飛んでしまう、という事はよくありますが、
これだけの琴柱が、一気に外れて飛んでしまうのは滅多に無いことです。
間近で箏をご覧になったことのある方はお分かりかと思いますが、
箏は絃の張力が非常に強く、演奏中や琴柱のセットには、
腕や指にかなりの力が必要です。
私も触らせてもらった事がありますが、一般の女性よりは
絶対力持ちのはずの私も驚くほどの張力でした。
その琴柱が何かの拍子で絃から外れて、
(かなりの力で押さえられていた分)舞台上に飛び散ってしまいました。
いったん演奏は中断され、琴柱をセットし直し、最初から演奏を再開。
何故か私の方がドキドキしまくって口から心臓が飛び出そうでしたが(笑)
そこはプロ、落ち着いて琴柱をセットし直すと、何事もなかったかのように
演奏を再開し、ドビュッシーの幻想的な世界を見事に紡ぎ出しました。
*
個人的には、「亡き王女のパヴァーヌ」と「プレイアデス舞曲集」、
そして「文様Ⅰ・Ⅱ」が印象的でした。
特に「文様」は圧巻。箏(十三絃)2台と十七絃で演奏されます。
「Ⅰ」は2箏による演奏から始まり、その旋律を十七絃が受け継いで、
もう1度、2箏に渡されます。その後再び十七絃に譲られます。
その2箏と十七絃による旋律の交流は、まるで柔らかな感触を残す
羽衣のよう。
箏と十七絃、2つの羽衣が風に揺らめき、優しく絡み合い、
まとわりつくハーモニーを織り上げる演奏でした。
「Ⅱ」は、十七絃の力強い演奏で始まり、2箏から1箏の高音域の
演奏を重ねながら、徐々にスピードアップ。
緻密でありながら緩急自在のリズムに忠実に対応し、
互いの呼吸を感じつつ、ピッチカートや絃の表面をたたくなど、
現在の箏の技術で考えられる限りの演奏法を駆使して
完成度の高いアンサンブルへと昇華されました。
その旋律の鋭さ、しなやかさ、歯切れの良さは、何となく
冬の夜空を翔る流星を思い起こさせます。
*
会場は、箏の勉強をされている方ばかりとお見受けしました。
私が箏の演奏で一番楽しみにしているのは、奏者の指づかいです。
当たり前ですけど、人それぞれ違う指の運びで、本当に美しい。
まるで魔法のように美しく動く指を見ているだけでも飽きません。
十七絃の宮越さんは、ゆったりとなめらかな動きがとても穏やかで、
早い演奏の時もどこか落ち着いていて、安心感があります。
大地に、海に、そしてそらにゆったりと流れる大気のような感じです。
主に箏を担当された木村さんの動きは、とてもたおやか。
まるで柳のような、しなやかでありながらも芯の強さを感じる指遣い。
そして二十絃と箏を担当された山田さんは、
しなやかでキレの良さが魅力的です。
月のように研ぎ済まされた、凛とした透明感を感じる演奏です。
実は山田さん、当ブログにすでに登場していらっしゃいます。
山田さん、美人湯、最高でしたよね…(微笑)
*
終演後、ホール入り口でご挨拶に立たれる山田さんにお会いしました。
「もう、ド緊張で…」と、心の底からホッとしたような笑顔。
確かに、緊張されている様子はビンビン伝わってきました。
そんな状況下でも自分の仕事をきちんと決める、そこがプロですね。
対する私は、
「山田さあぁぁぁん(涙)、すっっごく良かったですうぅぅぅ~!!」
としか言えず、きっと山田さんは「とろりんさん、相変わらずねぇ…(微笑)」
と思われたことでしょう…。
もっとスマートな女性になろうよ、とろりん(笑)。
山田さん、差し入れの「田園ぽてと」、召し上がっていただけましたか?(笑)
とろりん★豆知識
「田園ぽてと」…東急田園都市線某駅近くにある洋菓子店の名物菓子。
いわゆるスイートポテトであるが、かなり美味い。
とろりんの実家では「お土産は田園ぽてとで」と、
「指定土産」に認定されている。
*****
今年は箏の演奏に接する機会に多く恵まれたのですが、
いつ見ても素敵ですね~…。
この1年もいろいろとありましたねぇ…ずずず…。
(遠い目をしながらお茶をすするとろりん)
でも、それもこれからの私の人生の中で必要な出来事だったはず。
その経験を通じて、これからの私にたくさん活かしていきたいと思います。
皆さま、乞うご期待!!
なんか1年の締めくくりみたいになってるけど、記事はまだまだアップ予定!(笑)
今日のお星さま…★★★★☆ (3つのお箏に乾杯☆)
偶然!! 偶然にも発見しちゃいました~(^^)
とろりんさん、こんなブログ書いてたのね。
ちゃんと教えてくれなきゃ~~~!!
「田園ぽてと」美味しかったです。ありがとうございました。
たくさんいただいたので家族やお弟子さんたちといただきましたよ。
私はもちろん「栗」と「さつまいも」両方とも堪能しました!!
またちょこちょこのぞきに来ますね。
そうそう、ブログリンクしても良いですか?
by みょんみ (2006-03-16 08:47)
みょんみ様。コメントをありがとうございます☆
と、とうとう発見されてしまいましたか…!!
お教えするなんて、だって、は、恥ずかしいじゃないですか…(赤面)
実はかなりの回数でご出演していただいておりますが、
失礼な事は書いてませんでしょうか(汗)。
田園ぽてと、味わっていただけて良かったです。
またお越し下さいね。ブログリンク、よろしくお願いします☆
(あ、職場の人には内緒でお願いします>笑)
by ★とろりん★ (2006-03-16 11:21)