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姜 建華 二胡の世界 ~グリーンスリーヴス~ [ワールドミュージック]

2006年4月12日(水) 東京文化会館小ホール 19:00開演


【出演】
姜 建華(二胡)、楊 宝元(中国琵琶)、安宅 薫(ピアノ)

【プログラム】
第1部
・ 花好月圓 (黄 貽鈞)
・ シルクロード (喜太郎)
・ 独弦奏 (劉 天華)
・ 光明行 (劉 天華)
・ 三門峡暢想曲 (劉 文金)
・ 初恋のきた道 (サンバオ)
・ リベルタンゴ (ピアソラ)

第2部
・ グリーンスリーヴス (イギリス民謡)
・ 月の光 (ドビュッシー)
・ ノクターン<遺作>№20 (ショパン)
・ 愛のあいさつ (エルガー)
・ アヴェ・マリア (シューベルト)
・ アレルヤ (モーツァルト)
・ 歌劇 「カルメン」より (ビゼー 中原達彦編曲)

アンコール
・ 歌劇 「トゥーランドット」より ”誰も寝てはならぬ”
・ 夜来香
・ 冬のソナタ
・ 地上の星

*****

初めて、上野の東京文化会館に足を運んでみました。
先月にも登場していただいた二胡奏者、姜建華さんのトリオコンサートです。
平日のコンサートということもあり、客席にはお仕事帰りのサラリーマンの方もちらほら。

第1部は中国の伝統的な楽曲を中心に、日本で姜さんの名を知らしめた曲も織り交ぜ、
第2部では昨秋リリースしたアルバム「グリーンスリーヴス」からの選曲です。
アンコールは4曲も演奏してくれて、大サービス♪

***

彼女の凄さは、そこにいる全ての人を、一瞬にして自分の世界に引きこんでしまう事。

実際、私の後ろの席に座っていたサラリーマンらしき中年男性は、
そのお話ぶりから友人に誘われたのでとりあえず来てみた…という風情だったのですが、
最後には前のめりになって、食い入るように舞台を見つめていました。
(その後の列の方はちょっと迷惑だったかも…>苦笑)
彼女の凄さは、CDではなかなか伝わってこないので、機会があればぜひコンサートへ。

いつ聴いても、彼女の演奏は「完璧」です。非の打ちどころが見つかりません。
弦さばきなどは、「超絶技巧」なんて言葉を軽く越えて、「予想不可能」な技の連続です。
まるで弦の上を弓が自由自在に滑り、踊っているかのよう。
たった2本しかない弦をどのように操ったら、あんなに多彩な音色が出せるのでしょう…。

特に、第1部の「独弦奏」は、タイトルから推察できるように、
内側の弦1本だけを使っての演奏。
これが素晴らしかった!!
たった1本の弦から紡ぎ出される音色は時に静かに、
時に力強く、聴く人の心を揺さぶります。

その卓越したテクニックだけではなく、その音楽の持つ世界を表現する力も流石です。
曲の情景を、二胡という楽器を通じていかに表現するか、いかにその世界を聴衆に伝えるか、
というところまで、非常に心を砕いているのが伝わってきます。

MCでは変わらず心のこもった親しみやすい穏やかな話し方で、
そのギャップに驚きます(^^)それが、が姜さんのいちばんの魅力ですね~~。

第1部ラストの「リベルタンゴ」は何度も聴かせていただいてますが、
やはり聴く度ごとに受ける印象が違いますね。
今回は、力強さの中にも柔らかさを感じる演奏でした。

***

第2部では、クラシックの名曲を中心に。
個人的には「月の光」と「ノクターン」が心に残りました。
いやいや、美しい…(うっとり…)。

「カルメン」は、全身全霊をかけて演奏しているのがバシバシと伝わってきて、
その緊迫感に圧倒されました。そうなんですよね、彼女の演奏は、本当にいつも
「魂がこもっている」と感じさせられるのです。それが観客を惹きつけ、共感を呼ぶのでしょう。

***

アンコールでは、今や日本国内でそのメロディーを聞かない日はない、
というくらいに有名になった「誰も寝てはならぬ」。
(何故かバレエをテーマにしたドラマのオープニング曲にも使用されていますね。オペラなのに…)

姜さんは2年前に出したアルバム「Ocean road to China」で演奏しています。
私にとって、「誰も~」と言えば姜さんの演奏のイメージでしたので、
今回生で聴くことが出来て、とっても嬉しかったです♪♪♪

「地上の星」はかなり前からのレパートリーなので、ポイントをしっかりおさえた演奏です。
この曲が始まった瞬間、サラリーマンの方々が感動にうちふるえているのが、
何となく伝わってきました(笑)。働く世代にとっては、何よりも力強い「応援歌」でしょうね。
かく言う私も、この曲を聴くと何となく力がみなぎってくるような気がします(笑)。

*****

彼女の演奏を聴くと、何故か「もっとお仕事頑張らないと!」と思わせられます(笑)。
自分がすべき事に、全身全霊をかけて取り組みなさい、というメッセージを
受け取るような気がして…。そして、「自分のしていることに自信を持ちなさい」
と、叱咤激励を受けているような気持ちになります。

誰かの心を元気にさせる。
それが、音楽の一番の魅力であり、演奏家の真骨頂なのでしょうね。

今日のお星さま…★★★★☆ (アンコール4曲に乾杯☆)


グリーンスリーヴス

ついでにコチラも、ぽちっとな。


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コメント 4

ラブ

二胡、よい音ですよね。ちょっと哀しい音色だけど…。
ああいうの弾けたら、いいなぁと思います。
いつも言っているけど、生で聴きたい…。
by ラブ (2006-04-14 08:48) 

★とろりん★

ラブさま、こんにちは~。
そうですね、二胡の音色は哀愁が漂っていて、
ホームシックにかかりそうになります(笑)。
お仕事お忙しそうですが、体調に気をつけて
時にはリフレッシュして、頑張ってくださいね。
by ★とろりん★ (2006-04-14 11:41) 

Lalamoro

こんにちは。 通りすがりのものですが、友人のブログの「関連記事」に姜 建華を見かけて思わずお邪魔しました。 彼女の二胡の音色は格別で、おっしゃるようにCDではその魅力のほんの僅かな部分しか拾えていませんよね。 LIVEでお聴きになられたの、うらやましいなぁ。 でもお蔭で私も会場に行ったような気分になれました^^ どうもありがとうございます。 (初対面で長コメントご容赦下さい^^;)
by Lalamoro (2006-04-15 11:22) 

★とろりん★

Lalamoro さま、こんにちは~。
コメント遅くなり、申し訳ありません…。
お越しいただいてありがとうございます!
当ブログの売り、「行った気、観た気」になって
いただいたようで、嬉しいです。
姜さんの二胡は、本当に劇場で聴いて初めて
その醍醐味に触れられるような気がします。
今度機会がありましたらぜひ参りましょうね!
by ★とろりん★ (2006-04-17 12:13) 

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