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【訃報】 劇団四季 服部良子さん [劇団四季]

連休のさなかの、突然の悲報でした。

劇団四季の俳優、服部良子さん。享年55歳。
詳細についてはこちらをご覧ください→四季なびgation 

服部さんはミュージカル「CATS」の1984年初演時からオリジナルキャストとして出演。ジェニエニドッツ(おばさん猫)役を、20年以上にわたって演じ、その数は4000回を越えました。

もちろん、ほかの作品にも多く出演していらっしゃいますが、私にとってはやっぱり「ジェニエニドッツの服部さん」です。大阪で3回、五反田で1回観ただけですが、役を役と思わせない完璧な存在感は、さすがでした。

ダイナミックなタップ、パワフルな笑顔、「ありがとみなさん!」という決めの台詞の歯切れの良さ、何をとってもジェニエニドッツという名前の猫が役としてではなく、本当に存在するかのようでした。観ているだけで、自然と笑顔になるんですよね。そんな服部さんの演じるジェニエニドッツに出会うたびに、いつもたくさんの笑顔と元気をもらっていました。

「笑顔はみんなを、そして自分を元気にする」って、本当なんだなぁ…と実感させてくれたのが、服部さんのジェニエニドッツでした。

五反田キャッツでは、ほかの俳優さんがジェニエニドッツを演じられることが多くなっていました。ほかの俳優さんのジェニエニドッツもそれぞれ個性があって、もちろん好きです。けれど、「ありがとみなさん!」を聞くたびに、服部さんを思いだしていました。

私にとっては、台詞の「間」といい、メリハリといい、服部ジェニエニドッツの「ありがとみなさん!」がいちばん好きだったんですよね。この台詞を聞いては、生意気にも「ああ、やっぱり服部さんが一番だなあ」って…。

本音を言えば、もっと服部さんのジェニエニドッツを観ていたかったです。また、たくさんの笑顔とパワーをもらいたかったな…。もう無理なこととはわかっていても、そう思ってしまう自分がいます。

五反田で、他の劇場で、ジェニエニドッツの「ありがとみなさん!」を聞くたびに服部さんの事を思い出すことでしょう。そしてそのたびに、他の俳優さんへ受け継がれていく「役の魂」を感じることでしょうね。役者の思いと観客の思いが重なって、舞台の歴史は積み重ねられていくのです。

これからは、グリザベラがのぼってゆく「天上の世界」で、劇団四季の、そしてキャッツの舞台を見守っていてくださることと思います。

心よりご冥福をお祈りします。合掌。


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