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劇団四季 『キャッツ』 マイ・ラスト・デイ@五反田 [劇団四季]

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桜を優しく照らす月。「月」は、猫たちのシンボルです。

2009年4月4日(土) 五反田キャッツシアター 17:30開演


5月3日に千秋楽を迎える、ミュージカル『キャッツ』@五反田キャッツシアター。もうこれが最後の五反田かも…と思い、観てまいりました。

開演アナウンスを聞きながら、「この劇場、あと2ヶ月もしないうちに、消えてしまうのか」と、ふと思いました。その瞬間、一気に涙がこぼれてしまって…。場内の照明が消える前から、ボロボロでした(苦笑)。

私の人生の原点と言っても良い、大切な『キャッツ』。私の「心の宝石箱」の中で、一際まばゆい輝きを放ち続けている『キャッツ』。きっと、どこかでまたロングランが始まるとは思っていても、やはり一区切りつく…という時の寂しさ、喪失感は何とも言えません。

そんなわけで、開演前から涙腺にスイッチが入ってしまった私、ナンバーが終わるたびにズビズビ。楽しいナンバーでもホロリ、手拍子しつつも泣き笑いという感じで、はたから見たら「このヒト、大丈夫ですか」と思われていたに違いありません[たらーっ(汗)]

でも、最後はしっかり手拍子して、手を振って、笑顔でお別れを言う事が出来ました[手(パー)][わーい(嬉しい顔)][ぴかぴか(新しい)]

以下、今回の観劇で心に残ったことを、つれづれと書き留めておきます。


C席にて

実は、キャッツシアターではC席で観劇したことがありませんでした。回転席もジェリクルギャラリーも体験したので、最後はC席上手から観てみることに。

角度的には、円形に迫り出している真横から舞台を観るような感じです。なので、舞台後方や上部への視界が遮られてしまいます。カッサンドラとタンブルブルータスのデュエットダンスと、グリドルボーンの登場シーンが全く見えなかったのは、悲しかったです・・・。(下手からは、グリ登場場面は見えるのかな?)

でも、その欲求不満を別の要素で補ってくれます。舞台袖にある、役者が通り過ぎる小道や、袖へ引っ込む時の通路にとても接近しているので、そこでヴィクトリアのしなやかなダンスを思う存分楽しみことができましたし、袖に引っ込む時の役者の皆さんの「素」のオーラを感じることができたり(笑)、けっこう面白かったです。

私のお席は、目の前がすぐ通路でしたので、「ネーミング・オブ・キャッツ」の場面では、シラバブがやってきてくれました~。五所さんのシラバブを拝見するのは初めてだったのですが、容姿と言い、雰囲気と言い、歌声と言い、私の中にあるシラバブのイメージそのもの[exclamation×2]可愛かった~~~[黒ハート]



キャッツ界の峰 富士子

ジェリーロラム=グリドルボーンを演じていたのは、秋 夢子。五反田公演では、かなり長期にわたりこの役を続投しています。

彼女には、とっても思い入れがありまして・・・。詳しくは、こちらのキャッツレポをご覧下さい。

そんな秋さんのジェリーロラム=グリドルボーン、今やすっかり私のお気に入りです。シャープな身のこなしとスタイル抜群、歌も真っ直ぐな高音が気持ちよくて。中でも、彼女のグリドルボーンはかなり大好き[黒ハート]

グリドルボーンは、2幕の劇中劇『グロウルタイガー』に出てくる悪女の役。(この場面は、役者猫ガスが当たり役である『グロウルタイガー』を劇中劇で再現する、という場面設定。そこでジェリーロラムが、相手役のグリドルボーンとして登場するわけです)

秋さんのグリドルボーンは、グロウルタイガーに見せる蠱惑的な微笑みが、とっても色っぽい。

グロウルタイガーがメロメロになっている間に、グリドルボーンはタイガーの宿敵であるシャム猫軍団を引き入れます。そう、グリドルボーンは、シャム猫軍団のスパイだったわけですね。

グロウルタイガーにはコケティッシュな微笑みをふりまいておいて、後ろを振り返りざまに、軍団に「はぁい[ハートたち(複数ハート)] こっちよ~[雷]」と小さく手で合図する時のクールな表情が、いかにも「女スパイ[ぴかぴか(新しい)]」な感じで、超カッコイイです。まさに峰富士子ばりのセクシー&キュートな感じです。

船を去るときも、追いつめられているグロウルタイガーに軽く投げキッスをして、素知らぬふりで引っ込んでしまいます。うおお~、その冷たさがたまらんっっ[exclamation×2](謎)

劇中劇が終わったら、元のゴミ捨て場。しょんぼりとその場を立ち去ろうとするガスを、優しく抱えて一緒に去っていく姿が印象的です。


双子猫にメロメロ

タンブルブルータスカッサンドラは双子の兄妹猫、ということで毛並みがそっくりです。兄は長身、妹は小柄ですが、とにかくダンスが最高。

この2匹のくっつきぶりが、一部キャッツファンにとっては見逃せないポイント(笑)。

「ジェリクルボウル」の場面で舞台後方で展開される2匹のデュエットダンスが観られなかったのはとっても残念ですが、上手で待機していることが多いので、その仲良しぶりを目の当たりにすることができました(笑)。

2幕冒頭、ジェリーロラムが役者猫ガスを歌で紹介するのですが、他の猫たちはあんまり気のない感じでゴロゴロしています。

タンブルブルータス&カッサンドラも2匹揃ってゴロゴロしているのですが、タンブルブルータスはごろにゃんとしているカッサンドラを毛繕いしてあげたり、前肢をさすってあげたりと、面倒見の良い兄ぶりを発揮。

今日はにゃんと(←?)、タンブルブルータスがカッサンドラに腕枕してあげちゃったりなんかしてるんですよーーーっっ[exclamation×2] カッサンドラはすっかり甘えちゃってるし、きゃわいいいい~[黒ハート] 興奮のあまり、思わず鼻血が出そうになりました(爆)

他の猫に対してはちょびっと攻撃的だったりするタンブルブルータスも、妹のカッサンドラが一緒にいる時は、片時もカッサンドラの側を離れません(群舞の時はそれぞれのポジションに入っていますけれども)。

野良猫たちが主人公の『キャッツ』。もしかしたら、タンブルブルータスとカッサンドラは、まだ仔猫の時にお母さん猫を失って、2匹だけで肩を寄せ合って必死で生きてきたのかなぁ・・・と考えると、あの仲良しぶりの理由が納得できて、ちょっと切なくなりました。

様々な性格の猫たちが躍動する『キャッツ』。一匹一匹の猫たちには、それぞれの物語を抱えているのでしょうね。それを想像して観るのも、またひとつの楽しみ方かもしれません。



タガーさん、相変わらず大暴れ


つっぱり猫でご存知、ラム・タム・タガー。今日もメス猫たちの黄色い声を独り占めです(笑)。

この場面では、メス猫たちが「にゃあぁぁ~ん[黒ハート]」とタガーにすっかり発情しておりますが(笑)、シラバブだけは「???」という感じで上手袖から様子をうかがっているのが、めっちゃキュートです。

そんなシラバブに、コリコパットかミストフェリーズ(どっちかだと思う…)が、「お子ちゃまはわかんにゃくていーのっ」みたいな感じでシラバブをからかっていたのが、また可愛かったです。

そんなタガーさん。2幕冒頭でもやってくれました。

2幕は導入の音楽など入らず、静かに舞台に猫が集まってきて始まるのですが、客席にざわめきと笑いが…。

「ん?」と思って、観客の皆さんの視線を追っていくと、下手ジェリクルギャラリー。よ~く見ると…。

ラム・タム・タガーが、何食わぬ顔して客席に座ってました。(爆)女性が髪の毛をさわるような時と同じようなしぐさで、首回りの毛を気にしつつ、澄ました顔で舞台を見下ろしています。思わず、「なんでやねんっ」と突っ込んでしまいました(笑)。

この日のタガーは荒川 務さん。四季ではかなりベテランの方ですが、ダンスは軽快、甘い歌声も健在。余裕と遊び心満載のステージングでした。



猫にごあいさつを

キャッツのラストを飾るのは、猫たちによる「猫にごあいさつ」の大合唱。凛とした表情で舞台に立つ猫たちの中心で、長老猫オールドデュトロノミーが、厳かに高らかに歌い上げます。

「猫は犬にあらず」

そりゃそうだ、という突っ込みが聞こえてきそうです。事実、私も以前はそう突っ込んでいましたから[あせあせ(飛び散る汗)]

しかし、歌はこう続きます。

「とても似ているあなたと とても似ているあの人と とても似ている人間と さあ 猫にごあいさつを」

ほかの誰でもない、ただひとりの自分。

人生は、その自分自身を探す旅。

それが、キャッツの根底に流れる普遍のテーマだと思います。猫の姿を描いたミュージカルだけれども、その様子や性格はまるで人間達とそっくりです。

たくさんの人と出会い、たくさんの人と交わる世界で、誰でもない、自分自身を見つけることは簡単なことではありませんし、簡単に見つけ出せるわけでもありません。それでも、真摯に自分の行くべき道と対峙すること。謙虚な気持で努力を重ねること。それを突き詰めた時、本当の自分の姿見えてくる…。

このミュージカルが、私たち観客にいちばん伝えたい事。その全てが、この一曲に集約されているのですね。

だからきっと、『キャッツ』を観るたびに励まされ、勇気をもらう事が出来るんだな…と思うと、胸がいっぱいになりました。

ありがとう、キャッツ。この言葉が、自然と口に出てきます。もう本当に五反田とはお別れなんだあぁぁ(涙)。



アンコール

お楽しみのアンコール!!客席に猫たちが下りてきてくれて、握手をしてくれます。

この日は、マキャヴィティラム・タム・タガーに握手してもらいました!!うわ~い[るんるん]

マキャヴィティは、皆さまご存知(なのか?)の「悪の帝王」です。2幕途中でオールドデュトロノミーを連れ去ってしまい、猫たちと死闘を繰り広げます。(ちなみに、連れ去られたオールドデュトロノミーは、マジシャン猫ミストフェリーズによって救い出されます)

そんなマキャヴィティさんに握手してもらえるとは思っていなかったので、かなり嬉しかったです…。そのまま連れ去られたらどうしよう~、ミストフェリーズがマジックで助けてくれるかしら~[かわいい]、とか思ったりして[るんるん](←あほ)。

つっぱり猫のラム・タム・タガーも、両手で包み込むように優しい握手をしてくれました。「ありがとう」と伝えると、目をクリッとさせて、ニヤッと笑ってくれました(←ニヤッ、なところがタガーさんですな)

カーテンコールは、5回くらいあったかな?最後、手を振りながら退場するマキャヴィティ、コリコパット、ボンバルリーナに向かって、「ありがとー」と言いながら手を振ってみたら、3匹とも気がついてくれて、より勢いをつけて手を振り返してくれました[exclamation×2]  嬉しいな~。

そう言えば6年前、大阪キャッツ(@大阪MBS劇場)のマイ楽の時も、最後の最後に手を振り交わしたのは、ボンバルリーナだったな、と思い出しました。

ふとしたことで、たくさんの思い出が涌きあがってくる大切な宝物、『キャッツ』。いつかまためぐり逢うことが出来る日まで、そっと宝石箱にしまっておこうと思います。

終演後は名残惜しくて、舞台の近くや客席を歩き回って、なかなか劇場から出ることが出来ませんでした。そんな私を急かすことなく、優しく見守って下さった客席係の方達にも感謝です。



これだけ人気の高いミュージカルですから、五反田公演が終了した後、日本のどこかで幕を開けるのではないかと期待しております。今度はどこかな~。

猫たちーー[exclamation×2]どこへ行こうと、君たちは君たちだーーっ[exclamation]いつまでも人々を勇気づけておくれー[exclamation×2]



★おまけ★

五反田ラストの記念にと、手に入れたのは…。
CA391887.JPG
またトートバッグかい!ちょっと前にも買ってたやんかっ(自己突っ込み)。

でもこれ、可愛いんですよ~。ほら~。
CA391888001.JPG
内装が「CATS」ロゴだらけ[るんるん]ちなみに表は、片面は黒地にグレーで「CATS」と書かれているデザイン、片面にはロゴの入った小さな黄色のタグが付いています。これなら、キャッツファンとバレずに日常でも使える~[グッド(上向き矢印)]

いやぁ、CATSのロゴで、シンプルだけどインパクトが強いので、普段の外出に使うにはちょっと勇気がいるもので…[あせあせ(飛び散る汗)]これなら外見はプレーンな黒いトートバッグなので、活用できますっ!!


キャッツ 4月4日17:30公演の出演者

グリザベラ/木村智秋
ジェリーロラム=グリドルボーン/秋 夢子
ジェニエニドッツ/小松陽子
ランペルティーザ/チェ ウンヘ
ディミータ/有永美奈子
ボンバルリーナ/西村麗子
シラバブ/五所真理子
タントミール/八鳥仁美
ジェミマ/王 クン (上に「方」を2つ書き、下に「土」)
ヴィクトリア/千堂百慧
カッサンドラ/蒼井 蘭
 
オールドデュトロノミー/チェ ソンジェ
バストファージョンズ・アスパラガス=グロールタイガー/寺田真実
マンカストラップ/西門宇翔
ラム・タム・タガー/荒川 務
ミストフェリーズ/金子信也 (本来は「ゆみへん」に「也」)
マンゴジェリー/川東優希
スキンブルシャンクス/劉 昌明
コリコパット/花沢 翼
ランパスキャット/ユ ホンチョル
カーバゲッティ/齊籐太一
ギルバート/入江航平
マキャヴィティ/金久 烈
タンブルブルータス/川野 翔

五反田キャッツシアター



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ラブ

回転席って、CATSだけにあるのですか?
東京以外にも、あるのでしょうか。
前の記事から、興味津々。
by ラブ (2009-04-10 11:50) 

★とろりん★

ラブさま、

nice!とコメント、ありがとうございます!

回転席は、「キャッツ」を上演するためだけに建設された
キャッツ専用劇場「キャッツシアター」だけに設置されるお席です。
文化ホールなど、既存の舞台機構を使用して
上演する場合は、回転席はないんですよ。
回転席はキャッツシアターだからこそ楽しめる夢の空間なのです☆

キャッツは25年間、日本各地を廻りながら
ロングランを続けてきました。
ですから、東京からはいったん旅立ち、今度は
別の街で開幕するのでは…と楽しみにしています☆
by ★とろりん★ (2009-04-10 23:25) 

ラブ

へぇ、へぇ、へぇ〜の連続!
ありがとうございました。勉強になります。
キャッツシアターは大阪にも来て千秋楽になった
のですが、その時にもあったのでしょうか。
五反田の前の東京公演には、すでにありました?

by ラブ (2009-04-11 14:26) 

★とろりん★

ラブさま、

再コメント、ありがとうございます!
大阪キャッツの公演はこれまで3度あります。
うち、キャッツシアターを建設して上演されたのは、
大阪初演の時と、次の大阪スタヂアム公演の時です。
1度目と2度目の公演では、回転席はありました。
(私は1度目の公演を観た時、
「人が回ってる!!」と吃驚したのを覚えています)

3回目の公演は既存の大阪MBS劇場での上演だったので、
回転席はありませんでした。

東京公演は、基本的にキャッツシアターを建設して上演しているので、
それぞれの公演ごとに回転席も設置してあったと思います。
(初演からあったのかは、さだかではありません…)

それにしても、回転席って誰が思いついたのでしょうね。
宝塚の大階段、歌舞伎の盆ゼリ、そしてキャッツシアターの回転席は
舞台ファンが興奮する仕掛けトップ3だと思います☆
by ★とろりん★ (2009-04-11 18:52) 

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