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映画 『L.A.コンフィデンシャル』 [映画]

L.A.CONFIDENTIAL-ブルーレイ・エディション- [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: 東北新社
  • メディア: Blu-ray

1997年に公開された映画、『L.A.コンフィデンシャル』は、これまで観た映画の中でベスト1と言っても良い作品です。 マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』は最近のベスト1ですが、これまで観てきた中での1番を挙げろと言われたら、すごくすごく迷いつつも、『L.A.~』を推すかもしれませんね~。

何度も何度も見たくなる、という映画ではありませんが、誰かと映画の話をしている時、ふと映画のことを考えている時に、「あれ、良かったなぁ・・・」と必ず思い出す・・・もうずいぶんと年月が経っているのに、常に記憶の片隅に残っている・・・そんな作品です。

先日、BS2で放映されていたのを久しぶりに見ました。それこそ、14年前に映画館で見て以来、ではないかな?

時間がどれだけ経っても、名作の持つ輝きは絶対的なのだと、その色あせない輝きこそが、名作が名作と呼ばれるゆえんなのだと、しみじみ感じた2時間あまりでした。

(あらすじ) Amazonより引用

縄張り争いが激化する'50年代のロサンゼルス。街のコーヒーショップで元刑事を含む6人の男女が惨殺される事件が発生した。殺された刑事の相棒だったバ ド(ラッセル・クロウ)が捜査を開始。殺された女と一緒にいたブロンド美女リン(キム・ベイシンガー)に接近する。彼女はスターに似た女を集めた高級娼婦 組織の一員だった。同じ頃、その組織をベテラン刑事のジャック(ケビン・スペイシー)が追っていた。野心家の若手刑事エド(ガイ・ピアース)も事件を追い、容疑者を射殺。事件は解決したかに見えたが、彼ら3人は底なしの陰謀に巻き込まれていく。

(引用終わり)

暴力や殺人など、凄惨な場面はとてもリアルで、思わず目を背けるようなシーンもたくさん出てくるのですが、一度見始めたらもう、ずっと画面に釘付けになってしまいます。何気ない会話の一言や何気ない仕草のひとつが、実は大きな意味を持っていて、後のストーリーを動かす鍵となっていくので、耳も目も集中しっぱなしです。

この作品の魅力は、登場人物それぞれが持つ人間くささ、かな。誰もが「完全なる善人」ではなくて、どこか人間性にゆがみやかげりがあるんですよね。

例えば主人公のバドは根が正直で信じたことを信じたままに突っ走るまっすぐさを持っていますが、すぐに暴力に出てしまう。エリートのエドは当時のLA市警には似つかわしいくらいにスマートですが、出世の為であれば密告でも何でもする。ジャックもまた、「裏の顔」を持っている。

そういった、人間であれば誰もが持つであろう「欠落した部分」を隠すことなく描く事で、よりリアリティを出しているように思います。
どの人物も、一癖も二癖もありながら、どこか憎みきれない魅力的な部分が必ずあるのです。

そして、事件をきっかけにそれぞれが自身の「正義」をかけて、闘いに挑んでいく・・・。
だから我々観客も、彼らの姿を、事件の顛末を追わないではいられないのですよね。

キャスティングもまさに適材適所。ラッセル・クロウ、ガイ・ピアース、ケヴィン・スペイシー、ジェームズ・クロムウェルなど、それぞれが、それぞれの役を魅力的に演じています。

特に、物語の鍵を握る女性、リンを演じたキム・ベイシンガーの美しさといったら!彼女はこの作品でアカデミー助演女優賞を獲得しましたが、それも納得の圧倒的存在感と輝きを放っています。

バドとリンが初めて出会う場面。ここはほんっと、秀逸です!バドに声をかけられたリンがパッとこちらを向いた瞬間、男ばかりで泥臭く、セピア色のようなトーンだった映画の世界が、初めて彩づいていくような錯覚を受けます。この瞬間の演技だけで、私にとってキムは忘れられない女優になりました。

また、映像がとても美しいんですよ。凄惨な場面なのに、窓の外から柔らかく入り込んでくる日の光、とか、侵入捜査の緊迫した場面で、窓の外で美しく揺れるジャカランダ(だと思うのですが・・・)の花々と、その後ろに映える真っ青な空・・・とか。光の使い方がとても印象的です

久しぶりに見て、やっぱりこれは「名品」だなぁとしみじみ感じました。
役と俳優がピタリとハマッたキャスティングと言い、カメラワークの素晴らしさと言い、光の使い方と言い、本当に完成度の高い作品だと思います。

久しぶりに見ることができて、当時の興奮や感動がよみがえってきました。幸せな冬の夜でした。


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コメント 2

madamelee

はじめまして。私もこの作品好きです。

先日、なにかの折りに“ロロ・トマシ”と突然思い出して、
あのケヴィン・スペイシーは素晴らしかったな〜とか、
ラッセル・クロウの暴れっぷりが堂に入っていたとか、
ガイ・ピアースの腰砕けっぷり(強がってるけど
坊ちゃんなんですよねまだ)もよかったなとか
あれこれ思い出しておりました。

この作品観て以来、ジェームズ・クロムウェルが
出てくると「気をつけろ!」と思ってしまいます。

by madamelee (2011-01-18 22:53) 

★とろりん★

madameleeさま、

はじめまして!nice!とコメント、ありがとうございます!!

madameleeさまに同感です!この映画は、何かの拍子にふと思い出して、わき出る泉のように記憶がどんどん浮かび上がってくるんですよね。リンとバドのシーンはどれも印象的だったなぁ、とか、ラナ・ターナーの件とか本当に巧いよなぁ、とか。

>>この作品観て以来、ジェームズ・クロムウェルが出てくると「気をつけろ!」と思ってしまいます。

こちらも同感です。この映画の翌年(かな?)に公開された『ディープ・インパクト』を見た時、「あ…今回は、悪い人じゃないんだぁ…」と思った記憶があります(クロムウェル氏すみません)。
by ★とろりん★ (2011-01-19 08:53) 

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