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ミュージカル 『道化の瞳』 [講座・現代演劇]

2012年4月12日(木) シアタークリエ 19:00開演

作・作詞・演出・振付:玉野和紀
音楽・歌唱指導:NASA
ヴォーカルアレンジ・稽古ピアノ:松井トモコ
装置:升平香織
照明:高見和義
音響:戸田雄樹
衣裳:十川ヒロ子
ヘアメイク:福島久実子
クラウニング・ジャグリング指導:ダンディGO
振付助手:大畑浩恵
舞台監督:小谷武
演出助手:渡辺光喜

【キャスト】
宮岸健一/クーガン:屋良朝幸
宮岸明子/チェリル:彩吹真央
里見貴行/ハリー:小西遼生
鈴木淳/カール:原田優一
高橋修司/フラット:佐々木喜英
矢口舞/グリゼルダ:桐生園加
桜井美穂/ベデリア:美羽あさひ
黒崎哲也/ダリウス:佐藤洋介
五十嵐敬子/ローガン:保坂知寿
安藤進/アルバート:小堺一機
チャーリー:玉野和紀

ピアノ:荻野清子
ヴァイオリン:岸倫仔
リード:坂川諄
パーカッション&ドラム:東佳樹、秋田孝訓


* * * * *


彩吹真央さん。私が蘭寿とむのファンになるきっかけとなった、元宝塚の男役スターさん。2人がダブル主演した『月の燈影(ほかげ)』は、今でも思い出がいっぱい詰まった大切な作品です。

美羽あさひさん。らんとむの宙組2番手時代によく相手役を務めてくれた、元娘役スター。宙組に来てらんとむの男っぷり&包容力が一段と上がったのは、彼女のお陰だと思い込んでおります。

桐生園加さん。らんとむの花組時代の後輩としてパーソナルブックの対談にも登場し、ダンスの場面でもよく共演しました。(久々に、蘭寿とむパーソナルブック2007を引っ張り出してきました。らんとむ、若いわ~っ!!)

保坂知寿さん。私が劇団四季に興味を持つきっかけとなった方。『ミュージカル李香蘭』の川島芳子役で、スタイル抜群で軍服を着こなす姿に憧れました。


私のカンゲキ人生にとって、思い入れの深い女優陣がこれだけ集結することなんて、これからあるだろうか!?

否!たぶん、否!!

これは観ておいた方が良いんでない!?

よっしゃ、GO!!

という、謎のテンションでチケットを入手したこの舞台。改めてクリエのホームページで公演詳細を観て、初めてジャニーズの屋良朝幸くん主演だという事を知りました。ごごご、ごめんね、屋良くん!!

屋良くんはジャニーズ事務所きってのダンサーとして知られ、嵐の「ワイルド アット ハート」や「Crazy Moon」、「One love」などの振付も手掛けています。単独でミュージカルに主演するのは、今回が初めて。そして私にとっても、ジャニーズ所属アーティストの舞台をこの目で実際に観るのは、今回が初めて。

ドキドキ、ワクワクしながらの観劇でしたが、とことんエンターティメントにこだわった姿勢と、その中に込められたメッセージがまっすぐに伝わってきて、とても切なく、とても温かい物語でした。


【あらすじ】


現代。白血病を患う少年・健一(屋良)は、長い入院生活の中で出会った医師(小堺、保坂、小西)や看護師(原田、佐々木、桐生、美羽、佐藤)、そして盲目の母親(彩吹)をモデルに絵本を書いています。そんな彼の唯一の友達が、燕尾服を着た「チャーリー」という名前の人形でした。ある日、母親と医師たちの会話から、自分の余命がわずかだと知った健一は衝撃を受け、意識を失ってしまいます。健一が目を覚ますと、どこか知っている世界が・・・それは、彼が描いた絵本の世界だったのです。

1931年のイギリス。靴磨きの少年クーガン(屋良)は道化屋のアルバート(小堺)達と一緒に、貧しいながらも楽しく毎日を過ごしていました。タップダンスの得意な道化のチャーリー(玉野)は、チェリル(彩吹)という盲目の令嬢に恋をしていました。ある晩の舞踏会で、貴族の青年ハリー(小西)がチェリルに一目ぼれしますが、目の見えないチェりルは素直に想いを受け入れることができません。ある日、チェリルの目の治療法をハリーから聞いたチャーリーは、あることを決心します。

大切な人のために、自分に何ができるのか。大切な人に、自分は何を与えられるのか。健一とチャーリーの思いが交錯する時、絵本の物語は終わりを迎えます。


【カンゲキレポ】

シアタークリエには初めて入りました。あれほどお向かいの東宝劇場には入り浸っているのに・・・ね(笑)。1階は受付のみで地階にある劇場には階段かエレベーターで移動。ホワイエが結構狭いので、幕間にはトイレに並ぶ列と売店に並ぶ列でものすごい混雑になりますが、劇場係の方の誘導が的確かつ迅速で、余計なストレスを感じることなく過ごすことができました。

プログラムを読んで驚いたのですが、今回、演出・振付を担当し、出演もされている玉野和紀さんは、『雨に唄えば』や『ロシアン・ブルー』など、宝塚の舞台でも何度かタップの振付をなさっているのだとか(←うう・・・どちらも観てないから知らなかったや・・・)。彩吹さんは『ロシアン・ブルー』に出演していたし、美羽あさひちゃんも『雨に唄えば』に出演していましたから、ご縁があったのですね~。

・・・ということで、今回はほとんど、OGさん、モトシキさんとの思い出メインに感想レポを書きすすめていく気配です。屋良くんファンの方、小堺さんはじめ素敵な俳優さんファンの方、本当にすみません・・・。

第1部では、白血病の少年、健一と周囲を取り巻く人間関係が描かれます。

人形チャーリーに話しかけ、絵本を描くことで病気への不安、死への恐怖に打ち克とうとする健一。そんな健一を明るく、優しく見守る医師・安藤(小堺)。治療方針をめぐって安藤と対立する五十嵐(保坂)と里見(小西)、光を失いながらも、健一の前では決して明るさを失わない母・明子(彩吹)。そして楽しく、朗らかに病院を盛り立てる医師や看護師たち。

五十嵐と里見以外が登場する「戦え!ナチュラル・キラーマン」は、抱腹絶倒の可笑しさです!病室内でいきなり展開される戦隊ショー!!五十嵐が真顔で登場した瞬間の、あの気まずい間とたちこめる恐怖感といったら(笑)。

第2部では、健一が描く絵本の世界が再現されます。

最初、現実世界の健一と絵本の世界のチャーリーは同じような立場だから、屋良くんが2役演じるのかと思っていました。すると、チャーリー役は玉野さん。2つの役が重なりあっているのだったら、屋良くんがすべきなのでは?と思ったのですが、物語が進むにつれて、その意味がわかったような気がします。せめて絵本の中では、健康に、自由に好きなダンスを踊っていたいよね、健一くん・・・。

クライマックスで、チャーリーの思いと健一の思いが重なった時、絵本に込められたメッセージも解き明かされます。

母親のために、健一だけができる、愛情と幸せの込められたプレゼント。それは、あまりにも悲しくて、あまりにも必死なプレゼントで・・・あまりにも切ない、世界でいちばん愛する人との絆。それは、健一が少年だったからこそ、純粋に決意できたことなのかもしれません。ここまで、愛する人に与えることができるだろうかと、心を激しく揺さぶられました。

物語のテーマはとても切なく重いものですが、随所に入るショーシーンはさすがの手堅さ。

前述の「ナチュラルキラーマン」の意外性と言い、第2部の道化師達によるストリートジャグリングでの一体感と言い、ローガン(保坂)による気だるさ全開の肉食系ショーの迫力と言い、わずか11名によるカンパニーで創り上げているとは思えない完成度の高さです。それぞれがそれぞれの個性をいかんなく発揮できているのが、気持ち良いですね。

長くなってしまったので、キャストの感想は次回のお楽しみに。(←ひええ、またやっちゃったよー!!)


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