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ミュージカル 『道化の瞳』 主なキャストの感想 [講座・現代演劇]

全体の感想はコチラから。

【屋良朝幸】

ものすご~く曖昧な記憶で恐縮なのですが・・・私が嵐ファンになって間もない頃のこと。何かの雑誌(おそらくアイドル誌)で、「ジャニーズでいちばん○○が上手なのは?」というアンケートにジャニーズのアーティストが回答する、という特集がありました。その時、「いちばんダンスが上手だと思うのは?」という質問に、嵐の大野智くんは「屋良朝幸」と答えていたんですよ。(記憶違いでしたら、すみません)

抜群に美しいダンスで魅せる大野さんが「ダンスが上手い」と指名する「屋良くん」って、どんな人なんだろう・・・と思ったのが、私の屋良くんに対する最初の印象です。それからずっと、いつか屋良くんのダンスを観てみたいなぁという思いは何となく心の片隅にあったのですが、こんなに早く願いが叶う日が来るとは思っていませんでした。

そして、初めて観た屋良くんのダンスは・・・目が飛び出るくらいに仰天しました。

何なの、あの高速回転技!!あのジャンプの高さ!!動体視力も追いつけない動きのキレと素早さ!!

大野さんのダンスが「惹きつけて離さない」タイプなら、屋良くんのそれは「圧倒して釘付けにする」タイプだと思います。

運動神経めちゃくちゃ良いんだろうな~と感じさせる俊敏な身のこなしやバネのある動きに、一瞬たりとも目を離せなくなります。何ていうのでしょう、自分が目を離した瞬間にとんでもなくハイレベルな技を繰り出すのでは、と思うと、彼の一挙手一投足を見逃してはいけない!と、どうしても目が釘付けになってしまうんですよね。

第一部は病身の少年ということで、それほど激しく動くシーンはないのですが、第2部では水を得た魚のように、舞台を所狭しと駆け回り、踊りまくる屋良くん。イキイキとした小気味良いダンスがとにかく圧倒的で魅力的で、惚れ惚れしました。

これからも、屋良くんにはダンスアクト的な舞台にどんどん出演して欲しいなと思います。


【彩吹真央】

ユミコさん・・・・・・(←彩吹の宝塚時代のニックネーム)

ユミコさんに関しては・・・もう、何も言えねぇ・・・(号泣)。

という事で、彩吹真央さんに関してはコチラの記事でマニアックかつしっとりと語ってみました。興味のある方はご覧ください。

第1部では主人公・健一の母親で目の見えない明子役、第2部では健一が描く絵本の世界のヒロインで、やはり盲目の令嬢・チェリル役。どちらもさっぱりとしていて、心がとても純粋で美しい人です。特にチェリルのキャラクターは、母親に対する健一の愛がたっぷり詰まっています。

全幕通して目の見えない役というのはとても大変だったと思いますが、彩吹は難なくこなしていました。目の見えない追い目や健一の病気の事など、多くの悩みを抱えていても絶対に健一の前では見せない。でもやっぱり、ふと辛くなることもあって・・・母親だからこその強さと弱さを、絶妙のバランスで演じきっていました。

第1部、眠っている息子の傍で嗚咽をもらし、「この子の神様」を歌い上げるシーン。絶唱する彩吹の姿が本当に哀しくて、美しくて、儚くて・・・圧倒されました。劇場中が息をつめて、彼女の歌声に聴き入っていました。あれだけ舞台の空気をガラリと変えられるのは凄い!あの瞬間は、彼女が舞台を掌握していました。ユミコさん、さすが!!

変わって第2部では、金髪姿も麗しい美しい令嬢チェリルの姿に。細い~・・・。誰からも愛される心の美しい女性。舞台中央に設置された窓を開いて登場するのですが、そのたびに優しい光がパーっと舞台に満ちるようでした。ユミコさん、ほんまにええ舞台人になったわ・・・(感涙)。


【保坂知寿】

第1部では効率性と利益を追求して安藤(小堺一機)と対立する副院長・五十嵐役。第2部では、安藤先生がモデルのキャラクター・アルバート(小堺)と対立するとあるレビュー小屋のオーナー・ローガン役。

劇団四季時代から独特のハスキーな声とオーラが印象的だった保坂ですが、今回の舞台でもその特徴が活かされた舞台だったと思います。彩吹が「陽」の空気を持つキャラクターなら、保坂は見事に「陰」の空気を持つキャラクターを手堅く演じきっていました。

保坂にしかない「オトコマエなオンナ」の魅力が炸裂するのは、第2部のショー場面。ギラギラしてどぎついデザインの衣装に身を包み、桐生園加・美羽あさひ・佐藤洋介を従えて歌い踊る姿は、圧倒的なド迫力!!歌の中で「この世は金が全て」と断言する保坂ねーさんに、「はいっ、おっしゃるとーりですっ!」と思わず平伏しそうになりました(笑)。


【桐生園加】

宝塚時代からダンスの名手としてその実力を高く評価されてきた桐生。今回は後輩の美羽と共に病院に務める看護師の役を演じました。

スカートをはいているからか、持ち前のダイナミックなダンスがもっと観られるかと思っていた身としては物足りない部分もありましたが、「ナチュラルキラーマン」の善玉菌(だったっけ?)のダンスは必見&必笑!!振りもキビキビこなしてめちゃくちゃカッコイイのに、設定が設定だけに半笑いしかできない、というのが非常に辛かったです・・・(笑)。

第2部では、ローガンの店でダンサーとして踊っているグリゼルダ役。階段に片足をかけてポーズしているのが何ともいえずハンサムでした・・・(うっとり)。ダンスもめちゃくちゃパワフルかつ繊細で、綺麗な円を描くダンス。そのかのダンスは、やっぱり観ていて気持ちが良い!!


【美羽あさひ】

まさみちゃん・・・・・・(←宝塚時代の美羽のニックネーム)

まさみちゃん・・・元気そうで良かった・・・(号泣)(←彩吹さんと同じパターン)

彩吹同様、美羽もすごく思い入れのある宝塚の卒業生です。

元宙組の2番手娘役スターとして活躍していた美羽。らんとむの主演作『NEVER SLEEP』や『逆転裁判』、本公演でもショーでよく相手役として組んでくれました。らんとむの男前度が宙組でガツンと急上昇したのは、まさみちゃんがらんとむを巧く立ててくれていたからだと思います。「宙組娘役の"マスターピース"」だったと、今でも個人的にそう思っています。

今回は桐生と同様、病院の看護師役。ちょっと普通のシンプルなナース服ではなく、ラインや襟もとに色が入っているちょっと変わったデザインのナース服だったのですが、可愛く着こなしていました。「ナチュラルキラーマン」の場面では、ナチュラルキラーマンを誘惑する悪玉菌を熱演。色っぽい身のこなしと美しい流し目でヒーローを翻弄する様子は、宝塚で培われた「娘役芸」の賜物。

第2部では、ローガンの店で働くダンサー・ベデリア役。ここでも大人っぽい色香を振りまいて、キュートでコケティッシュな魅力炸裂。ひとつひとつの仕草にも、女性らしい曲線や柔らかい雰囲気が出るように、身体の隅々にまで神経が配っているのがよくわかります。まさみちゃん、全然変わってなくて、本当に嬉しかったよー!!(←やっぱりファンレター化)


【小堺一機】

第1部では、主人公・健一の主治医を務める安藤医師役。第2部では、イギリスの下町で活動する道化師グループのリーダー・アルバート役。

いやもう、その芸達者ぶりには脱帽ですっっ!!芝居の空気を自由自在に操る天才です!

舞台の空気をガラリと変えることも出来るし、その空気感により深みをあたえる芝居もできる。この方が起爆剤となってどんどん舞台も勢いが乗ってくるし、落ち着いたペースに戻る、舞台の掌握ぶり。決して芝居の流れを途切れさせたり雰囲気を壊すことなく、ポンポンとアドリブを投げ出してくる頭の回転の速さ。ひたすら凄いな~と感心しながら拝見していました。


【玉野和紀】

今回のオリジナル・ミュージカルを手掛け、作・作詞・演出・振付の4役をこなす多才ぶり。

やっぱり、タップダンスが凄かった~!!目にもとまらぬ速さで踏み続けているのに、ひとつひとつの音がきっちり聞こえてきて、軽快で柔らかで。もう、凄い!という言葉しか思い浮かばないくらい、凄い!!(←わかりやすく貧相な語彙力)

よくマンガなどで、人物がダッシュしている様子を表現するために、足がいくつも描かれている描写がありますよね。まさにあのような現象が!!玉野さんがタップを踏み出した瞬間、ホントに足が何本もあるように見えましたもの。「え、実写でそんなことある?」って、一瞬、目をこすって見直しちゃいましたよ(笑)。


* * * * *


他にも、華のある容姿で目を惹いた小西遼生、手堅い芝居とダンスで舞台を盛り上げた原田優一と佐々木喜英、ナチュラルキラーマンがどうにもこうにも強烈な印象だった佐藤洋介、俳優陣も素晴らしい方たちばかりでした。適材適所というか、パズルのピースがピタリと当てはまるように絶妙なキャスティングで、心から楽しめる舞台でした。

『道化の瞳』は、本日シアタークリエで千秋楽を迎え、5月1日まで名古屋・金沢・大阪公演が続きます。これから御覧になる皆さま、どうぞお楽しみに!そしてキャスト&スタッフの皆さん、素敵な舞台をありがとうございました!大千秋楽まで頑張ってくださーい!!


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みく

★とろりん★サマおはようございます、昨日からこのコメントを~っと思いながら・・このタイミング!に逡巡していました。
あまり宝塚に詳しくない私ですがジェンヌさんで数名おうたがとてもお上手と思う方があり、その中でも彩吹さんのお声がとっても素晴らしくてしかも抜群のスタイルで・・春野さん⇒彩吹さん⇒蘭寿さんと花組のトップさんが受け継がれていくこと、彩吹さんトップ・蘭寿さん二番手の時期があれば・・もう少し宝塚観劇が多くなっていたかもと思うことがあります。
彩吹さん、ステキな女優さんになられているのですネ!!キレイなおみ足とかも
見せたりされてるのかしらん♡ ★とろりん★サマがまた彩吹さんのおうたを楽しめるようになられてよかったです。

by みく (2012-04-24 09:00) 

★とろりん★

みくさま、

コメント、ありがとうございます!!

お返事が遅くなってすみません!この2日間、旅に出ておりました。

実は、『道化~』の感想レポとキャストレポは先週末に書きあげて、シアタークリエ公演千秋楽の日に合わせて予約投稿設定(あらかじめ特定の日付と時間を指定すると、その日時に記事が自動的にブログにアップされる設定)してあったのです。まさか、このタイミングに・・・!!と、自分でも息が止まりそうになりました。そんな中のコメント、ありがとうございます。

彩吹さんとらんとむが、同じ時代にトップスターとして並ぶ姿が観たいなぁ・・・そんな夢を、ひそかに抱いておりました。もう叶わない夢ですが、ユミコさんはその「叶わなかった夢」を、「新しい夢」に向けて進むパワーに変えて、今の舞台生活を邁進されているように思います。これからはまた、ユミコさんの歌声にたくさん癒してもらおうと思います。
by ★とろりん★ (2012-04-25 20:48) 

めい

こんにちは、通りすがりの者です。

道化の瞳を観て、彩吹真央さんが好きになった屋良くんファンです(笑)

屋良くんのダンスの魅力をすごく的確に表現してらしたので、
そうそう、そうだ!と思ってついコメントさせていただきました(^_^;)

私のは、屋良くんがすごすぎてびっくりしちゃって、
「屋良っちの体ってどうなってるんだろう…」というぼんやりした感想だったので(^_^;)

屋良くんが誉められてるのが単純に嬉しいです(笑)

ありがとうございます。

by めい (2012-05-04 10:27) 

★とろりん★

めいさま、

こんにちは!コメント、ありがとうございます!!

屋良くんファンの方からのコメント、とても嬉しいです。「何か、見当違いなコト書いてないかな?大丈夫かな?」って、ちょっとドキドキしていましたので(←小心者)。こちらこそ、ありがとうございます!

いや~、私も踊りだした屋良くんを見て、「彼の身体は一体、何がどうなっているんだろう・・・」と思ったのが、第一印象です(笑)。それだけ動きのキレや身体の回転が半端なく鋭いんですよね。

機会があれば、また屋良くんが出演する舞台を観てみたいと思います!
by ★とろりん★ (2012-05-04 14:35) 

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