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五感の芸術 ~「菓匠 菊家」の和菓子~ [スイーツ☆]

しばらくブログをお休みしてしまいました。「遅めの5月病」とでも言うのでしょうか、特に理由もなく、だら~んと過ごしておりました。書いておきたい観劇レポも山積みなのにな~と思いつつ、仕事から帰宅すると、ご飯を食べて、お風呂に入って、ボー・・・ッとして、お休みなさ~い・・・状態。PCを開くこともせず・・・。来週から旅も始まるし、ちょっとお休みしたい気分だったのでしょうかね。

またぼちぼちと自分のペースで始めようと思いますので、よろしくお願いします☆

☆-☆-☆-☆-☆

和菓子の老舗「虎屋」第16代当主・黒川光朝は日本文化史の側面から、和菓子を「五感の芸術」と名付けました。

食品の絶対条件である「味覚」。

お菓子を口に含んだ時の歯触りや舌触り、楊枝でお菓子を切る時に感じる柔らかな「触覚」。

素材のほのかな香りを楽しむ「嗅覚」。

繊細で美しいデザインを愛でて楽しむ「視覚」。

そして、日本の四季や節句、年中行事を想像させる名前(菓銘)を聴くことで広がる世界は、「聴覚」を刺激します。

茶道で供される和菓子(主菓子)は、見た目も菓銘も日本の四季の情景や風景を鮮やかに切り取っていて、見ているだけで和やかな気持ちになりますし、美しい菓銘には心ときめきます。上品な和菓子の香りや柔らかな甘さ、そして滑らかな口あたり。和菓子をいただくと、本当に心豊かな気持ちになれますよね。

東京・青山にある和菓子処、「菊家」さん。昭和初期に創業され、作家・向田邦子がここの「水羊羹」を愛して足しげく通っていたことで有名なお店です。

モダンでスタイリッシュなビルやお店が建ち並ぶ骨董通りにひときわ異彩を放つ伝統的な日本家屋の風情と、緑が美しい柳の木が目印です。

店内はとても小ぢんまりしています。お店に入ってすぐ右に蹲踞(つくばい)があり、左奥に茶室の入口が見えて、ちょうど店先の土間が露地の役割を果たしています。日本の様式美の粋と美がこの小さな空間に張り巡らされています。

季節ごとに販売される主菓子をいくつか買いました。

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うわ~!

キラキラと輝いていて、宝石箱のよう。ずっと見ていても見飽きませんね。

上段左から時計回りに、「蛍袋」、「水辺の蛍」、「薫風(バラ)」、「清流」、「花園」、「紫陽花」という菓銘がつけられています。


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「花園」。

5~6月に最盛期を迎えるバラの花が色とりどりに咲き誇る様を見事に表現。華やかさと優雅さが絶妙です。


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「清流」。

アユ漁の解禁となる川開きに合わせて販売が開始されるお菓子。玉石が重なる透明な清流で、鮎が2匹、イキイキと泳いでいます!なんて繊細で濃やかな匠の技!

「水辺の蛍」はその名の通り、清流に飛び交う一匹の蛍を表現しています。葉っぱの陰になっていてわかりにくいのですが、薄いブルーがかった葛の上に乗せられた一粒の小豆(たぶん)の、さらにその上に黄色の餡がちょこんと乗せられて、蛍がぽわんと光を放つ様子がわかります。・・・美し過ぎる、日本の職人芸っっ・・・!!(感涙)

お味も、本当にまろやかで、押しつけがましくなくて、それでいて優しい甘さ。口に含むたびに、ついついうっとりとしてしまいます。「味わう」って、こういう事なのね・・・。

和菓子ひとつで広がっていく小宇宙。そこはまさに、五感をフル稼働させて感じる、美しく豊かな世界です。


「菓匠 菊家」のホームページは、コチラから☆


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