映画 「エイトレンジャー」 [映画]
2012年7月28日(土)公開
映画公式サイト:http://www.eightranger.com/index.html
出演:横山裕、渋谷すばる、村上信五、丸山隆平、安田章大、錦戸亮、大倉忠義、ベッキー、蓮佛美沙子、田山涼成、石橋蓮司、六平直政、野添義弘、佐藤二朗、高橋ひとみ、竹中直人、上島竜兵、東山紀之(特別出演)、舘ひろし
監督:堤幸彦
製作指揮:藤島ジュリーK.、市川南、石橋誠一、長坂信人
製作:中村弘子、山内彰弘、田中良明、福冨薫
プロデューサー:原藤一輝、中沢晋
脚本:高橋悠也
音楽:長谷部徹、Audio Highs
撮影:斑目重友
美術:相馬直樹
照明:澤野五月
録音:鸨田満男
スタイリスト/コスチュームデザイン:袴田能生
原案協力:関ジャニ∞
主題歌:『ER』 (エイトレンジャー)
配給:東宝
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「∞祭(はっさい)~ボクらも8っちゃい、8っちゃけまつり~」からはや2週間。すっかり関ジャニ∞の魅力にハマってしまい、とうとう現在公開中の映画「エイトレンジャー」を観に行ってきました!
まだ公開中の映画ですし、ちょっとネタばれ的なところもあります。興味のある方は「続きを読む」からお入りください。
【ストーリー】
時は2035年。国家崩壊しつつある日本では、あらゆるところに悪の組織がはびこり、テロや無差別誘拐などが多発。人々は恐怖と絶望に襲われながら日々を過ごしていました。
荒廃した地方都市・八萬市(エイトシティー)に住む借金苦のニート青年・横峯誠(横山裕)は、闇金に追われている最中、エイトシティーの自警団「ヒーロー協会」にスカウトされます。さらに彼は、新人なのに何故かヒーロー部隊「エイトレンジャー」のリーダーに任命され、ブラックレンジャーとして活動することになります。
ところが、他のヒーローたちは一癖もふた癖もある者ばかり。アルコール依存症の渋沢薫―レッド―(渋谷すばる)、八重歯がチャームポイントのチェリーボーイ・村岡雄貴―ナス―(村上信五)、ネット通販依存症の丸之内正悟―オレンジ―(丸山隆平)、青いものに目がない安原俊―ブルー―(安田章大)、元・一発屋でプライドが高く、センターポジションに異常な執着心をしめす錦野徹朗―イエロー―(錦戸亮)、鹿児島弁をしゃべる優しすぎる男・大川良介―グリーン―(大倉忠義)。
しょせん、寄せ集めの集団でしかない「エイトレジャー」は結束も協調性もなくバラバラ。そこで「伝説のヒーロー」と呼ばれるキャプテン・シルバー(舘ひろし)から「真のヒーロー」としての教えを乞うことになります。
そうしているうちにも、悪の集団「ダーククルセイド」は、着々と魔手を広げていきます。彼らの真の目的とは何なのか?エイトレンジャーは街を、人を守ることができるのか?戦いの向こうに見える運命と真実は、いかに―?
【カンゲキレポ】
「エイトレンジャー」はもともと、関ジャニ∞のライブ中に上演されるコント。彼らの名称(ナスレンジャーとか)も、そのまま使用されています。それぞれのメンバーカラーがそのままレンジャーカラーになっています。
結成は2005年。デビューして間もない関ジャニ∞は、ライブをさらに盛り上げるための方法をグループで相談し、オリジナルキャラクター「エイトレンジャー」が誕生しました。メンバー自身が道頓堀にあるCDショップで戦隊もののDVDを借りて来て、曲や歌詞などを研究したそうですよ。
私も借りたライブDVDで「エイトレンジャー」のくだりを見ましたが、抱腹絶倒のおかしさと、ハイレベルすぎる完成度に驚きを通り越して、唖然(笑)。最初はMC替わりのコントかな~程度にしか思っていなくて、家事をしながら軽~い気持ちで見ていたのですが、最後はテレビの前で正座して見てましたもん(笑)。
しっかりした台本、練られた構成、きちんとオチる演出。ミュージカル仕立てで随所にグループの楽曲が入るのですが、その選曲のセンスや曲入りのタイミングなど、完璧!
個人的に大好きなのは、『関ジャニ∞ PUZZLE TOUR 2∞9 IN TOKYO DOME』で上演された、「帰ってきた∞レンジャー となりの芝生は何色に見える の巻」。コントの途中で海外ミュージカルやCMのパロディが続けざまに登場し、とっちらかっているように見せながらも、ラストは絶妙な展開でツアータイトル「パズル」にきっちり結びつけるというクオリティの高さ。
ちなみに、こちらの本家エイトレンジャー台本は、横山君が担当しているんですって。この鋭い笑いのセンスと発想力、そして構成力・・・横山君、ほんま天才やな・・・!
それでも、いったんステージに上がったら大まかな流れ以外はほとんどアドリブで進行するそうです。横山君が誰に台詞を投げかけるかで、その日の配役が変更になるパターンもあるのだとか。それに対応するメンバーの瞬発力と集中力も凄いですね。
「あ~あ~ エイトレンジャー どうにかもうにかやっつけろ♪」というテーマソングの歌詞も可笑しすぎて超悶絶。ヒーローやのに、「どうにかこうにか」って(笑)。ちなみにこのテーマソング、映画でもしっかり使用されています。
・・・と、本家の説明がめちゃくちゃ長くなってしまいましたが(笑)、そのコントが原案となり、2012年、関ジャニ∞デビュー8周年の節目の年に、新たな設定と物語とともにスクリーンに登場したというわけです。
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さてさて、映画の感想。
映画ファンなら、夏休みの戦隊物として気軽に楽しめる一作。関ジャニ∞ファンなら、何度観ても楽しめる、というか何度でも観たくなる映画ですね。
そりゃあね、ストーリー的には色々と突っ込みどころはあります。そ・・・そんなちっちゃい爆弾でコンビナート爆破できひんやろ、とか、この突き放したような終わり方は一体・・・?(あ、10周年への布石かしら?)とか、ヒーローものというよりは、むしろ人情小噺的な?とか。
それを補って余りある小ネタと仕掛けの数々、そしてそれぞれが見事にキャラ立ちしたキャスト陣。メンバーを始め、どのキャストもイキイキと役を演じているのがとても良かったです。何と言っても、キャプテンシルバー役の舘さんが見事な存在感で空気を引き締めていましたね。
怒涛のように繰り出される小ネタと仕掛けの中でも(め、目が足りない・・・一瞬で7人+αを見るのは無理です・・・)そこは堤監督。「真のヒーローとは何か」というテーマが一本、ちゃんと作品の芯となって立っているので、大人でも見応えのある作りになっています。
新人の横峯がリーダーになることで、レンジャーの中で対立が生まれるのですが、それが年上組(横山、渋谷、村上)と、年下組(丸山、安田、錦戸、大倉)に分かれていて、その空気感が良い意味でリアル。
年上組の責任感や自覚の強さ、人と向き合う時の誠実さ。年下組の(少し軽薄さもある)行動力、大切なことに気付いた時の真っ直ぐさ、些細な変化に気づく勘の鋭さ。それぞれの世代が持つ持つそれぞれの良さが、映画でも活かされているように感じました。
個人的に、初心者横山君ファンとしては、随所に彼のアップが登場するので、それだけでデレデレしていました(笑)。
横山君、指が細くて長くて綺麗だなぁ~。横峯がキャプテン・シルバーと場末のスナックでお酒を酌み交わす場面があるのですが、何気なくグラスを手に取る指のフォルムがめっさ綺麗で、思わずうっとり・・・☆(←やはり指の綺麗な人が大好きらしい)
あと、すごく興味深かったのが、レンジャーそれぞれの戦闘服「エイトスーツ」。今回の映画化にあたって新調されたものですが、譲れないパーツ(お尻部分の∞マークとか)以外は、メンバーごとに全くデザインが異なるんですよ!人物それぞれの性格をさりげなく表現するように、ボタンやファスナー、ポケットの位置や着け方がひとつひとつ異なるのです。
例えばブラックは、ストーリーの上では新人なので、スーツも最新仕様のスタイリッシュなデザイン。実際のSWAT(特殊部隊)のディテールも盛り込んであるのだとか。買物依存症で何でも集めてしまうオレンジは、ポケットをたくさん着けたのだそうです。グリーンは当初、「極度の人見知り」という設定だったために、大きなフードが取り付けられています(その後、堤監督のアイデアで西郷どんリスペクトキャラになったため、不要になったとか・・・笑)。
他のスーツも、きちんとそれぞれの性格やバックグラウンドが垣間見えるようなデザインになっているんですよ!なにその芸の細かさ!!超リスペクト!(←ここでも炸裂する職人芸フェチ)(←こっそりグリーンの真似)
ここまでデザインも個性も異なるエイトスーツなのに、靴は役柄ごとにそれぞれ自前、という細かい設定にも萌えました(笑)。
・・・と、なぜか映画の内容ではなく、エイトスーツについて熱く語ってしまいました(笑)。
他にも、年上組が集う居酒屋のポスターやメニュー、横峯とキャプテン・シルバーが酌み交わすウィスキーのラベル、キャプテンシルバーのお部屋など、随所に細かい小ネタが潜んでいます。
ただでさえ登場人物を追いかけるのにてんやわんやなのに、さらに小ネタまで見逃さずについていこうとなると、もうホントにちょっとしたパニックですよ(笑)。なかなか語り尽くせません!
子どもから大人まで、ちょっと考えさせられつつ、肩の力を抜いて楽しめる映画です。
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