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歌舞伎座新開場杮葺落(こけらおとし) 二月花形歌舞伎 夜の部 二幕幕見 [歌舞伎]

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2014年2月16日(日) 歌舞伎座 18:11開演

『青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)

二幕目
雪の下浜松屋の場
同 蔵前の場
稲瀬川勢揃の場


弁天小僧菊之助/菊之助
南郷力丸/松緑
赤星十三郎/七之助
忠信利平/亀三郎
鳶頭清次/亀寿
浜松屋倅宗之助/尾上右近
丁稚長松/藤間大河
浜松屋幸兵衛/團蔵
日本駄右衛門/染五郎


歌舞伎座が新開場して、初めて幕見に行ってきました。

これまで歌舞伎座の幕見と言うと・・・先着順でチケットを1階の切符売り場で購入後、急な階段を4階まで駆け上り、良心の呵責を覚えつつも先に並んでいたご年配の皆さんを追い越していき、狩りをするような目つきで少しでも見やすい席を探し、息が上がったまま幕が開く・・・という感じでしたが(←記憶には個人差があります)、少しずつシステムが変わっていました。

まずは、入場券の販売開始時刻と、幕見席への入場開始時刻が別に設定されるようになったこと。

これまでは切符販売開始時刻=入場開始時刻、でしたが、まずは切符販売開始時刻までに一度並びます。ちなみに今回拝見した夜の部二幕目の幕見の入場券販売開始時刻は16時45分でした。

並んでいる間に座れるベンチなどは、おそらく以前と一緒。座っていると、係員さんが説明など書かれた用紙を見せてくれますので、不安な方は一度目を通しておくことをオススメします。

販売開始時刻5分前に係員さんから購入や入場の注意があり、いざ購入へ。希望の幕を伝えると、上記のような「入場番号」が入った用紙(名刺より一回りほど大きいサイズ?)を受け取ります。この用紙が実質的にチケットになります。1幕ごとに1枚発行されますので、複数の幕を幕見なさる方は失くさないようにご注意ください。

その入場券がトップページのもの。一幕目から幕見に入っている観客から通しで数えた順番です。

入場券を購入すると、ひとまず解散(?)。お目当ての幕の開演時刻20分前までに直接4階幕見入場口まで行くように指示されます。開演時刻は入場券に記載されているので、その20分前までに4階へ向かいます。

今回は、16:45に入場券を購入して、幕見入場口集合時間は17:50頃。Ken's珈琲店にて腹ごしらえ。合鴨のパストラミサンドとロイヤルミルクティーをいただきました。あ、そうそう、思わぬサプライズに奇声を連発したのもココでした(笑)。

17:45頃に、再び歌舞伎座へ。幕見、先代と比べて最大の相違点は、エレベーターがあることです!

4階までの移動手段は、基本的に幕見専用エレベーターのみ。これで、4階まで直行します。

4階まで上ると、以前よりは格段に広いホワイエが伸びており、そこでしばらく待機。やがて、係員さんから番号を呼ばれます。幕見入場券に記載されている番号ですね。その番号順にいったん列を作り、いちばん早い番号の人から入場していきます。

入場してしまえば後は以前と同じく、素早く全体を見渡す視力と脊髄反射的直感をもって観やすそうなお席を探し出し、座ります。


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こちらが、歌舞伎座の新しい幕見席。後ろ2列分です。

お席は、横幅は先代より若干広くなったように感じますが、足元はやっぱり窮屈です(^_^;)。ちなみにお手洗いは、個室が3つ・・・だったかな?私が入った時にはそれほど混雑していませんでした。


そんな、新生歌舞伎座、初めての幕見で拝見したのは、「白浪五人男」のタイトルでも知られている『青砥稿花紅彩画』、浜松屋~稲瀬川勢揃の場まで。

浜松屋の場と勢揃はこれまでも何度か拝見していますが、蔵前の場は初めて。この場面で弁天と浜松屋、日本駄右衛門と浜松屋倅宗之助の関係が明らかになるのですね。なぜか既にこの2組の「親子」の関係は歌舞伎関連の書籍などで知っておりましたが、改めてお芝居として見ると、「なるほどー!」と、納得感が増しますね。いや、設定自体が既にいろいろ超越していますけれどね(笑)。

弁天小僧を勤めた菊之助。もう、すっかりお役が手に入っていますね~。武家娘に化けた時の可憐さは言うまでもありませんが、見抜かれて自ら正体を明かす時の凄み。

「俺ぁもう、尻尾を」で一瞬息を詰め、吐き出した息のよどみない流れに沿って「出しちまうぜ」という台詞。その、呼吸の具合と間合いが絶妙!劇場中が固唾を呑んで彼の一挙手一投足を見守っていました。もう、彼を若手役者という肩書で呼ぶのはかえって失礼かもしれませんね。

そして今回、目が離せなかったのが松緑の南郷力丸!

もう、隠しても隠しきれない悪党っぷりと色気がっ・・・!!!ヾ(≧∇≦)ノ"キャハー☆

終演後、幕見をご一緒したカンゲキ仲間と、「松緑さん、めっちゃカッコイイー!!ヾ(≧∇≦)ノ"」「何なのあの色気はーっっ!!ヾ(≧∇≦)ノ"」と、ひとしきり大騒ぎしてしまいました(笑)。

特に浜松屋の場後半。二十両では変えられないとごねる弁天小僧をなだめる時に言う台詞。

南郷と弁天小僧は店先の下手に座り、日本駄右衛門は店の帳場の上手に座っています。人目につかないよう、お腹の下あたりで手の甲を下にして、人差し指で駄右衛門の方を指しながら、

「今日のところは それをもらってけえった(帰った)ほうが、そおーれぇー、なあ、よ、か、ろう、ぜ」。

このっ!この「なあ、よ、か、ろう、ぜ」の言い方が!!言い方があぁぁぁ!!!何ですかあの色気はあぁぁあ!!ヾ(≧∇≦)ノ"イヤハー☆

本当は、日本駄右衛門の合図を弁天小僧に気づかせようとしてする仕草と台詞なのですが、弁手小僧に寄りかかって、濡れたような目で「よ、か、ろう、ぜ」とか囁くように語りかけている日にゃあ、なんかいろいろ想像しちゃいますよね!ね!(←意見には個人差がありまくりです)

あとは、丁稚長松として出演のご子息、大河くんとの共演にもニマニマ。

南郷「おい小坊主、茶を一ぺえくれ」
長松「はぁーーーーー・・・い」
南郷「べらぼうに長い返事だな」

とか、南郷に「こんな焦げくせえ茶が飲めるかっ」(だったかな?)と言ってお茶を吹っかけられて「わぁ~」と去っていく時の微笑ましさ、可愛さ!!ニマニマ(・∀・)。

あと、上手の端っこからでないと確認できないと思うのですが、大河くん、自分の出番以外もきちんと舞台の上に出ているんです。浜松屋の店先の、大きな看板幕(?)の陰にある床几に座って、次の出番までじっと待っているんですよ。

こうしてお父様の芝居を同じ舞台の上でじっくり見ていることが出来るのは、彼にとっては本当に勉強になりますよね。大河くん、いつかお父様のように、力強く剛健な役者さんになってくださいね!

勢揃の場は、役者さんの華を味わうひと幕。本当にみなさん、一等星のようにキラキラされている!美しくて華やかで歌舞伎味が充分で、心ゆくまで堪能しました。

終演後の退場は、専用の階段で1階まで下ります。


お正月以来の歌舞伎座でしたが、やっぱり歌舞伎座に来ると、わくわくします。宝塚や狂言やジャニーズの時とはまったく違うわくわく感。これからも忘れないようにしたいですね。


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コメント 4

はなみずき

幕見は、1~3階の客席とは違うワクワク感がありますよね。なんなんでしょうね、この不思議なかんじは。
松緑丈の南郷、男っぽさがたまらんですよね~!! 芝居の華、というかシンは弁天小僧なんだけれど、ある意味、その弁天を手の上で転がしてるというか…(ハ! 他所様のコメント欄で語ってしまいました、失礼! 以下自粛!)。
私、初の幕見で、トイレ探検するのを忘れてました…(;・∀・)。
by はなみずき (2014-02-23 16:12) 

mami

おお、とろりんさんがまつみどり君をほめて下さってる!
いいでしょ、いいでしょ?この数年どんどん良くなってますよね~!花形世代いちばんの注目株です。菊ちゃんはもう王道をまっしぐらに進んでくれればいいし、この二人で音羽屋を背負っていくんだなあ、と胸熱で見ていました。これからも楽しみです。
by mami (2014-02-23 20:00) 

★とろりん★

はなみずきさま

コメント、ありがとうございます。

幕見は、独特のわくわく感がありますよね。「歌舞伎大好き!!」な気持ちが全開になるからかな?

>>芝居の華、というかシンは弁天小僧なんだけれど、ある意味、その弁天を手の上で転がしてるというか…

そうそう!!だからこそ仕どころも居どころも難しいお役だと思うのですが、松緑丈はそこのバランスが絶妙というか。良い役者さんになられましたよね。

>>私、初の幕見で、トイレ探検するのを忘れてました…(;・∀・)。

では、次の野望ということで(笑)。広く綺麗になっていましたよ☆
by ★とろりん★ (2014-02-24 09:35) 

★とろりん★

mamiさま

nice!とコメント、ありがとうございます。

松緑丈、すっごく素敵でした!!ヾ(≧▽≦)ノシ←思い出して興奮

元から声は張りがあるし、舞踊で鍛えた動きも機敏な方ですから、巧いな~とは思っておりましたが、しばらく拝見しないうちに、役者としての色気が増しましたよね。技量に色気が加わったら、役者としては最強ですよね!!

二人が中心になっていくであろうこれからの音羽屋、心から楽しみです。
by ★とろりん★ (2014-02-24 09:41) 

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