まだ見ぬ世界へのつばさ [旅]
今年最後の旅も、これまた結構な荒天につきまとわれました・・・(苦笑)。
離島への旅だったのですが、行きも帰りも「天候によっては、出発地に引き返すこともあります」という条件付き運航。1枚目も穏やかな青空が広がっているように見えますが、雲の下の海は強風と雨。
ドキドキしながらたどり着いたのは、奄美群島の南西の端に位置する、沖永良部島(おきのえらぶじま)。
鹿児島から約530㎞、沖縄からは60㎞という位置。地理的にも歴史的にも、琉球王朝の文化や風習が色濃く受け継がれています。
日本一のガジュマルの樹。
沖永良部島にある小学校の第一期生が卒業記念に植樹したもので、今年で樹齢115年を迎えます。
根周りは8m、円形に広がる枝振りは直径22mを超え、枝振りの素晴らしさは日本一と言われており、日本新名木百選のひとつに選ばれています。
この根っこ、本当にすごい!!
雨も風も強い1日で、地面はぬかるみや水たまりで歩くのも大変だったのですが、このガジュマルの下には樹皮や葉っぱが落ちて、幾重にも積み重なっているために、絨毯のようにフカフカの歩き心地。ずっと歩いていたくなるような心地よさでした。
このガジュマルの下は、本当に居心地が良くて・・・。大粒の雨も、強い風も、なぜかこの樹の下にいると、ささくれだった空気がふっと和らぐのが肌で感じられるのです。深呼吸すると、不安や心配がひととき浄化されて心が穏やかに落ち着くのがわかりました。
日本一のクスの木に、日本一のガジュマル、そして空の表情・・・今年後半の旅は、人間に対する自然の容赦ない厳しさを痛感すると同時に、人間を包容し癒す大きさと豊かさ、不思議で絶対的な力をたくさん感じられたように思います。
そしていよいよ、今年最後のフライト。言うまでもなく低気圧接近中のため、大荒れの飛行となりました(苦笑)。上空のところどころに低気圧が居座っているため、その低気圧を回避ながらの飛行。
重くて暗い雲の中を突っ切ったら、目に飛び込んできたのは、こんなにも美しい光景でした。
まるで、圧倒的な力を見せつける自然が、束の間に見せる慈愛の微笑みのよう。
こういう瞬間に出逢うたびに、当たり前のことですが、人間は決して自然を超えることはできない、超えようとしてはいけない、と強く思います。