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やちむん(壺屋焼) 「陶芸 城」 [お気に入り]

「壺屋焼(やちむん)」は、12~13世紀頃からの歴史を持つ、沖縄伝統の陶芸です。

読谷村にある「やちむんの里」には、共同の登り窯をはじめ、陶芸家の工房や共同売店が集まっています。デザインや図柄もダイナミックなものからポップなものまで多彩で、ひとつひとつの工房を見学していると、とても1日では足りません。

初めて訪れた時は、まるで宝の箱の中を歩き回っているような気持ちがしたものです。

その時の記事はコチラから

中でも私がお気に入りなのが、沖縄県で初めて人間国宝の指定を受けた陶芸家・金城次郎(1912-2004)の一門で、次郎の弟である金城敏徳さんと、その息子で次郎の又甥に当たる金城敏幸さんの工房「陶芸 城」。ちなみに敏幸さんは、次郎さんにとって最後のお弟子さんでもあります。

初めて手に触れた時からベタ惚れなくらい、金城一門の特徴的な「魚文」と、鮮やかで迫力のある赤絵が大好きなのです。今回はまだ熱に浮かされていたからか(←インフルエンザ終末期)、思わず血迷って大量に買い込んでしまいました(笑)。

今回の戦利品がこちら~♪

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う~ん・・・こうして並べて見ると、我ながらいっぱい買い込んだものだ・・・(^_^;)


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そばちょこ。

でも私・・・家でそんなにざる蕎麦を食べない事にいま気付いた・・・!!でも、丸みのあるフォルムと手に取った時の馴染み感、そして生き生きとしたお魚さんの表情がとても素敵で、ついついペア買い。ち、ちょっとした小鉢にして使おうかな・・・(笑)。


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マグカップ。

こちらは以前にも同じデザインのものを購入したのですが、ヘビロテしているうちにひびが入ってきてしまい・・・。未来の2代目として連れてきました。


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ようじ壺。

私は爪楊枝はあまり使わないから…何を入れようかな~♪

よ~く見ると、どのお魚も少し口角が上がって、笑っているように見えませんか?これが次郎氏の代表的な「笑う魚文」なのだそうです。


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カップ&ソーサー。

私、実はこのソーサーの赤がいたく気に入りまして…。悩んで悩んで悩み抜いたあげく、首里城の屋根から飛び降りる気持ちで(笑)えいやっ!と購入しました。


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お茶碗と一緒に。

大きさと言い、デザインと言い、きっとお菓子を少し載せていただくのに合うだろうな~と思います。


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というわけで、さっそくチャレンジしました(*^_^*)。

沖縄県うるま市にある「プティ・フール」さんのチョコチップクッキーとココナッツクッキーを。

うんうん、素敵すてき☆(←自己満足)


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お茶碗の中には、勢いよく跳ね上がる「笑う魚」。

この迫力と躍動感、やはり素晴らしい!!ご飯もいっぱいおかわりしちゃいそうです(笑)。

器自体はしっかりと丁寧な作り。重厚感のある見かけとは違って軽くて持ちやすいですし、使えば使うほど手に馴染んできます。大切に使いたいと思います。

沖縄観光の際には、ぜひ読谷村「やちむんの里」にも足を運んでみてください。一生大事にしたい器との出逢いが待っているかも知れませんよ。


希望の歌は果てない空の下 [旅]

先日の旅から少し時間が経ってしまいましたが、旅の途中で出会った空の風景を・・・

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沖縄島が見えてまいりました~。


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鮮やかなエメラルドグリーンとコバルトブルーのグラデーションが、とても綺麗!


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夕暮れの色に染まっていく東シナ海。


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この時の旅はインフルエンザ感染後の病み上がりで、体力の低下が著しく、ここまでたどり着くのもフラフラでした(汗)。でも、この夕暮れを見ているだけで、ちょっとだけ身体の苦痛が軽くなったような気がして、癒されました。

自然の力って凄いな・・・とあらためて思います。


ホワイト・バレンタイン [お気に入り]

先週に続いて今週も雪の東京です。先週ほど大変なことにはならない…でほしい…と願っています(-_-;)。

青森を旅した時にお友達から教わったのですが、風も強い雪の時は、傘はささない方がかえって安全だそうです。傘をさすと、絶対的に片手がふさがれますし、風で傘があおられる→バランスを崩す→転倒する危険性が高くなる、という事で。ましてや雪に慣れていない都会の人々は、なおのこと。

吹雪の時は、フードのついたコートを着用するか、ストールやマフラーを頭の上からすっぽりかぶって、いわゆる「まちこ巻き」にするのが良いそうな。風雪をまともに受けて凍えてしまう頬や耳もカバー出来ますものね。とにかく、外出の際は足元や周りに充分お気をつけてください。

本日はバレンタイン。特にロマンチックな約束もありませんが(苦笑)、最近溺愛しているバレンタイン限定グッズをご紹介します。

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スターバックスコーヒーの2014バレンタインオリジナルボトル、「ステンレスボトル ビビッドハートピンク」(←公式サイトでは完売)。

那覇空港の搭乗ロビーにある店舗で見かけて、その場で一目惚れ。聞けば最後の一品との事で、これは運命!!とばかりに連れてきちゃいました。鮮やかだけど深みのあるビビッドピンクに、控えめにパールが入っているボディ。さりげなく描かれているイエローとレッドのハートがお気に入りです。

軽くて、保温(保冷)性が高いのもさすが!ちなみにインフルエンザの時は、これにポカリスエットを入れて枕元に置いていました(笑)。

さぁ、こちらに温かいハーブティーを入れてお出かけします。皆さまも、素敵なバレンタイン、楽しい週末をお送りください(*^ー゚)b☆


ありがとうの気持ちをこの手に込めて ~壮 一帆、退団発表~ ※2月17日追記 [宝塚歌劇]

2014/2/12配信

雪組トップスター・壮 一帆 退団会見のお知らせ

雪組トップスター・壮 一帆が、2014年8月31日の東京宝塚劇場公演『一夢庵風流記 前田慶次』『My Dream TAKARAZUKA』の千秋楽をもって退団することとなり、2014年2月13日(木)に記者会見を行います。

なお、会見の模様は当サイトでもお知らせ致します。

公式サイトはこちらから


* * * * *


蘭寿とむの悪友でもあり、親友でもあり、そして戦友でもあった壮 一帆が、退団を発表しました。

『ファントム』の、エリックとキャリエール。

『復活』の、ネフリュードフとシェンボック。

『長い春の果てに』の、ステファンとクロード。

『サン=テグジュペリ』の、サン=テックスとギヨメ。

どれも、大切な思い出です。

そして、雪組トップスターとして魅せてくれた圧倒的な存在感と男役としての芸。『ベルサイユのばら』では圧巻の舞台姿を、『Shall we ダンス?』では、ごく普通でありながら魅力あふれるチャーミングな中年男性を表現し、その主役スキル、トップスキルはお見事!の一言に尽きました。

最後の舞台は、破天荒な行状で知られる前田慶次。壮くんの大きな魅力のひとつでもある「とっぽさ」がいかんなく発揮されるよう、そしてショーでも、もっともっと、たくさんの魅力に出逢えるようなステージになるよう、心の底から願っています。

壮くん、大好きだよ!


※2月17日追記

壮に続き、雪組トップ娘役・愛加あゆも退団を発表しました。2人のラブラブっぷりを見ていたら、そうだよね・・・という納得感はありますが・・・やっぱり切ないなぁ・・・。

昨夏、壮から退団の話を聞いて、その場で「ご一緒していいですか?」と返したというあゆっち。こんなにまで相手役に愛されている壮一帆、男役冥利に尽きますね。もう、最後までとことんラブラブしちゃってください!!


東京バレエ団 『ロミオとジュリエット』 [クラシック]

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2014年2月8日(土) 東京文化会館 14:00開演

『ロミオとジュリエット』
ジョン・ノイマイヤーの振付による全3幕のバレエ
ウィリアム・シェイクスピアの戯曲に基づく

振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
装置・衣裳:ユルゲン・ローゼ
振付指導:ケヴィン・ヘイゲン、エドゥアルト・ベルティーニ、大石裕香
世界初演:1971年2月14日、フランクフルト・バレエ


【主なキャスト】

モンタギュー家

モンタギュー夫人:山岸ゆかり
モンタギュー公:森田雅順
その息子、ロミオ:柄本弾

ベンヴォーリオ、ロミオのいとこ:杉山優一
マキューシオ、ロミオの友人:木村和夫
パリス伯爵:梅澤紘貴
僧ローレンス:岸本秀雄

キャピュレット家

キャピュレット夫人:奈良春夏
キャピュレット公:高岸直樹
その娘、ジュリエット:沖香菜子

ロザリンデ:渡辺理恵
ジュリエットの乳母:坂井直子
ティボルト、ジュリエットのいとこ:森川茉央

ほか

指揮:ベンジャミン・ホープ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


* * * * *


45年ぶりという記録的な大雪の日、バレエ公演を観劇しました。

今年50周年を迎えた東京バレエ団による『ロミオとジュリエット』。ジョン・ノイマイヤー振付による物語バレエの上演は、今回が初演だそうです。

バレエの全幕物を観劇するのは、おそらく新国立劇場バレエ『くるみ割り人形』以来、実に9年ぶりのこと(→その時の記事は、コチラから)。

振付のジョン・ノイマイヤーがハンブルク・バレエの芸術監督でもある縁から、昨秋の花組公演『愛と革命の詩』で振付を行った大石裕香が振付指導として参加しています。芸術の世界でこのような幸せなめぐり会いに遭遇すると、それだけで心が温かくなりますね。


【あらすじ】

イタリアの街、ヴェローナ。この街の名家であるモンタギュー家とキャピュレット家は互いに反目し、ヴェローナの守護聖人、聖ゼーノの祝祭日の前日も、剣を交えるほどの諍いが起こっていました。

モンタギュー家の息子ロミオは、キャピュレット家のいとこであるロザリンデに恋をしています。その日の夜、キャピュレット家で開催される舞踏会にロザリンデが出席すると知ったロミオは、いとこのベンヴォーリオや友人のマキューシオと共に、キャピュレット家に潜入します。そこで彼を待っていたのは、ロザリンデとの恋の進展ではなく、キャピュレット家の娘ジュリエットとの運命的な出逢いでした。

一目見てお互いに離れがたいものを感じたロミオとジュリエット。ロミオは舞踏会が終わった後もキャピュレット家に忍び込み、ジュリエットと愛を交わします。

聖ゼーノの祭りの日。ロミオとジュリエットは僧ローレンスのもとでひそかに結婚式を挙げ、永遠の愛を誓います。ところが同日、ジュリエットのいとこ・ティボルトとマキューシオが口論となり、決闘の末マキューシオがティボルトに刺殺されるという事件が起こります。その場に居合わせたロミオは逆上し、友の死の仇を討つべくティボルトと決闘、彼を殺害します。

ヴェローナから追放の身となったロミオは、一夜だけジュリエットのもとを訪れます。夜明けが来てロミオが去り、悲しみにくれるジュリエットに、両親であるキャピュレット夫妻はパリス伯爵との結婚を言い渡します。絶望の淵に追い込まれたジュリエットはローレンスのもとを訪れ、そこで一定時間仮死状態になる薬を授けられます。

パリス伯爵との婚礼の朝、ロザリンデやキャピュレット夫妻が見つけたのは、ベッドの上で深く眠りこんでいるジュリエット。彼女が死んだと思いこんだキャピュレット家の人々は悲嘆にくれ、その悲報はロミオの耳にも届きます。ローレンスが真相を打ち明けるべくロミオを探して追放先にやってきますが、すでにロミオはヴェローナへと戻った後でした。

キャピュレット家の墓所で眠るジュリエットと再会するロミオ。彼もまた、ジュリエットが死んだと思い込み、自ら命を絶ちます。しばらくして目覚めたジュリエットは、変わり果てたロミオの姿を見て全てを理解し、愛する人のもとへ旅立つのでした。


【カンゲキレポ】

いや~・・・感動しました。感動したと言うか、心を揺さぶられましたね。今でも、あの有名な旋律が頭の中によみがえっては余韻に浸ってしまいます。

肉体があれほどまでに雄弁な表現力を持っているなんて!人間だけが持ちうる肉体表現の素晴らしさ、身体能力の高さに圧倒されました。

「ロミオとジュリエット」の話は、戯曲ではきちんと読んだことがなくて、大まかな知識は1999年花組公演『ロミオとジュリエット'99』(←しかもビデオ観賞)がベース。対立する両家に生まれながら許されざる恋に生きた若者たちの悲恋、というくらいの認識しかなかったのですが・・・。

これは当時の「家」制度への鋭い視線、そして、成熟し自立する女性を描いた作品なのだな、と感じ、新鮮な感動を覚えました。新しい発見もいくつかありました。

そのシンボルとして君臨するのが、ヒロインであるジュリエット。素髪にバスタオル、裸足という洗いざらしの姿で登場する彼女は、ロミオと出逢い、恋をし、愛することによってどんどん自我が目覚め、強くなり、積極的に生まれ変わっていきます。

ジョン・ノイマイヤーの振付は手の動きがとても特徴的。思えば『愛と革命の詩』で蘭寿とむと蘭乃はなが踊ったデュエットダンスも手首から指先の動きがとても印象的でしたが、ノイマイヤーのもとで踊り続けている大石さんならではの発想だったのかな、と思いました。

愛を誓ったふたりが、お互いの手をそっと合わせる振りが多く、それを観るたびに胸がキューンとしました。良いなぁ、恋って良いなぁ・・・[黒ハート] (←突如としてほとばしる本音)

そして、彼の振付はとてもシンプルで、とても明確です。例えばジュリエットが、キャピュレット夫妻によってパリス伯爵に引き合わされる場面など、ジュリエットが「自分の意志で動かない」場面では、彼女の踊りはまるで操り人形のようにぎこちなく、硬い動きをします。

しかし、ロミオと恋をし、人を愛することを知ったジュリエットが「自分の意志で動く」場面=バルコニーや結婚の場面、ローレンスに助けを求める場面などでは、両手両足が空間いっぱいに伸びやかに動き回るのです。

印象的だったのは、やはりロミオと出逢う舞踏会の場面。ジュリエットはロザリンデら従姉妹たちと、聖ゼーノに捧げる踊りを披露します。優雅に舞うロザリンデ―彼女は、この舞台では「完璧で気品ある、理想的な娘」として描かれています―とは対照的には、戸惑いを隠せぬまま、ぎこちなく、おぼつかないステップしか踏めず、途方にくれるジュリエット。

その彼女が、ふとした拍子にロミオと見つめ合った瞬間。彼女は一瞬、棒立ちになりますが、やがて一歩ずつ、ステップを踏み始めます。ロミオの視線を感じるたびに、彼女の心のときめきは大きくなっていき、やがてその心の高揚は縮んでいた指先を滑らかに伸び始め、委縮していた足はたおやかに、軽やかにステップを踏み始めるのです。「恋」にめぐり逢った本能の喜びが、そのまま身体表現に繋がっていく。

しかし、ジュリエットはやがてキャピュレット夫妻に両手を取られ、パリス伯爵のもとへと連れて行かれます。この瞬間、ジュリエットの足は再び息吹を失ったかのようにぎくしゃくとした動きになります。ノイマイヤーの振付は、ジュリエットの心の動きを繊細に、丁寧に表現しています。

ジュリエットを踊った沖香菜子。素晴らしかったです!素髪に裸足で、バスタオル1枚を身にまとって登場した時は、文字通り無垢で世間知らずであどけない「少女」。それが、ロミオと出逢い恋に落ち、愛を知ることによって「女」となり、自分の意志を貫いていく・・・。そのひとりの女性の「一生」を、瑞々しさを失わずに踊りきりました。

沖はまさしく、舞台上でジュリエットを「生きて」いました。ヒロインにこんなに感情移入して観劇したのは、久しぶりかも。

ジュリエットが自分の意志を無意識に封じられる場面(舞踏会やパリスとの結婚を強いられる場面など)では、あるひとつの重々しい、そしてどこか抑圧的なフレーズが必ず演奏されます。

ジュリエットにあまりにも感情移入しすぎたからでしょう、観劇から数日を経た今でも、そのフレーズをふと思い出したり聞いたりするたびに、自動的に感情がブルーになってしまう自分がいます(笑)。


「恋をしなければ、愛を知ることは出来ない」。


そんなことを思ったのは、奈良春夏のキャピュレット夫人を観て。

本作のキャピュレット夫人は、ジュリエットのいとこにあたるティボルトと普通の親戚を超えた関係にあることを示唆する場面が幾度も、しかも思ったよりも露骨に描かれています。(←その関係を、どうやら夫であるキャピュレット公も知っているようです)

花組公演『ロミジュリ'99』でも、キャピュレット夫人とティボルトはそういう関係として描かれていました(←貴柳みどりさんのキャピュレット夫人、ビデオでもにじみ出る色香が凄かった・・・)。まだまだ未熟な私は、年頃の娘もいてご主人もきちんといるのに、親戚の男となんて・・・と、嫌悪感が抑えられませんでした。(←若かったなぁ・・・)

けれど今回、キャピュレット夫人を見て、考えを改めました。

第1幕、舞踏会に登場するキャピュレット夫人は、美しく化粧をして、妖艶とも思える色香を放っています。

ところが、ティボルトが殺された直後、正気とは思えぬ沙汰で変わり果てた姿の彼にすがりつき、気も狂わんばかりに嘆き悲しむキャピュレット夫人は、まるで色をつける前のお面のように、口紅もシャドウもチークもない、眉毛すらない真っ白なメーク。まるで、あらゆる感情が死んでしまったかのようです。

真っ白な顔=無表情のキャピュレット夫人は、感情を失くしたまま、ジュリエットにパリス伯爵との結婚を強行します。

その時、ふと思ったのです。「キャピュレット夫人は、パリス伯爵と結婚したジュリエットの、未来の姿を示唆しているのだ」と。

舞台では、パリス伯爵は理想的な結婚相手として登場します。地位も名誉も経済力も申し分なく、おまけに容姿端麗。その当時としては最高の縁談。

それは、キャピュレット夫人にとってのキャピュレット公も同じだったのです。

今のジュリエットのように、夫人もわずか13~14歳の時に、「最高の結婚相手だから」と親に説得され、キャピュレット家に嫁いだのでしょう。そしてジュリエットを生み、ヴェローナで双璧をなす名家のファーストレディーとして君臨している。

けれども、ひとつだけ、キャピュレット夫人とジュリエットには決定的な違いがあります。そう、「恋」をしたか。しなかったか。

キャピュレット夫人は、恋をする経験がないまま、キャピュレット公に嫁いだのではないか・・・と思ったのです。あるいは当時の良家の娘なら、それが当たり前だったのかもしれません。

きっと、キャピュレット夫人は「恋」をすることなく、「愛」を知ることなく、キャピュレット公に嫁ぎ、子をなしたのでしょう。だからこそ、夫人にとって、ティボルトとの「恋」は、初めて知った「愛」の喜びだったのかも知れません。それを感じていたからこそ、夫であるキャピュレット公も、全てを察しながらも、何も言わなかったのではないか・・・。

そんな風に考えると、婚姻によって家を強化する当時の風潮や、その中で自らの意志を持つことすら許されなかった女性の哀しさが、キャピュレット夫人を通じてぐわーっと迫ってきて、胸が苦しくなりました。

でも、その制度に封じ込まれる前に恋をして、愛を知ったジュリエットは、自らの意志で「生きる」ことを選択し、その意志を貫きます。彼女にとっての「生きる」ことは、結果的に「死」だったわけですが・・・。

全てを察していながら、それでも妻を受け止め、包容するキャピュレット公の大きさにも感動しました。ある意味、舞台上でいちばん大変な立場にあったのが彼ではないかと思います。モンタギュー家との対立に神経をとがらせ、ジュリエットの縁談に頭を悩ませ、妻とティボルトの関係を知りながら胸の奥に閉じ込め・・・。お、お父さん、辛い立場・・・。高岸さん、巧かった・・・!


* * *


うわあー!ジュリエット母娘について、語り過ぎてしまった!(-_-;)

ここから駆け足ですが、男性ダンサーについても感想を。

ロミオを演じた柄本弾。東京バレエ団の若きプリンシパル。あの躍動感、力強さ、流石です!

第1幕のロミオは若さを持て余すかのように、力強い跳躍力を生かした弾けるような、かつ若干ひとりよがりな踊りですが、ジュリエットと出逢い、恋に落ち、愛し合う過程の中で、彼女とまるで同化するかのように寄り添い、受け止め、支えていくような踊りになっていきます。その強さから優しさ、柔らかさの変化がとても素晴らしかったです。

個人的には、パリス伯爵を演じた梅澤紘貴がちょっと気になりました。踊る場面はそれほどないのですが、えーと、容姿が個人的に「理想的」でした(笑)。上述した通り、本作では非常に紳士的な人間として描かれていたのが新鮮でした。


* * * * *


よく知っている物語でも、表現や解釈が違うだけでこんなにもたくさんの発見があるのですね。視覚と聴覚をフル稼働したからでしょうか、自分の中にある感情をいっぱいいっぱい動かしたような、心地よい疲れとともに、豊かな気持ちになって会館を後にすることが出来ました。

またいつか機会があれば、バレエの公演を観に行きたいと思います。


★おまけ★

9年前のバレエ記事の前後をブラブラしていたら、バレエ関連の記事で面白いのを見つけました。

2006年1~3月にかけて、新国立劇場で開催された「バレエ入門講座」に参加した時の記事です。「舞踊」や「舞台構図」について興味深いお話を聞くことができました。特に最終回、講師の先生のお言葉には、いま読み返してもハッとさせられます。

リンクを貼っておきますので、興味のある方はご覧ください。今とは記事の書き方も全然違っていて、なんだか気恥ずかしいです(笑)。


新国立劇場 バレエ入門講座第1回 (バレエの歴史と構造)

入門講座第2回 (構図)

入門講座最終回 (身体と技法)

番外編 (定冠詞で解釈が変わる)


「蘭寿とむ さよならスクラップブック」 3月14日発売決定 [宝塚歌劇]


蘭寿とむさよならスクラップブック (宝塚ムック)

蘭寿とむさよならスクラップブック (宝塚ムック)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
  • 発売日: 2014/03/14


     
【送料無料】蘭寿とむ さよならスクラップブック

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阪急ブックスのページは、コチラから☆


5月11日に惜しまれつつ退団する花組トップスター・蘭寿とむのさよならスクラップブックが発売されます。

「歌劇」「宝塚GRAPH」などに掲載されたポートレート、インタビュー記事などを抜粋し、1996年の初舞台からこれまでの歴史をギュッと凝縮。蘭寿とむの華麗な足跡を辿る一冊です。


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待望のスクラップブックの発売情報も出ましたねー!1月終わりに既に情報が出ていたようだったのですが、いかんせんインフルエンザに倒れていた頃なので出遅れました(^_^;)。

1996年4月の「初舞台特集」から退団発表記事まで、18年にわたる蘭寿とむの足跡を辿れる1冊。

DVDと合わせて購入すると、特典があるそうですよ~(詳細は後日発表)。ど、どうしよう・・・!(←まんまと乗せられている)

バレンタインには写真集、ホワイトデーにはスクラップブック。蘭寿さん、イベントや記念日を大切にするタイプなんですね・・・[黒ハート] (*´艸`*)


食べるだけでドキドキしちゃうバレンタインピザと、抱きしめたいエスカレーター♪ [KANJANI∞]


映画「抱きしめたい」を見ました。

え~・・・映画の感想は・・・そうですね、「亮ちゃんを抱きしめたい!」と思える作品でした(笑)。回転木馬の亮ちゃん、頭にボールをぶつけられて本気で犯人探しをする亮ちゃん、雪の中で泣き崩れる亮ちゃん・・・。うおお、今思い出しても抱きしめたいぞ、亮ちゃん!(←間違った見方)

映画鑑賞後、表参道へ。

訪れたのは、「サルヴァトーレ・クオモ表参道ヒルズ」

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先日の「ヒルナンデス」(2月6日放映分)「よこバスミステリーツアー」にて横山くんが紹介していたバレンタインピザを食べてきました~!

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宝塚歌劇団、表参道駅をジャック!! [宝塚歌劇]


用事があって表参道駅に降り立ちました。

ホームから改札へ続く階段を何気なく降りて行ったら・・・


表参道駅が、夢と幸福のフェアリーあふれる空間になっていましたーーーーー!!!!!

 

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花組宝塚大劇場公演 初日関連記事 [宝塚歌劇]


蘭寿とむ、宝塚さよなら公演「永遠の愛を」開幕-(スポーツ報知)

※見出しが公演タイトルだと誤解されそう・・・(^_^;)。踊る蘭寿さんの写真あり。前髪がちょっとウェーブかかっていて素敵♪

宝塚歌劇の花組トップスター・蘭寿とむのさよなら公演が7日、兵庫・宝塚市の宝塚大劇場で開幕した。

正統派スターとして20年間にわたりファンに愛されてきた蘭寿のラストステージは、人気作家F・スコット・フィッツジェラルドの遺作をミュージカル化した「ラスト・タイクーン―ハリウッドの帝王、不滅の愛―」(演出・生田大和)と、躍動感あふれるショー「TAKARAZUKA∞夢眩」(演出・齋藤吉正)の2作品。「ここまで応援していただいた人たちに永遠の愛を届けたい」と意気込んだ。公演は3月17日まで。


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花組・蘭寿さん、ラスト公演開幕 -(読売新聞)-

※パレードの写真、色彩が綺麗!蘭寿さん、シルクハット素敵ー!!ヾ(≧▽≦)ノシ


宝塚歌劇団100周年の記念イヤーを迎えた宝塚大劇場で7日、花組トップスター・蘭寿とむさんのサヨナラ公演となる「ラスト・タイクーン―ハリウッドの帝王、不滅の愛―」が開幕した。3月17日まで。

米国の作家・フイッツジェラルド未完の長編小説「ラスト・タイクーン」を題材にしたミュージカル作品。1930年代のハリウッド映画界を代表する映画プロデューサーのモンロー・スターを蘭寿さん、亡き妻とうり二つの女性を蘭乃はなさんが演じる。次期トップスターの明日海りおさんは、モンローに対抗する映画プロデューサー役で脇を固める。

2本立てのショー「TAKARAZUKA∞夢眩」には、マイケル・ジャクソンさんらのダンサーを務めたKENTO MORIさんも振り付けに参加。優美なタカラヅカの伝統に新しい風を吹き込んでいる。


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【花組】 蘭寿とむ"サヨナラ公演"、宝塚大劇場で開幕 -(サンスポ)

※銀橋に座りこんで熱唱する蘭寿さん。その背中を抱きしめてあげたいっ!(T_T)

宝塚歌劇創立100周年イヤー公演の第2弾は、花組トップスター、蘭寿とむの"サヨナラ公演"となる「ラスト・タイクーン-ハリウッドの帝王、不滅の愛-」と「TAKARAZUKA∞夢眩」の2本立てで、7日に宝塚大劇場で開幕した(3月17日まで)。東京宝塚劇場公演は4月10日~5月11日で、その千秋楽が蘭寿の退団の日となる。

ミュージカル「ラスト・タイクーン」は、20世紀のアメリカを代表する作家、F・スコット・フィッツジェラルドの未完の長編小説が原作で、脚本・演出の生田大和の大劇場デビュー作でもある。

1930年代のトーキーへと移行していくハリウッド映画界が舞台。"帝王"と呼ばれる映画プロデューサーのモンロー・スター(蘭寿)は、大作映画「千夜一夜物語」のヒロインに、スタッフとして雇われていたジェシカ・ハウエル(蘭乃はな)を抜擢。"ミナ・デービス"と名付けて女優として育て上げ、華々しいデビューを飾ったミナと結婚する。だが、幸せの絶頂に、ミナが車に轢かれたとの叫び声が。

それから3年。亡き妻を忘れられないモンローだったが、芸術至上主義の厳しい姿勢にスタッフらは不満をつのらせ、ブロンソン・スミス(望海風斗)を中心にユニオン(労働組合)結成に向けて動き出す。一方、若きモンローの才能を見抜き、映画作りを教えたプロデューサーのパット・ブレーディ(明日海りお)は「映画はビジネス」という対照的な考え。次第にモンローへの嫉妬心もつのり、彼を映画界から追放しようと画策する。

そんなときに撮影所で火事が発生し、現場へ駆けつけたモンローは、亡きミナとうり二つの女性、キャサリン・ムーア(蘭乃)と出会う。互いに身の上話を打ち明けるようになった2人。モンローはミナの身代わりではなく彼女自身を愛するようになるが、キャサリンには同棲している恋人がいて、別れの手紙を置いて去る。スタッフのストライキも始まり、何よりも愛する映画作りが危ぶまれる状態。仕事も恋も失なったモンローは、「人生を賭けた夢 叶う日を信じていた」と歌い、再起を誓うが…。

メガステージ「TAKARAZUKA∞夢眩」(齋藤吉正作・演出)は、これまでの100周年に培われてきた宝塚独自のレビューやショーに加えて、100周年以降の新たな形式を提示する意欲的な作品。

なかでも注目は世界的なダンサー、KENTO MORIを招いての振付場面。歓楽街に現れた狼の血を引く銀狼(蘭寿)に、盲目の花売り娘(朝月希和)が一輪の花を差し出すが、街を牛耳る顔役に雇われた男たちが取り囲んで…。ワイルドでユニークなダンスが目新しい。

白いドレスの娘役たちの優雅なダンス、大階段に黒エンビの男役たちが「V字」に並んで踊る群舞、蘭寿&蘭乃のデュエットダンスと続き、パレードの最後は、大きな羽根を背負った蘭寿が大階段を降りて締めくくる。


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写真集も発売間近!今日も画像を載せちゃいます!(笑)

蘭寿とむ写真集「FANTASY」 (宝塚ムック)

蘭寿とむ写真集「FANTASY」 (宝塚ムック)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
  • 発売日: 2014/02/14
  • メディア: ムック


見れば見るほどカッコイイ・・・蘭寿さんーん!!ヾ(≧▽≦)ノシ ←もはや叫びたいだけ


迷わず歩んだ ただひとつの道 [宝塚歌劇]

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蘭寿とむ 本拠地でサヨナラ公演開幕 -(デイリースポーツ)-

※写真あり。ダブルスーツのらんとむがー!王子様スタイルのらんとむがー!!ヾ(≧▽≦)ノシ

5月11日に退団する、宝塚歌劇団花組トップスター・蘭寿とむのサヨナラ公演「ラスト・タイクーン-ハリウッドの帝王、不滅の愛-」(3月17日まで)が7日、兵庫県宝塚市の宝塚大劇場で開幕した。劇団創立100周年イヤー初のトップ退団となる蘭寿は「集大成というより、これまで歩んできた道を見ていただきたい」と意気込んだ。

原作は、20世紀のアメリカ文学を代表する作家、F・スコット・フィッツジェラルドの未完の長編小説。1930年代のハリウッド映画界を描き、蘭寿は“帝王”と呼ばれた敏腕プロデューサー、モンロー・スターを大人の男の魅力たっぷりに熱演し、観客を魅了した。劇中、次期トップスターの明日海りおが「次の時代は自分が作る」というセリフを言うなど、蘭寿の“卒業”を感じさせる作品となっている。

併演はメガステージ「TAKARAZUKA夢∞眩(むげん)」。東京公演は、東京宝塚劇場で44月10日~5月11日まで。


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花組大劇場公演初日、おめでとうございます。

第26代花組トップスター・蘭寿とむの、サヨナラ公演の幕が上がりました。

4年の一度のスポーツの祭典、ソチ五輪の開幕日と同じ日に初日を迎えるなんて、明るく爽やかで真っ直ぐならんとむらしいな~と思っています。

蘭寿はじめ退団者の皆さん、花組生の皆さん、スタッフや観劇を予定されているファンの皆さんが、怪我をされることなく、病気にかかることなく、大切な、大切な光輝く時間を過ごすことが出来ますように。

蘭寿とむが迷わず歩んできた、ただひとつの道。その道が、無垢でまっさらな朝の光のように、美しく輝きますように。

私は3月半ばに大劇場観劇を予定しています。千秋楽のチケットは取れませんでしたが(T_T)、大劇場付近に馳せ参じる予定です。それまでに、体調を万全の状態にしておかないと!


男役集大成/蘭寿とむ-プレシャス!宝塚 -(日刊スポーツ)-

迷わず歩んだ道、最後まで 5月退団の花組トップ・蘭寿とむ、サヨナラ公演を語る -(MSN産経west)-

宝塚花組トップ蘭寿とむ、ラストステージへの想い -(朝日新聞デジタル)-


写真集も、いよいよ来週発売!!素敵だー!!素敵すぎるー!!蘭寿さーん!!ヾ(≧▽≦)ノシ

蘭寿とむ写真集「FANTASY」 (宝塚ムック)

蘭寿とむ写真集「FANTASY」 (宝塚ムック)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
  • 発売日: 2014/02/14
  • メディア: ムック

 

 

 


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