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パート2、始まっています。 [ワタクシゴト]


カンゲキ通信パート2
http://kangeki2.blog.so-net.ne.jp/


よろしければ、またブックマークしてくださると嬉しいです。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします!

Thank You [ワタクシゴト]

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東京宝塚劇場前で、蘭寿とむを見送りました。

この眩しい光の中に、らんとむがいます。

無数のフラッシュと歓声など、その空気に触れるだけでも…くらいに思っていたら、袴姿をこの目で見ることができ、しかも最後の最後に、(私にとっては)奇跡のような瞬間が待っていました。

ほんの一瞬の出来事でしたけれど、12年間応援し続けたご褒美だと、勝手に思っています…。


その時、私の口から咄嗟にでた言葉は、やっぱりこの一言でした。


「ありがとう」。


らんとむ、ありがとう…。心から、ありがとう…。


もう、悔いはありません。

これから先、喪失感や寂しさを感じることもあるでしょうが…今は幸せな気持ちでいっぱいです。蘭寿とむを全力で愛することができて、本当に幸せでした。


どうか、蘭寿とむが幸せであってほしい。ずっとずっと、幸せでいてほしい。

今はただひたすら、それだけを祈っています。


* * * * *


皆様にご報告です。


本日、この記事をもちまして、「カンゲキ通信」を卒業させていただきます。


とは申しましても、少し休止期間をいただいて、またブログ活動は再開しようと思っています。ただし、「カンゲキ通信」としては、この記事でいったん区切りをつけたいと思います。

皆様には突然のご報告となりましたこと、お許しください。実は、1年以上前から自分の中で決めていたことでした。

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忘れな君 我らの恋 すみれの花咲く頃 [宝塚歌劇]

花組東京公演千秋楽、無事に終わりました。

蘭寿とむ、最後の大階段は、宝塚歌劇団の正装、緑の袴でした。同期からのお花は紺野まひる、最後の曲は、「すみれの花咲く頃」。

「男役 蘭寿とむ、本日をもちまして、宝塚歌劇団を卒業いたします」。

凛とした、揺るぎない声。大好きならんとむの声。

万雷の拍手を浴びながら客席を見渡して、「ハァ…幸せ」と呟いた蘭寿の、満ち足りた、晴れやかな笑顔が忘れられません。

蘭寿とむさん、ご卒業、おめでとうございます。

そして、温かい愛を、ありがとう…

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涙は見せずに この愛だけを伝える [宝塚歌劇]

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花組東京公演千秋楽、おめでとうございます。

蘭寿とむの楽屋入りを見届けました。

私のいた場所からは蘭寿の背中がチラリと見えただけですが、それで満足です。黄金の翼を持つ蘭寿の背中…今日も凛として美しくて、一瞬で幸せになりました。

では、これからライブ中継会場へ向かいます。

どうか、誰にとっても最高に幸せな1日となりますように。

蘭寿とむサヨナラショー(東京公演前楽) [宝塚歌劇]

2014年5月10日(土) 東京宝塚劇場 15:30開演の部終了後


宝塚歌劇団のトップスターのサヨナラ公演では、前楽と千秋楽公演終了後にサヨナラショーが開催されます。

幸運なことに、東京公演も前楽を観劇することが出来ました。宝塚友の会にもファンクラブにも入っていない一般ファンにしては、よくここまでたどり着けたと思います…。

ショー終了後、いったん緞帳が下がり、高翔みず希組長から蘭寿とむについての紹介。過去の映像、蘭寿とむからのメッセージ、おにぎりの思い出(笑)など、基本的に大劇場公演とほぼ同じ内容でした。

さお太(高翔)組長による、「まゆたんのおにぎりの思い出」については、コチラをご覧ください。


【過去の公演映像】

★レスコー (『マノン』 2001年)
※「死にざまマイスター」の道を極めるきっかけとなった銃殺シーン

★八五郎 (『くらわんか』 2005年)

★ラモン (『バレンシアの熱い花』 2007年)

★アンソニー・ブラック(『Paradise Prince』 2008年)

★フェニックス・ライト (『逆転裁判』 2009年)

★嵐(ラン) (『シャングリラ―水之城―』 2010年)

★プラズマダンサー (『ファンキー・サンシャイン』 2010年)

★エリック (『ファントム』 2011年)

※キャリエール(壮一帆)との銀橋での抱擁シーン。ぎゅうっと熱くエリック(蘭寿)を抱きしめた後、その背中をポンポンと軽くたたいてあげる手の優しさに、壮くんの包容力ととむえりの絆を感じて激しく萌えました(笑)。フィナーレの白い衣裳でのデュエットダンスも流れました。

★茂次 (『小さな花がひらいた』 2011年)

★『ル・ポァゾン 愛の媚薬』より (2011年)
※全とろりんが悶絶した「愛の誘惑」

★『カノン』より (2012年)
※パシオンネグロ、大階段のスペシャルえび反り

★アンドレ (『ベルサイユのばら―オスカルとアンドレ編―』 2013年)
※橋の上で死んでいくアンドレ・・・かっちょいい・・・。そしてやっぱり、どこを撃たれたのかはっきり判る身体のさばき方・・・さすが宝塚歌劇団屈指の死にざまマイスター。

★マチョ・ロマンティスモ (『CONGA!!』 2012年)

★ダニー・オーシャン (『オーシャンズ11』 2013年)

★『Mr.Swing!』より (2013年)
※「In Full Swing(絶好調!?)」、リズム、デュエットダンス

★「宝塚おとめ」より


おとめの写真は、2014年度のものになっていました。このおとめ写真、穏やかで優しい、本当に良い顔をしています…。

ここで、メッセージ朗読が映像よりも早く終わってしまい、「あれ?」となるさお太組長。最後の写真(おとめ)が出て「あ、あ、まゆちゃんです」と焦って紹介するさお太組長が可愛かったです(笑)。

そこで、大劇場前楽でもお話され、「グラフ」でも紹介された「おにぎり」の思い出を。前回よりも丁寧にお話してくださったおかげで、今度は時間が押してしまうさお太組長(笑)。

最後の、さお太さんの言葉が忘れられません。

「(トップスターとして)花組に戻ってきて、まゆは、みんなの太陽になりました。熱く、時に温かく、時に陽だまりのような優しさで、組のみんなを包んでくれました」。

さお太組長…最初から泣かせないでください…(涙)。


いよいよ、サヨナラショーの始まりです。


【曲目】

01.Where In The World (『ファントム』 2011年)
02.永遠の詩 (『愛と革命の詩―アンドレア・シェニエ―』 2013年)
03.愛した日々に偽りはない (『オーシャンズ11』 2013年)

ショーでボロ泣きしたので、さすがにサヨナラショーはもう少し落ち着いて観られるかと思ったのですが…。

緞帳が上がり、影コーラスが聞こえてくる中、蘭寿の背中が見えただけで…もう涙腺が決壊しました…。

花組トップとしての最初の公演の主題歌を、サヨナラショー最初の歌にするなんて…。泣ける…。まだ3年前の事なんだ…本当に濃くて幸せな3年間だったなぁ…。

続く「永遠の詩」も、「愛した日々に偽りはない」も、本当に深くて、温かくて…何て表現したら良いのかわかりませんが、公演当時とは全然空気感が違っていて、新たな感動がありました。


04.リベルタンゴ (『Streak of Light―一筋の光・・・―』 2012年)
05.イントロダクション(摩天楼) (『Mr.Swing!』 2013年)
06.FATE CITY (『オーシャンズ11』 2012年)

ここは、文句なしにテンションが上がるラインナップ!!ANJU先生振付の場面は、シャープな動きの中に身体中の血液が逆流するような激しさと熱さがあって、否が応でもテンションが上がります!!

蘭乃はなの身体を足でホールドして、ソフト帽子をキュキュッと直す振り、何度見ても失神するくらいにカッコイイ!!

そしてイントロダクション!これも本当に好きなダンスです。何というかもう…蘭寿も、明日海も、他の男役さんたちも、神がかっているとしか言いようのないダンスでした。

華形ひかるとの「FATE CITY」。この場面の前に、被っていたソフト帽を袖に投げ入れるのですが、それが手裏剣ばりに鋭い軌道と光の速さで、一瞬呆気にとられました(笑)。

大劇場の時は、専科への移籍が公表されていなかった華形。蘭寿と下級生時代を過ごし、トップスターとして戻ってきた蘭寿を迎え入れてくれ、いつも全力で蘭寿を支え、盛りたててくれたみつるくん…。もう本当に、感謝の気持ちしかなくて、ここでも涙がぽろぽろと零れました。


07.くらわんか (『くらわんか』 2005年)

八五郎は~ん!!大好きー!!

「くらわんか」の法被を着て、当時の出演者たちと楽しいおしゃべりを繰り広げるハっつぁん。銀橋下手へ出て、有名な「犬への説教」を始めます。ふとオペラをのぞいてみて、驚愕…!

ららら、蘭寿さん、ほんまに目が座ってる…!!Σ(゜∇゜ ;)

さっきまでキレッキレでめっちゃくちゃカッコイイダンスを踊っていたのに、今そこにいるのは、酔っ払って良い気持ちになっているあんちゃん!(笑)。何なのこの変わり身の早さ!そうやって我々ファンを翻弄してきたのね!(←言いがかり)

「ほなまた」の笑顔が底抜けに明るくて爽やかで、ようやく落ち着いた涙腺が再び刺激されてしまいました…。


08.夢のカノン (『カノン』 2012年)

蘭寿と同時退団者、月央和沙・彩城レア・遼かぐら・花蝶しほ・凪咲星南の5名が歌います。この黒燕尾にピンクのベストという衣装、そして上品なピンクのタコ足ドレス、すごい好きだったなぁ~。

ここでも、やっぱり涙は止まらなくて…。心の中で、ずーっと感謝していました。


09.エシタルセ・ノチェ (『CONGA!!』 2012年)

ぐええ…!!(←泣きながらえずく人)

やはりこの場面は凄い!!どんなに泣いていても、どんなに寂しくても、この曲とこの場面を見たら心とは裏腹に身体中の血が激しく流れだしますもの!

そしてらんとむが、いつも以上に全身全霊でらんとむ全開!!背中の反らしっぷりとか、「あは~~~ん♪」の歌い方とか、もう、本当に、私が大好きならんとむ!!

らんとむが袖にはけて、明日海と華形が中心となり、引き続き花組生が銀橋で「エシタルセ・ノチェ」を歌い踊るのですが…もうここは、涙が止まらなくて、止まらなくて…。「ありがとう」「ありがとう」と、心の中で何度も何度も繰り返していました。


10.ベルタデロ・アモルー真実の愛― (『CONGA!!』 2012年)

言葉はいりません。私にとって、これから「カッチーニのアヴェ・マリア」と「G線上のアリア」、「英雄ポロネーズ」は、人生で大切な曲になるんだろうな…(「SYMBOL」と「EXTRA STATUS」は…ちょっと考えようかなw)と思いながら、ひたすら蘭寿とむの姿を追い続けました。

セリ下がる瞬間の指先も、完璧に再現してくれて…。ため息しかありません。

最後に退場する時の、月央の跳躍があまりにも美しくて心を奪われました。


11.戦国BASARA (『戦国BASARA―真田幸村編―』 2013年)

明日海りおによるソロ。ここでも、明日海にスポットが当った瞬間、涙がドバーッと溢れて自分でも戸惑いました。

「まゆさんが大切に築き上げられたものを、全身で受け止め、全霊を懸けて守り継いでゆくことを、ここに誓います」。

「歌劇」で、蘭寿とむにそのような言葉を贈ってくれた、明日海りお。彼女が蘭寿の後継者で良かったと、心の底から思っています。

ありがとう、みりお君。そして、頼んだよ…!!


12.アシナヨ (『ル・ポァゾン 愛の媚薬』 2011年)
13.今、光に向かって (『Streak of Light』 2012年)
14.エル・クンバンチェロ (『CONGA!!』 2012年)

緞帳が開くと、スモークの中にたたずむ、蘭寿とむの姿。

純白の衣装に身を包んだ蘭寿は、それはそれは、透明なオーラに包まれていました。


アシナヨ
君に出会って 
僕の世界が目覚めた…♪



その歌詞を聞いたら、もう涙がとめどもなくあふれてしまって…。

我ながら、よくもこんなにひとりの男役に惚れ込んだものだと呆れます。けれど、人にはそれぞれ、その心を照らしてくれるよりどころ―「光」―があるはずですよね。私にとっての「光」は蘭寿とむだったのだと、ただそれだけだったと、けれどそのことが、どれだけ私に勇気と励ましを与えてくれたのか…そんな事がぐるぐると頭の中を回っていました。

蘭乃とのデュエットダンスは、それは夢のように美しくて、眩しくて…。娘役と組む蘭寿は、本当に誰よりも男前だと思います。

そして、「今、光に向かって」。明日海から薔薇の花束を受け取って、強く抱きしめる蘭寿。きゅっと蘭寿の腕におさまる明日海の背中がまた、いじらしくて…大丈夫、みりお君なら絶対大丈夫だよ!

そして銀橋を渡りながら、客席に薔薇を投げ入れていく蘭寿。笑顔が本当に、神々しい、という言葉しか見つからない…。

そして銀橋下手でクライマックスを迎えた次の瞬間、手元に残っていた数本の薔薇を、ものっすごい勢いで下手客席に投げ込む蘭寿さん。

ららら、蘭寿さん!!ご自身が思っている以上に剛速球ですよ!!Σ(゜∇゜ ;)

たぶん、15~16列目くらいまで到達したんじゃなかろうか…。蘭寿さん、球技も絶対いけるクチだと思う…。

そして、待ちに待った「クンバンチェロ」!!

ここはもう泣いている場合じゃない!!蘭寿とむ最後のパフォーマンスを心から楽しまなくちゃ!と涙をぬぐって手拍子、手拍子!

そしてやっぱり、踊り狂いながら緞帳が下がって行きました…。

ここまで、ひたすら泣きっぱなし、嗚咽をかみ殺しっぱなしだったはずの私が観た蘭寿とむ宝塚最後の姿は、


限界まで背中をのけぞらせ、ぐいんぐいん激しく腰を振りまくるらんとむ


でした…。


ゆ、揺るぎないにも程があるぞ、らんとむ…!!(放心状態)


今回は、カーテンコールが3回ありました。

客席から「王様!」と掛け声をかけられたのを引用して、


「どうも、クンバンチェロの王様です☆」


と男前に挨拶する蘭寿さんが、また本当に男前で赤面。

アンコールを求める客席に向かって、「…まだ見たい?」と問いかける声がまたセクシーで!!最後もやっぱり赤面…。

これが最後!という3回目のカーテンコールでは、センターから思いっきり離れて、色々なところで踊りまくる蘭寿さん。

まずは、らんちゃんにジャンピングタッチ(←何て言ったら良いんだw)。その後みりお君に、そして瀬戸かずや君にも飛びついていってました(笑)。戸惑いながらも蘭寿さんにタッチする下級生たちのカワイイこと。

そして、はしゃぎすぎて、センターから盛大に外れ過ぎるらんとむ。緞帳が下がる直前に、すんでのところでセンターに戻るらんとむ。誰よりもスターなはずなのに、誰よりもやんちゃならんとむ。センターに戻るのも結構ギリギリで危なかったのに、めいっぱい背中をのけぞらして、掛け声かけて、何事もなかったかのように踊り狂うらんとむ。

らんとむは、最後の最後までらんとむ全開でした…(笑)。


人間、こんなに泣けるんだ…と驚くぐらいにいっぱい泣いてしまったけれど、終演後も涙は止まらなかったけれど、帰りの電車でもぐすんぐすん言っていたけれど(←注目の的)、泣きすぎて今でも頭がボーッ…っとしているけれど、やっぱり、心の底から思う言葉はたったひとつ。


「楽しかった!」


宝塚歌劇団の男役・蘭寿とむのファンでいられた事に、今、何の悔いもありません。

あるのは、蘭寿から分けて与えてもらった、数えきれないほどの愛と、幸せと、笑顔。それは私にとって、永遠の宝物です。

本当に、楽しくて幸せな12年間でした。


ありがとう、らんとむ。


明日は、ライブ中継でお見送りします。


黄金の翼 [宝塚歌劇]

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花組東京公演前楽、無事に終わりました。

トップスター蘭寿とむの退団挨拶とサヨナラショー、構成と内容は基本的に変更なし。トリプルアンコールでした!!

公演は、全ての場面が幸せで、でも寂しくて、いとおしくて…。

特にショーは、どの場面を見ても涙が零れて…「今日だけは泣かせてください」と、涙を拭うこともせず、ひたすら泣きながら、蘭寿とむを見つめ続けました。

自分でも、びっくりするくらいに泣いてしまいました…。泣きながら、「人間、こんなに泣けるんだぁ」と感心してしまうくらい。

フィナーレ。蘭乃はなとのデュエットダンスが終わり、銀橋に1人残って挨拶した後、軽やかに袖へ走っていく蘭寿とむ。

スポットが消え、袖に入る直前の、黒燕尾の後ろ姿。けれど、大きく腕を広げて駆け去っていくその背中は、優雅で、美しくて、雄々しくて、神々しくて…。

私には、蘭寿の背中に翼が見えました。未知の空へ、黄金の翼をもって羽ばたこうとする、蘭寿の勇気とともに。


新たな時 新たな世界 新たなる夢
黄金の翼 舞えば
奇跡は必ず起こる
今こそ羽ばたけ
限りない未知の空



あの背中を見た瞬間、蘭寿とむは、私の中で永遠となりました。


明日はきっと、奇跡のように美しい日になるはずです。どうか、らんとむにとって最高に幸せな1日になりますように…どうか、最高に光輝く1日になりますように…。

いよいよ、前楽 [宝塚歌劇]

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劇場にはいつもギリギリに到着するタイプなのに、今日は開演1時間前に到着してしまいました。

腹がへっては…という事で、4階売店で販売しているアリスガーデンのシフォンケーキでおやつタイム。

うわぁ…なんだか、凄く緊張しています。なぜ私が(笑)。

宝塚の舞台に立つらんとむを劇場の客席で観られるのは、これが最後。全身全霊で、全力で、蘭寿とむが放つ光を感じてきます。

奇跡のような 君との日々よ ~蘭寿とむとワタシの道~ [宝塚歌劇]



別れの時が、迫っております。

勝手な思い出がたりですが、蘭寿とむとの思い出を書き留めておきます。蘭寿とむが出演した舞台をざっとご紹介し、徒然にひとりごとを…。どなたか、耳を傾けてくだされば幸いです。

なんか…すごい記事タイトルをつけてしまった…[あせあせ(飛び散る汗)] 図々しくてスミマセンッ!!


DS:ディナーショー
DC:シアター・ドラマシティ
バウ:宝塚バウホール
東宝:東京宝塚劇場


★1996年★


3~5月『CAN-CAN』(初舞台)
6~8月『ハウ・トゥー・サクシード』(新人公演)タッカベリー
12~1997年1月『香港夜想曲』
(バウ)

初舞台の年ですね~。この時期はヅカファンを小休止しておりましたが、毎月本屋さんで「グラフ」と「歌劇」の立ち読みは欠かさないという、ある意味タチの悪いファンでした(笑)。

どちらの雑誌でも、春には「初舞台生特集」が組まれるのが恒例です。「歌劇」には初舞台生の芸名・顔写真・簡単なプロフィールが、「グラフ」には初々しいポートと一言メッセージなるものが掲載されます。他にも「歌劇」では、初舞台公演の主役を勤めるトップさんと入団席次1~5番までの初舞台生による対談も載ったりします。

おそらく、「グラフ」の方で初めて「蘭寿とむ」の名前を目にしたと思うのですが・・・(首席なので真っ先に目がいく)。
「ヤンさん(安寿ミラ)に憧れてるんかなぁ~」と思うと同時に、「と、とむって!! しかも平仮名でとむって!いや、カタカナにされても困るけど!(ノ∇≦*)アイヤー☆」と、本屋で突っ込みまくっていた事を思い出します。…ほんまにごめん、らんとむ…。

芸名の由来をきちんと知ったのは、これから6年後の事でした…。


★1997年★

2~3月『失われた楽園』(新人公演)マイク
4~5月『君に恋して ラビリンス!』
(バウ)
7月 第3回アキコ・カンダ レッスン発表会『DANCIN'~AKIKO~』(バウ)
8~9月 『ザッツ・レビュー』(新人公演)福岡
9月 チャリティ・スペシャル『タカラヅカ・フォーエバー』
10~11月 『白い朝』
(バウ)りゅう
12月 東京宝塚劇場サヨナライベント『アデュー・東京宝塚劇場』
(旧・東京宝塚劇場)

この年は、まったく宝塚に足を運びませんでした…。

『君に恋して ラビリンス!』で、今では振付師・ANJUとして知られている安寿ミラが振り付けした、スーツ姿でポケットに手を入れたまま踊るというダンスシーンがあったらしく、後年、「タカラヅカ・スカイ・ステージ」の番組でヤンさん(安寿)にそのシーンがいかにカッコよかったかについて熱弁をふるうらんとむは、めっちゃ可愛かったです(笑)。

歌劇の定番コーナー「楽屋日記」を初めて担当したのも、この年。スクラップブックにも掲載されていますが、実はこの時の楽屋日記のことは、すごく覚えているのです。

内容は全く覚えていないのですが(笑)、文章を書くときの基本知識がきちんとしている人だなぁと、すごく感心したんですよね。下級生だと、上級生に気を遣ってか「□□さん(←愛称)さん[○○さん(←芸名)]」とか、ハートマークや☆マークをやたら書き込んで、かえって読みにくい…ということがありがちなのですが、らんとむの楽屋日記は、文字だけで構成されていて、スッキリと読みやすい文章だったのです。「うわぁ、ちゃんとした新人さんやなぁ」と感心したのでした。


★1998年★

2月『ザッツ・レビュー』
(中日劇場)静岡
5~6月『SPEAKEASY』
(新人公演)ジャン、『スナイパー』
7月『真矢みきスーパーリサイタル MIKI in BUDOKAN』
(日本武道館)
10~11月『Endless Love』(バウ)アリフ

『SPEAKEASY』から、宝塚観劇が徐々に復活していきますが、この頃はまだ、まーったく眼中にありませんでしたね(おい)。

『Endless Love』は、ポスターをよく覚えています!映画『タイタニック』と瓜二つのポスターデザインだったのですよ。ちなみに児玉明子先生のバウデビュー作。そっかぁ…児玉先生、この頃から(以下、お察しください)。


★1999年★

1~2月『夜明けの序曲』
(新人公演)櫛引弓人
3月 愛華みれDS『LA GARE』
(ホテル阪急インターナショナル/パレスホテル/ホテルナゴヤキャッスル/呉阪急ホテル)
5月 TCAスペシャル1999『ハロー!ワンダフル・タイム』
8~9月『タンゴ・アルゼンチーノ』
(新人公演)ジャン、『ザ・レビュー'99』
10月『第三回 宝塚狂言の会』
(バウ)

この年は花組さんを全く観劇していないので、スミマセン…。

でも、グラフに掲載されたTCAレポの「『こんな豪華な光りものつけるの初めで!』浮かれるぱしり達」写真(スクラップブックにも掲載)は、すごくよく覚えています!

瀬奈じゅん(後の月組トップスター)が確か執筆担当者で、「『こんな豪華な羽根飾りつけるの初めて!』喜ぶ姐さん」という大鳥れい(当時の花組トップ娘役)の写真と対で掲載されたものだったんですよ。ぱしりまでもが豪華すぎる顔ぶれ(笑)。


★2000年★ 

2月『タンゴ・アルゼンチーノ』
(中日劇場)オットー、『ザ・レビューⅣ』
4~5月『源氏物語 あさきゆめみし』惟光/(新人公演)刻の霊、『ザ・ビューティーズ!』
6~7月『宝塚 雪・月・花』『サンライズ・タカラヅカ』
(ドイツ・ベルリン)
9月 TCAスペシャル2000『KING OF REVUE』
9月 伊織直加DS『LOVE BEAT~愛の鼓動~』
(宝塚ホテル/東京會舘)
11~12月『ルートヴィヒⅡ世』(新人公演)グッデン博士、『ASIAN SUNRISE』

グラフに掲載された『あさきゆめみし』時の刻役の写真と、ベルリン公演特集で着ている82期Tシャツ写真は、なぜかすごく印象に残っています。

『ルートヴィヒⅡ世』は、私が宝塚観劇本格復帰を果たした思い出の舞台です。懐かしいなぁ~。とは言え、この頃は春野寿美礼(後の花組主演男役)や瀬奈じゅんにばかり目が行ってしまって…(汗)。

『ルートヴィヒⅡ世』で、ワーグナー(星原美沙緒)とルートヴィヒ(愛華みれ)を糾弾するジャーナリストの役は、印象深いです。彩吹真央と上下でシンメになり、それぞれが歌で掛けあいを見せていくのですが、それによってワーグナーやルートヴィヒがどんどん追い詰められていく…という迫力のある場面となっていました。



『Asian Sunrise!』は、今でも好きなショー作品のひとつ。肩を出した衣装を着るらんとむが見られる、数少ない作品のひとつです(笑)。

バリ舞踊の場面で、メインキャストをリフトする場面があり、「立派な鎖骨をしている人がいるなぁ」と思って調べたら、らんとむでした(笑)。


★2001年★

1月 瀬奈じゅんDS『VIRTUAL GUY!』
(ホテルグランドパレス/宝塚ホテル)
4月『マノン』(バウ)レスコー
6月 TCAスペシャル2001『タカラヅカ夢世紀』
7~8月『ミケランジェロ』ニッコロ/
(新人公演)ミケランジェロ ※新人公演初主演、『VIVA!』
8、9月 愛華みれDS『Felicita Arcobaleno』
(ホテル阪急インターナショナル/パレスホテル)
12月『カナリヤ』(DC)ディジョン

蘭寿とむとワタシ、ついに邂逅の時を迎えます…!

『ルートヴィヒⅡ世』で、瀬奈さんのにわかファンになったわたくし(←アサコさん、ごめん…)。その瀬奈さんがバウホール初主演を果たした『マノン』で、2番手格として出演していた蘭寿とむ。

この時はバウホール公演が完売で、なぜか血迷って東京公演のチケットをゲットしたんですよ(笑)。2階席上手の最前列でした。思えばこれが、人生で初めてのカンゲキ遠征だったような気が…。

それで、ようやく蘭寿と邂逅したワタクシですが…。

実は、この時は撃ち抜かれなかったんですよ(汗)。

最後の「ハチの巣になって死ぬ」場面はめっちゃ覚えていて、「下級生にしては死ぬのが巧い人やなぁ」と感心した記憶はあるのですが、ここで墜ちたという感覚はありませんでした。

だって……(当時の私には)役柄が濃すぎたのと、熱苦しすぎたんだもん…(爆)。今ではすっかり「熱苦しいらんとむ、万歳!」とか言ってますけれど(笑)。

当時はいかにも正統派の男役が好きだったワタクシ、この頃から濃厚な存在感を放つ蘭寿にちょっと押されたのでしょう。とにかく、この公演では真面目で穏やかな性格の修道僧を演じていた、同期の壮一帆氏にときめいておりました(笑)。


『ミケランジェロ』では、巨大に岩の下敷きになって圧死する少年、ニッコロ役。

ミケランジェロ(愛華みれ)と会話して、明るく去って行ったと思いきや、突然衝撃音がして、次の瞬間、白い布に包まれた亡骸が担架に乗って登場したときは、少なからず衝撃を受けました(笑)。「さっき、袖に入って行ったばっかりやん!」みたいな(笑)。

その後、大劇場の本舞台でトップスター愛華さんと2人だけの場面があり、めっちゃ笑顔でくるくる踊っていた姿を思い出します。

『VIVA!!』は基本的に、「ハスラー」の場面での春野さんの鬼畜っぷりにやられていましたので…お察し下さい(笑)。


★2002年★

1月 大滝愛子バレエ・レッスン発表会
(バウ)
3~4月『琥珀色の雨にぬれて』ローラン/(新人公演)クロード、『Cocktail』
4月『風と共に去りぬ』
(日生劇場)ルネ
8月『月の燈影』
(バウ)次郎吉 ※バウホール公演初主演
10~11月『エリザベート』エルマー/
(新人公演)トート
12月 吉﨑憲治オリジナルコンサート『TAKARAZUKA FOREVER』
※2002年度 年度賞・新人賞受賞

さぁ、歴史が始まった!私は蘭寿とむに一気に惚れ込んだ年です。

『琥珀色の雨に濡れて』ではジゴロのひとり。「昨夜、ネズミに噛まれまして」という台詞を、一生懸命キザッて言っていました(笑)。

当時は、観たい公演は組と演出家の組み合わせで選んでいたのですが、別の組の観劇(忘れちゃった…)の時に偶然手に取ったチラシのデザインに心惹かれて、偶然観劇したのが…

そう、『月の燈影』です。

私にとっては、今でも心の宝石箱の、いちばん大切な場所に置いてある、いちばん大切な作品です。

この時の、蘭寿とむの芝居に釘付けになりました。

蘭寿と言えば、当時からダンサーとして知られていましたが、私はいちばん最初に惹かれた蘭寿の魅力と言うのは、芝居で見せる勘の良さと、絶妙な「間」の取り方。何よりも、彼女の芝居には、いちばん大切な「心」を痛いほど感じました。

気がついたら、『月燈』をリピート観劇をしていて…

気がついたら、『エリザベート』新人公演を観劇していました(笑)。

新人公演を観劇したのは、後にも先にもこれが最後。あの日、阪急宝塚駅から花の道、そして大劇場へ向かう道のりがまるで雲の上を歩いているような感覚だったこと、、そして大劇場の椅子に座った時、何とも言えない緊張感で身震いがしたことを、今でも昨日のことのように思い出します。

宝塚歌劇のファンになった1990年、ひとりのスターさんのファンになった直後に、その方が退団を発表されるという大事件(←私にとっては)がありました。それ以来、できるだけ一人のスターさんにはハマらないで、ちょっと距離を置いたファンになろうと決意した、うら若き乙女だった(はずの)ワタクシ。

しかし12年後、その決意を揺るがすほどに惚れ込んでしまった新人、蘭寿とむ。「ハマったら、この人が退団する時にどんなに辛い思いをするかわからない。止めとけ、止めとけ」と自分でもビックリするくらいブレーキをかけたのですが、この人の芝居が観たい!という気持ちには勝てませんでした…。


★2003年★

3月『恋天狗』
(バウ・ワークショップ)弥太
5~7月『野風の笛』不知火、『レビュー誕生』
6月 TCAスペシャル2003『ディア・グランド・シアター』
7月『宝塚巴里祭』
(ホテル阪急インターナショナル/第一ホテル東京)
10~11月『琥珀色の雨にぬれて』ルイ・バランタン、『Cocktail』(全国ツアー)

『恋天狗』はね~…まぁ作品がアレ(自粛)というのもあったのですが、まだ舞台人としての「華」が形成される前の時期だったので、地味でした…(涙)。併演された『おーい春風さん』で、子どもたちの元締めを演じていた矢吹翔さん(←現在、メイクアップアーティストとして活躍中のCHIHARUさん)のシブさと色気に、うっかり心奪われていました(笑)。

『野風の笛』は、主演の轟悠さんを慕う傀儡(くぐつ)のひとりとして、その他大勢の役ではありましたが(涙)、轟さんの腕に抱かれて死んでいくという、「轟さんの真の相手役」(←違)を演じていたので溜飲を下げておりました(←何者)。

『レビュー誕生』は、以前にも書きましたが、「白鳥の湖」を黒燕尾の男役が踊る場面が、本当に素敵でした!この時の舞台写真が、「モバイルタカラヅカ」初登場待ち受けだったんですよ!


★2004年★

1~2月『天使の季節』ジョルジュ、『アプローズ・タカラヅカ!』
5~6月『ジャワの踊り子』ハジ・タムロン
(全国ツアー)
7月 TCAスペシャル2004『タカラヅカ90―100年への道―』
8~9月『La Esperanza-いつか叶う-』トム、『TAKARAZUKA舞夢!』
10月 宝塚歌劇90周年記念大運動会
(大阪城ホール)
11月『ベルサイユのばら30』

私生活で大きな変化のあった1年で、そのために舞台観劇もままならない日が続きました。そのため、『天使の季節』は観劇できず…。数少ない女装が観られた、とてもとても貴重な公演でしたのに!

『La Esperanza』は、ストーリーには直接絡んでこないストーリーテラーっぽい役回し。『TAKARAZUKA舞夢!』は、やっぱりヘラクレス!けれど、水夏希や霧矢大夢が特別出演したので、あまり目立つ存在ではなかったですね。


★2005年★

1月『くらわんか』
(バウ)八五郎
3~5月『マラケシュ・紅の墓標』ギュンター、『エンター・ザ・レビュー』
4月 TCAスペシャル2005『Beantiful Melody Beautiful Romance』
7月『R-HUTTER』
(ゆうぽうと簡易保険ホール/シアター・ドラマシティ)※外部出演 
9月『Ernest in Love』
(日生劇場)アルジャノン・モンクリーフ
10月『第四十六回 宝塚舞踊会』
11~12月『落陽のパレルモ』ニコラ・ジロッティ、『ASIAN WINDS!』
12月 チャリティ・スペシャル『花の道 夢の道 永遠の道』
※2005年度 年度賞・努力賞受賞

『マラケシュ~』のギュンターは、とても印象的でした。…やっぱり死にましたけれども(笑)。

『エンター・ザ・レビュー』は、プロローグで遠野あすかと踊るシーンがとっても素敵でしたわ~☆

個人的な意見ですが、また新人公演卒業後にはよくあることですが、2003~2005年を「らんとむ暗黒時代」と勝手に呼んでいます(苦笑)。

公演での起用のされ方が一定ではなくて、また本人の持ち味とは違う役を当てられて…。この時代があるからこそ、今のらんとむがあるのだから、この時間は決して無駄ではなかったと今では思いますが、こ当時は「らんとむ、どうなるんやろう…」とよく考えていました。

その「暗黒時代」を打破するきっかけになった(とワタシが思っている)のが、日生劇場公演『Ernest in Love』。

本当に、久しぶりに「これ!ワタシが観たかったのは、このらんとむ!!」と思える舞台でした。軽やかで、爽やかで甘くて、そして何より笑顔がはじけていて!!

この時に、らんとむの相手役を務めたのが、桜一花ちゃん。この時以来、「とむいちか」は私にとって理想のカップルなのです。



『落陽~』は、あれですね、らんとむ(ニコラ)が誘拐した貴族令嬢(桜乃彩音)との会話が、なぜか恋の睦言のように聞こえたと伝説の舞台です。ワタシも観たとき、「あれ?この2人、恋が芽生えるの?」と思いましたもの(笑)。

『Asian Winds!』では、今となっては希少価値の高いチャイナドレス。…頑張ってました…(←遠い目)。


★2006年★

3~4月『スカウト』
(バウ)ショーン・フィンリー ※バウホール公演単独初主演
4月 蘭寿とむDS『Sensation!』(宝塚ホテル/第一ホテル東京)
4月25日 宙組に組替え
8月『コパカバーナ』
(博多座)サム・シルヴァー
9月 TCAスペシャル『ワンダフル・ドリーマーズ』
11~12月『維新回天!竜馬伝』徳川慶喜、『ザ・クラシック』
11月 植田紳爾演出家50周年記念スペシャル『夢のメモランダム』

らんとむ飛躍の年、と言っても過言ではないでしょう。

初めての単独主演『スカウト』は、バウホール公演のみの上演だったので観劇できず。今となっては、申し訳ない(←誰に謝っているのか)。

そして、宙組への組替え。個人的には、「よっしゃ!」と思いました。花組では実力派として組を支えてきたらんとむですが、ここで一気に華やかさとスター性と身につけて、本当の意味で「スター」になってほしい、当時の宙組はまさにその力を蓄えるのに最適の場所だと感じたのです。

そして、初期花組生として最後のお仕事が、自身初のディナーショー、『Sensation!』。

私は、録画を見ただけですが、最後にらんとむがDSオリジナル曲「Sensation!」を歌った時に、確信しました。

「ああ、この人は、トップスターを目指す覚悟をしたんだな」と。

グラフのラストインタビューにも掲載されていますが、蘭寿自身が「トップになりたい」という意識を持ち始めたのは、研5の時ということですが、その意志をファンに公にしたのは、この時だったと思います。

「トップスターになりたい」ではなく、「トップスターになる」と。

もちろん、そこまでの道のりは本人の実力、努力だけでは成し得ません。運やタイミングも少なからず影響します。

これから先、どんなに困難な道のりでも、トップスターを目指す。だから見ていてほしい。

そんなメッセージを感じた瞬間でした。



宙組生として初めての大劇場公演、『維新回天・竜馬伝!』の徳川慶喜。久しぶりにらんとむ入魂の演技を観ることができて、嬉しかった~。

『ザ・クラシック』では、やはり「運命」が素晴らしかった!!ピアノの中からバッと出てきて、すごく色っぽい眼差しで貴城けいを見つめるんですよ。素敵でした。メインは貴城と大和悠河でしたが、あの世界をリードし、操っていたのは間違いなくらんとむでした。


★2007年★

4月『NEVER SLEEP』
(バウ)サミュエル・ハート
6~7月『バレンシアの熱い花』ラモン・カルドス/ロドリーゴ・グラナドス ※役替わり、『宙・FANTASISTA!!』
9月『タカラヅカ・スカイ・ステージ 5th Anniversary Special』
(東宝)
10月『第四十八回 宝塚舞踊会』
10~11月『バレンシアの熱い花』ラモン、『宙・FANTASISTA!!』
(全国ツアー)

『NEVER SLEEP』フィナーレのリフトは、今でも私にとって「ベスト・オブ・らんとむリフト」のひとつ。抱きかかえてリフトするのではなく、逆手にした腕に相手役を乗せて、ひたすらターンの反動だけで支えるのです。本当に素敵なリフトでした。

この公演で相手役を勤めた美羽あさひとは、この後、『逆転裁判』や本公演でもよく組んでいました。娘役としての芸も華もあったまちゃみ(美羽)。タイミングが合わなくて2人がトップコンビになれなかったのは、今でもとても残念に思っています。

そして、言わずとしれた、『宙・FANTASISTA!!』。らんとむが内面に潜ませていたスター性が一気に噴出したステージでもありました。今でも、ちょっと落ち込んだ時に「宇宙ナンバーワンジゴロ」の映像を見ると、何でも出来そうな気になります(笑)。


★2008年★

2~3月『黎明の風』辰美英次、『Passion 愛の旅』
7月『雨に唄えば』
(梅田芸術劇場)コズモ・ブラウン
9~11月『Paradise Prince』アンソニー・ブラック、『ダンシング・フォー・ユー』
10月『第四十九回 宝塚舞踊会』
※2008年度・年度賞・努力賞受賞

『Passion 愛の旅』フィナーレの大階段センター!!シンを張るという意気込みも感じられたし、とっても濃いのに男役の品がきちんとあって…。素敵だったなぁ…。

『Paradise Prince』は、らんとむに当てられたキャラクター設定に納得いかなかったので(苦笑)、1回しか観劇していません。この時は、「植田景子先生とは相性が合わないんだろうな」とか思っていました。当時の主演のキャラクターに添うと、他の配役はああいうバランスになっちゃうよなぁ…と今なら思えますが。


★2009年★

2~3月『逆転裁判』
(バウ/日本青年館)フェニックス・ライト
4~5月『薔薇に降る雨』ヴィクトール、『Amour それは…』
8~9月『逆転裁判2』
(バウ/赤坂ACTシアター)フェニックス・ライト
11~12月『カサブランカ』ヴィクター・ラズロ
11月『第五十回記念 宝塚舞踊会』
12月 TCAスペシャル『タカラヅカスペシャル2009~WAY TO GLORY~』

DVDを購入して、観劇に行かなかった(行けなかった)ことを死ぬほど後悔した『逆転裁判』(笑)。続編は、期待しすぎて…でした(苦笑)。でも、らんとむはひたすら爽やかだったので、素敵でしたよ~。

『薔薇に降る雨』のヴィクトールは、カッコよかった!!座り方からしてカッコよかった!!正塚先生ありがとー!

『Amour それは…』は、オーソドックスなタカラヅカの王道らしいレビューで、好きでした。手話を交えて「She…」を歌う場面が、本当に良かったなぁ。

この公演でまちゃみ(美羽)が卒業したのですが、らんとむからの「送る言葉」がとても愛にあふれていて…切なくなりましたね。この2人がトップコンビとして組めなかった事だけは、心残りかもしれません。

また、この公演は当時の宙組トップスター・大和悠河のサヨナラ公演。後任には花組から大空祐飛が来ることになりました。

当事者や周辺では色々な思いがあったことでしょうが、私自身は、ここで大和の後任を引き継がなくて良かったと、今でも思っています。だって、大和のサポートに徹していた時には「2番手」としての「面白味」を十分に得られていなかったと思っていたから。トップスターを盛り立てながらも、トップスターという傘の下で「遊ばせてもらう」という経験をしなければ、良いトップスターにはなれないと思っています。

その夢がかなったのが、『カサブランカ』のヴィクター・ラズロ。これは、本当に素敵だった…。久しぶりに、蘭寿の「本気の芝居」を観た、と思いました。


★2010年★

3~4月『シャングリラ-水之城-』
(DC/日本青年館)嵐(ラン)
5~6月『トラファルガー』ナポレオン・ボナパルト、『ファンキー・サンシャイン』
9月『"R"ising!!』
(バウ/昭和女子大学人見記念講堂)
11~12月『誰がために鐘は鳴る』アグスティン
12月『タカラヅカスペシャル2010』
(梅田芸術劇場)

『シャングリラ』は、プロローグのダンスが、魂抜かれるほどにカッコよかった!!まだプロローグしか終わっていないのに、息も絶え絶えでした(笑)。

『トラファルガー』は、ナポレオン。個人的には、髪形が微妙でした(笑)。『ファンキー・サンシャイン』は、やっぱりプラズマダンサーよねー!!衣装が何とも言えなかったけど…。

そして満を持しての初コンサート、『"R"ising!!』。

もう、全てが感動で、全てが美しくて、全てが夢のようで…。本当に、頭の中が真っ白になるくらいに幸せな時間でした。「ワン・ナイト・オンリー」で踊る黒燕尾のソロは、今でも私にとって「マイ・ドリーム・オブ・らんとむ」のひとつです(←何だそりゃ)。

『誰が為~』のアグスティンは、情熱的でした!らんとむダッシュも堪能できたし(←そこ?)。この公演中に花組トップスター就任が決まったのですが、すごいオーラが出ていましたね。

トップスターになる前に蓄えるべき力と時間をきちんと与えてくださった祐飛さんには、今でも心から感謝しています。先日はお忙しい中、らんとむサヨナラ公演観劇にお越しくださってありがとうございました!(←何故かお手紙)


★2011年★

3月 蘭寿とむDS『MUGEN!』
(宝塚ホテル/ホテルグランドパレス)
4月25日 花組に組替え 花組トップスターに就任
5月 チャリティスペシャル『愛の旋律~夢の記憶』
6~7月『ファントム』ファントム ※花組トップスター大劇場公演お披露目
10~11月『小さな花がひらいた』茂次、『ル・ポァゾン 愛の媚薬』
(全国ツアー)
11月『第五十一回 宝塚舞踊会』
12月『タカラヅカスペシャル2011~明日に架ける夢~』
※2011年度・年度賞・優秀賞受賞
※2011年度・阪急すみれ会パンジー賞・男役賞受賞

東日本大震災が起こった年でした。東京もパニック状態で、平静を装ってはいても、心のどこかが常に緊張状態だったある日、私のもとに届いたひとつの小包。

前年のコンサート『"R"ising!!』のライブDVDでした。

再生して、らんとむの輝く笑顔を見たとたん、涙がぼたぼた出てきて、思わず号泣しました。強張った感情が、一気にほどけていったような…。

まさに、「君の笑顔に励まされ 君の言葉に勇気をもらった」瞬間。そして、私にとってこの人は光なのだと、改めて実感した瞬間でもありました。

そして迎えたお披露目公演『ファントム』。大劇場公演千秋楽、らんとむの誕生日とちょうど重なった東京公演初日の終演後は、感無量でした。あの時のスタンディングオベーションの拍手…今でも思い出すだけで幸せのあまり涙がにじんできます。

東北をめぐり、被災者とも交流した全国ツアー。全てがキラキラ輝く思い出です。


★2012年★

1月『復活-恋が終わり、愛が残った-』ネフリュードフ、『カノン』
4~5月『長い春の果てに』ステファン、『カノン』
(全国ツアー)
7~8月『サン=テグジュペリ』サン=テックス、『CONGA!!』
11~12月月『Stereak of Light-一筋の光…-』
(日本青年館/DC)
12月 タカラヅカスペシャル2012『ザ・スターズ』

この年は旅生活が死ぬほど忙しくて、『復活』を最後にちゃんとレポが書けなくなってしまったのですが…。『復活』は最前列で観劇できた思い出が忘れられません。らんとむの横顔の美しかったこと…。

『CONGA!!』は、らんとむが死ぬまでやっていたいと思っていたほどですから(笑)、そりゃもう素敵でしたわ~☆でも、個人的には黒燕尾の大階段が観たいぞ…と密かに思っていた頃です。

SoLの「すみれのボレロ」は素敵じゃった…。男役だけでなく娘役さんも、というところに、らんとむの組に対する愛が感じられました。


★2013年★

1月『ベルサイユのばら-オスカルとアンドレ編-』アンドレ・グランディエ ※特別出演
1月『宝塚歌劇 物故者音楽慰霊祭』
2~3月『オーシャンズ11』ダニー・オーシャン
6~7月『戦国BASARA―真田幸村編―』
(東急シアターオーブ)真田幸村
7月 宝塚音楽学校創立100周年記念式典『百年(ももとせ)の道』
8~9月『愛と革命の詩(うた)-アンドレア・シェニエ-』アンドレア・シェニエ、『Mr.Swing!』
10月7日 退団発表
12月 蘭寿とむDS『T-ROAD』
(宝塚ホテル/パレスホテル東京)

怒涛の快進撃を見せる2013年。

まずは、『ベルばら』のアンドレ!やっぱりタカラジェンヌとしては、一度は『ベルばら』に出て欲しいなぁ、演じて欲しいのはやっぱりアンドレだよなぁと思っていたところでしたので、決まった時は狂喜乱舞でした(笑)。

そして、一気にファンを拡大したという『オーシャンズ11』!!

ラインナップが発表された当初は、たった1年前に上演された作品の再演なんて…ショーじゃないなんて…と不貞腐れていましたが、いざ始まってみたら、蘭寿とむ史上最強のカッコよさ!!そして花組の団結感と一体感!!パズルのピースがぴったりとハマったかのような、全てが奇跡のような会心の舞台でした。

「歌劇」5月号の「蘭寿とむを送る言葉」で、小池修一郎先生が『オーシャンズ11』再演の経緯をお話していらっしゃるのですが、それを読んで、もう小池先生には頭が上がらないと思いました(笑)。安易な人気作品の再演ではなく、蘭寿のことを考えた上での再演だったのですね。先生、ありがとうございます!!

そして『戦国BASARA』。この学年で、この立場で観られるとは思っていなかったゲーム物の主演。元祖ゲーム物主演者ですから全く心配はしていなかったけれど、やっぱり楽しかった!

そして…10月7日の退団発表。『愛と革命の詩』東京公演が終わってからの発表だとばかり思っていたので、大劇場
公演が終わったばかりのタイミングでの発表にはちょっと意表を突かれましたが、ちょうど旅の合間の出来事だったので、タイムリーに情報を追うことができました。

『愛と革命の詩』、そして『Mr Swing!』。どちらも本当に良かった…。

『CONGA!!』も好きですが、宝塚のショーとしての完成度の高さ、構成力は『Mr Swing!』に軍配を上げたいと思います。コミカルなシーンもありながら、どの場面も品があって、まとまりがあって…。そして大階段の黒燕尾!!泣けるほどに美しかった…。

この年の初め早々に青森を旅して、2011年全国ツアーの足跡を巡ったのも良い思い出です。らんとむとらんちゃん月ーショット撮影した場所を探し当て、本人たちになりきって撮影した写真(笑)は、今でも大事な宝物です。じょっぱりも美味しかったよ、らんとむー!


★2014年★

2~3月『ラスト・タイクーン-ハリウッドの帝王、不滅の愛-』モンロー・スター、『TAKARAZUKA∞夢眩』
3月『宝塚をどり』、『花詩集100!!』 ※特別出演
4月 宝塚歌劇100周年 夢の祭典『時を奏でるスミレの花たち』
4月 宝塚歌劇団100周年記念式典『虹の橋 渡り続けて』
5月11日 退団

円熟と集大成の時間。

いよいよサヨナラ公演。大劇場公演と東京公演の間に色々な特別イベントが入ってきて、卒業までのプロセスとしては異例のことばかりでしたけれども、逆に、いちばん幸せな卒業の仕方だな…と思います。これも、100周年と言う年に、トップスターとして立つことができたからですね。

正直に言って、100周年の時に宝塚で蘭寿とむの舞台を観られるとは、思っていませんでした。

だからこそ、今この時間は、本当に奇跡なのです。

* * *

18年もの間、全てをかけて、「夢」に向かい、闘い抜いてくれた蘭寿とむ。

宝塚の舞台で、蘭寿とむと奇跡の時間を分かち合えるのは、もう今日と明日だけ。ありったけの想いを胸に、劇場へ向かいます。



『TAKARAZUKA ∞ 夢眩』 感想(2) [宝塚歌劇]


感想(1)は、コチラからお入りください。


5th Stage MUGEN LOVERS
音楽/手島恭子
振付/AYAKO

ファンタジー戦闘ものっぽいファンファーレのあと、パッと照明がつくと、赤い戦闘服風の衣装に身を包んだ望海風斗と蘭乃はなを中心とした若手男役&娘役のダンス。望海と蘭乃が、「Preserved Roses」を歌います。もともとは、T.M.Revolutionと水城奈々によるコラボレーション曲ですね。

蘭乃の衣装は、『Misty Station』(2012年月組)で蒼乃夕妃が着ていたもの。他の皆さんはおそらく『ワンダーランド』(2005年雪組)で使用された冒険家風の衣装です。

疾走感あふれるメロディーとともに、上手袖から鳳真由、下手袖から瀬戸かずやが登場します。

ここはもう、私にとっては「スーパー瀬戸くんタイム」ということで、瀬戸くんをがっつり追っかけてましたっ!!

だって、らんとむ出てないから、落ち着いて瀬戸くんのダンスを堪能できるんですもの!(←本命が見ていないところで浮気している件)

望海と蘭乃が「短い夢を重ねて 永遠にして逝く花の♪」と歌う時の振りがめっちゃ好きです。

敬礼しながらその場で足踏みをして、ピーンと身体を伸ばしてから床に倒れ込むように伏せるんだけど、片足を振り上げた反動でパッと上半身を起こすのです。床に倒れ込む動きをするたびに、「おおーっと」みたいな顔を毎回している瀬戸くんに萌えます。…ダンスが綺麗な人なので、そこまで顔芸する必要はないと思うんですけれどね(笑)。

あとは、銀橋の投げキッス!時々、どこを狙うのか迷って曖昧になっているのが微笑ましい感じですけれど(笑)、狙いを定めて見事に命中させた時の威力と破壊力は凄まじいです!さすが、花組が誇る鬼畜系男役!(←すっかり認定)

銀橋を渡りきって、上手から本舞台に戻る時の「短い夢を重ねて(リプライズ)♪」の振りもカッコいい!!右足を軸にしたアラベスクの形をとるのですが、右腕を頭の後ろに振りかぶるようにして持っていくのです。その勢いとキレの良さ!

…すみません…この場面だけは、瀬戸くんロックオンでした(笑)。


6th Stage MUGEN DIAMANTE
音楽/甲斐正人
振付/瀬川ナミ

このままオラオラ系で進んでいくのかと思いきや、いきなり雰囲気が変わって、中東~スパニッシュという宝塚王道の中詰。

来ました!ターバンが異常に似合うトップスター、蘭寿とむ、降臨!!

幕が上がると、本舞台少し奥のセリ上に既に蘭寿がスタンバイしています。音楽とともに蘭寿の姿が照らし出されていく瞬間が、本当に素敵。

曲のイントロ部分で、両腕を頭の上に振り上げ、顔を上げて頭上の腕をゆっくり広げながら下ろしていく、という振りがあるのですが、この瞬間がたまらなく好きです。

サスライトで照らされた横顔に陰影がくっきりと浮かび上がり、そこにスポットが当った瞬間の美しいことと言ったら…!毎回、拍手することも忘れて、ひたすらその瞬間を目で追いかけています。

そして、「しゃっくっねつっのぉ~♪」とねっとり歌いながら本舞台センターへ歩み出る蘭寿さん。昭和の香りがこんなに似合う男役、素敵過ぎる…!!

衣装は、白とオレンジ。これも、今までの蘭寿で見たことのない組み合わせの衣装でしたが、灼熱の濃艶な場面なのにどこか爽やかさを感じさせるもので、好きでした。

ここはもう、男役・蘭寿とむの真骨頂と言っても過言ではないでしょう。熱く、濃く、艶やかな瞬間。これぞ蘭寿とむ!!

銀橋にわたる時に歌い上げる「あ~あああああああああぁぁん♪」と、「は~ああああああぁぁん♪」が、もうらんとむ全開で大好き!!「その名は MUGEN でぃあま~~~~~んて~~~♪」も、らんとむ全開すぎて悔いなし!!

さすが、らんとむ!ラストステージでも赤面爆弾の投下は忘れない!!この悩ましい声に合わせて流し目絨毯爆撃も忘れない!!そしてとどめの投げキッス…!!確信犯すぎて、大好きです!

ちなみにこちらの悩ましい声、実況CDの歌詞ブックには「Ah」と「Woo」としか書かれていません。これが蘭寿さんの手にかかると↓


「Ah」=「あ~あああああああああぁぁん♪」

「Woo」=「は~ああああああぁぁん♪」


…さ、さすが赤面の帝王、蘭寿とむ…!!(←賛辞)



続いて、桜一花、芹香斗亜、柚香光が銀橋を渡ります。新公学年の男役を侍らせても違和感のない花組最上級生娘役、桜一花がミラクルすぎる!!芹香くんのソロの後の「ダンサ ダンサ♪」というコーラスが好きです。

本舞台は、3つのグループに分かれていて、センターは高翔みず希、上手は夕霧らい、下手は月央和沙がそれぞれシンを勤めています。高翔のダンスは、変なクセがなくて、本当に端正なダンス。中詰でも素晴らしい存在感です。



次に登場するのは、華形ひかる、桜咲彩花、仙名彩世の3人。下手から上手に向かって銀橋を渡ります。

ここでの注目は、桜咲彩花のツンデレぶり!

べーちゃん(桜咲)、ものすごく確実に観客を釣っています(笑)。ちゃんと2階席にも目線を飛ばしている!

最初はね、娘役らしからぬクールさなのですよ。無表情というか、めちゃくちゃ冷たい眼差しでじっと相手の目を見つめていると思ったら、一瞬だけ、「フッ」と魅惑的な微笑みを浮かべるのですよ!あの技を鬼畜と言わずして、何と言おうか!(←興奮しすぎ)(←鬼畜鬼畜言い過ぎ)



そして全国の娘役ファンの皆様、お待たせしました!スーパーきらりタイムです!

華耀きらりが場面のシンを取り、男役たちを手玉に取っていくというダンスです(←イメージしにくい)。曲は、「禁じられた遊び」。

ここ、きらりがめっちゃくちゃカッコイイんです!前の場面からセンターに走り込んで、後ろ向きに立ったら頭上に振り上げた扇をパッと開いて、そして身体をしならせて客席を向くのです。この瞬間、客席からちゃんと拍手が起きるのが嬉しいです。

あらゆる世代の男役(高翔、月央、瀬戸、冴月瑠那、鳳真由、大河凛、水美舞斗、優波慧)の間を、ゴージャスなアゲハ蝶のように、優雅に蟲惑的に踊り抜けていく華耀。その堂々とした佇まい!!テンションが上がる場面です。

ここでも、らんとむがいないのを良いことに瀬戸くんばっかり見てしまいました。

特にこの場面では、手の動きが本当に綺麗。彼は、自分の手の甲が持つ威力を十分に心得ていますね(笑)。背中を反らせるきらりをサポートした後に両手と片足をポーンと振り上げる動きがあるのですが、足が真っすぐ上がっていて、とても綺麗です。



上手から、明日海りおが登場。「禁じられた遊び」のメロディーに乗って、銀橋を歌いながら渡ります。

ごめんね、みりお君…この場面、本舞台で繰り広げられる男役と娘役、特に瀬戸くんと凪咲星南のデュエットダンスに釘付けなので、いつも全く見ることができません。本当に申し訳ない!

この公演で卒業が決まっている凪咲。実は瀬戸とデュエットダンス踊ることが長年の夢だったらしく、偶然そのことを聞く機会があった齋藤先生が、この中詰で実現させてあげたのだそうです。

そのようなエピソードがあったとは全く知らなかったわたくし。大劇場千秋楽の退団者挨拶でおなぎちゃん(凪咲)がそのことに触れて、「とても嬉しく、幸せでした」と語っているのを聞いて、東京公演から注目するようになったのですが…。本当におなぎちゃん、憧れの男役さんと踊れる嬉しさと幸福感が、小さな身体から漲ってます!良かったねー!

そんなおなぎちゃんを相手に踊る瀬戸くんは、イケメン度8割増!男役としての自信と責任感にあふれています。やっぱり、娘役さんに憧れられて、惚れられて、愛されていると自覚した時に、男役はぐーんと魅力と色気を増すのですね。

最後のポーズを決めるために上手端からセンターへ移動する時に、おなぎちゃんをエスコートする瀬戸くんの包容力と男らしさ、半端ないです!あれは惚れる!

そして、ポーズを決めた後の、手の位置が本当に綺麗。指が長くて細くて大きくて、あれは本当に男の手ですよ(真顔)。自分の手の魅力をよく知っているようで、角度や決め方も、ちょっとだけ他の男役さんとは違う工夫をしているのが素敵だと思います。



などと言いつつ、盆セリが回り始めたら、照明がつく前からセリ上がってくる蘭寿にロックオン!

セリ上がって来て照明が当たる直前の蘭寿の横顔が、たまらなく美しいのです!!

「MUGEN CITY」や「無限の愛」の場面でもそうなのですが、私は照明が当たる直前の蘭寿の表情がすごく好きです。

照明が当たった瞬間、その輝くような笑顔とともに圧倒的にポジティブなパワーを客席に送り出す蘭寿。その輝くパワーを自身の内面で高めて溢れだす直前の、何とも言えない気迫に満ちた顔。内に秘めた輝きを放出する直前の、沸点にいちばん近い状態、とでも申しましょうか…。

本当に、美しくて、綺麗で…。いつも言葉を失くします。

赤いスパニッシュ衣装に着替えた蘭寿は、それはそれはオトコマエ!!「エル・アモール!」の掛け声もオトコマエ!!

スパニッシュと言えば、らんとむの十八番ですから!まさに鬼に金棒ですから!また左肩に生えたキジ羽根が、ピシュッ!ピシュッ!とイキの良いこと!(笑)

この場面の影ソロを勤めているのは、羽立光来。

あるブロガーさんが、「ここの羽立の影ソロは、美穂圭子さんだと思った」(※美穂圭子…専科。美しいソプラノで、歌手として重用されている)と書かれていたのですが、私はこの文章を読むまで、ナチュラルに美穂圭子さんだと思い込んでいました(笑)。事前に録音したのかな?と、勝手に脳内補完していたくらい(笑)。それだけ凄いです、ここの影ソロ!羽立くん、ナイスパフォーマンス!



そして中詰もクライマックス。「MUGEN ディアマンテ」で銀橋へ。

そうです、「しゃっくっねつっのぉ~♪」から「その名は MUGEN でぃあま~~~~~んて~~~♪」まで、もれなくリフレインですよ!

次の場面の準備のため、明日海は途中で袖に引っ込むのですが、ここが密かな楽しみでした(笑)。

蘭寿が本舞台から銀橋上手に移動するまでは、望海と並んで踊っているのですが、だいたい、蘭寿が銀橋上手に立つタイミングで、「では、ワタクシはこれにてっ」みたいな感じで、シュタタターッと袖にはけていくのです。その生真面目な段取りっぷりが、全力でみりお君(笑)。

「熱い熱い日差し背に受け♪」と歌うところで蘭寿さんが繰り出す、「背中反らして流し目攻撃」は、最強兵器です!!あの熱い眼差し(背中反らし付き)に流された者は、めくるめく情熱の波に翻弄され続けることでしょう…ふっふっふ☆(←不気味)

中詰の振付は、瀬川ナミさん。齋藤作品では何度か振付をされた経験があるようですが、複雑かつ流麗なフォーメーションとか、ファンが「これこれ!こういうダンスが見たかったの!」と思わせてくれるダンスや場面ばかりで、とっても素晴らしいです!

中詰クライマックス、出演者が銀橋に並んで「ディア~マ~ンテ~ ディア~マ~ンテ~♪」と歌いながら、肩を左右にクイックイッと揺らす振付が、すご~く好きです!!上がりきったと思われたテンションが、また上がりますから!(笑)



ディアマンテの興奮は、まだまだ続きます!蘭寿・華形・望海・瀬戸・芹香の男役5名が残り、「ツィゴイネルワイゼン」に乗って、情熱的なに踊ります!

一人ずつ、「ディアマンテ~♪」と歌い上げるのですが、それぞれに歌い上げ方に個性が出ているのがいかにも花メンな感じがして、つい客席でニヤニヤしてしまいます(笑)。

この時、5人はスパニッシュ帽をかぶっています。少しつばが大きいスパニッシュ帽は、特に2階席への目線の飛ばし方が難しいのですが、さすがに蘭寿・華形・望海の3名は手慣れたもので2階席にもしっかり目線を飛ばし、時々ウィンクまで飛んできました(笑)。

対する瀬戸・芹香はあと一歩!というところでしょうか。それでも前方席のお客様への貪欲なアピールは花メンらしくて、良いことだわ~☆(←誰)

とにかくここは、蘭寿さんが楽しそうで楽しそうで!表情に出ることはないのですが、とにかく全てを発散させて男役だけの場面を楽しんでいるな~と感じます。「バイラ」と掛け声をかけるところで、前に差し出した手の指を1本ずつ、ゆっくり折り曲げていくところが超絶オトコマエ!!


7th Stage 夢眩少女
音楽/青木朝子
振付/羽山紀代美

ボルテージ最高潮の中詰から一転、再び不思議で不気味な世界へ…。

恋人の面影を忘れられない青年(明日海)が、ジョーカー(和海しょう、柚香光)に導かれてその魂を売り渡し、恋人にそっくりな人形(仙名彩世)とひとときの夢を味わうが…という、美しくて、少し残酷な童話のような世界観。

柚香に誘惑される明日海というパターンは、前回のショーでもあったからなぁ…。ちょっと見飽きた感もあるのですが、ここは和海しょうの圧倒的な歌唱力に惹き込まれます。

曲はMALICE MIZERの「Je te veux」。な、懐かしいな、MALICE MIZER…。

後半、これでもかと踊りまくる仙名の動きが凄いです。歌えて踊れて芝居もできる、素晴らしい、娘役。将来、女がトップ娘役として立つ姿を観てみたいなぁと思いました。

すみません…ここの場面は、中詰の余韻でぐったりしていたのと、次の場面へ意気込みを新たにしようと心の準備をしていたので、ちょっとボーっとしながら観ていました…。ご、ごめんね、みりお君…!!


8th Stage 無限の愛
音楽/手島恭子
振付/若央りさ

激しいロック調の曲から一転、穏やかでクラシカルなメロディーの中、下手花道から蘭寿がセリ上がります。

濃紺のノーブルな軍服と地模様の入った真っ白なマントに身を包んだ蘭寿は、セリ上がる間、ずっと顔を横に向けています。その横顔の穏やかで、美しいこと。

ライトが当たると同時に、正面に顔を向けてパアッと笑顔になるのですが、花が開くような明るい笑顔が神々しくて、綺麗で…。ああ、いよいよ「終わりの始まり」だ、と思ってしまいます。

銀橋を渡りながら、主題歌のひとつ「無限の愛」を歌う蘭寿。プロローグ最後に蘭乃と歌ったのと同じ曲です。プロローグではアップテンポで明るい曲調でしたが、この場面では優麗な曲調。それだけに心に沁みます。

「君を守る」と幼いプリンセス(凪咲星南)に約束した少年(花蝶しほ)。時が過ぎて、少年は素晴らしい騎士(蘭寿)に、プリンセス(蘭乃)も美しく成長し…という物語とともに展開される、美しくも切なく、胸が締め付けられる場面。

蘭寿が銀橋で歌う間、本舞台では幼いプリンセスと少年が登場し、蘭寿と重なります。

少年と幼いプリンセスの物語が本舞台で展開している間、「Broadway Melody」のメロディーがオルゴール調で流れます。そう、『ラスト・タイクーン』のモデルと言われているアーヴィング・タルバーグが製作した映画と同じタイトルの曲です。

そして、「Broadway Melody」は、蘭寿とむの初舞台ロケットの曲でもあるそうです。(教えてくださった夜野愉美さま、ありがとうございます!)

キチマサ、ここはグッジョブ!(←愛ある呼び捨て)

やがて濃紺のドレスを着た蘭乃が登場し、そして軍服に身を包んだ男役、白にラベンダー色やピンクをあしらった、ふわっとした袖のドレスを着た娘役が登場し、壮麗なワルツの場面となります。

ここで、望海と芽吹が歌う「愛の夢」がまた泣けるのです…。

眩しすぎた君の姿よ
凛々しく 強く
The Dream of Love
奇跡のような 君との日々よ

You made us happy
君がくれた Smile
Tears Heart Soul
Love Dream
季節巡り迫る 別れの時が


本当に…

蘭寿とむという男役に、舞台人に巡り合えた奇跡。愛することができた奇跡。

そして今、その旅立ちを見送ることのできる奇跡…。

軍服でイケメン度5割増の男役と愛らしい娘役がワルツを踊る、夢のように美しい場面なのに、なぜか私の記憶は、すごく遠くに感じるのです。蘭寿と蘭乃を中心に、男役は端正に、娘役は幸せそうな微笑みを浮かべてくるくると回って踊っている舞台の映像が、すごくすごく遠くに感じるのです。

カップルがくるくると回りながら、さらにフォーメーションを移動していくという振りがあるのですが(とあるブログではは、「ペアで自転しながら公転する」という例えをされていた方がいました。言い得て妙!!)、ここでの注目は、瀬戸かずやと桜咲彩花のペアです。

このペア、センター奥からセンターへ、そこから下手前へ、さらに下手奥、再びセンター奥へと1周した後、さらに下手端へと、半端ない距離をぐるんぐるん回転しながら移動していくのです。他のペアも動いていますが、瀬戸&桜咲はダントツの移動(回転)距離。

決められたカウント内で移動しなくてはいけないという意識が働くのでしょう、瀬戸くんのエスコートがかなり強引なのですが、べーちゃん(桜咲)を振り回すことのないように、彼女の背中と手をしっかりホールドしているのです。その男らしさとたくましさに、心の底から惚れます。べーちゃんも、ものすごい早い瀬戸くんのターンに振られることなく、身体と身体の距離が絶対に離れないようにしっかりついて行って、娘役としての気概を感じます。

蘭寿と蘭乃は、もう何も言うことのない安定感です。こちらのペアも、近くにセリ穴が空いているのに躊躇せず大きく美しくターンしているのが素晴らしい。



プリンセス(蘭乃)が騎士(蘭寿)に剣を手渡すと、一瞬ストップモーションがかかり、やがてゆっくりと華形が「夢を見たのさ…」と歌いだします。

ここからはいよいよ、サヨナラの演出。

明日海が「僕の人生は変わったのさ 君の言葉に励まされ」、蘭乃が「君の笑顔に勇気をもらった」と歌うのが、またピンポイントで、そしてファンの気持ちも代弁していて…胸がぎゅーっと締め付けられます。

東京千秋楽の日、この部分を歌う明日海の声が、いつもとまったく違った、くぐもったような震えた声になっていて…。ライブ中継での観賞でしたが、明日海が涙をこらえにこらえているのがすぐにわかり、胸が詰まりました。

そして…「Your Infinity!!」という掛け声とともに、「MUGEN DREAM」へ!!ここからいきなり明るい曲調になるのが、もう、反則です!!

娘役が両花道へ分かれて、本舞台に男役だけが集結して踊る場面とか、娘役が戻ってきて総群舞になる場面とか…とにかくみんな、笑顔なんですね。その笑顔が、本当に美しくて、美しくて…言葉を失くします。

この瞬間…「美しい」という言葉しかありません。

やがて、蘭寿ひとりが銀橋センターへ。出演者全員が上手花道から本舞台、下手花道までずらーっと1列に並びます。そして、下手花道袖に右手を差し出して、一人一人と笑顔を交わしていく蘭寿…。

「世の中に、こんなにも愛にあふれた、美しい瞬間があるんだ」。そう思わずにはおれません。

ごめんなさい…。本当に、言葉がまったく思い浮かびません。ただ、ひたすらに美しい瞬間です。その真ん中に立つ、蘭寿とむの笑顔…もう、何て言ったら良いのか…。ああ、駄目だ、書きながら涙が出てきました…。

何度、その笑顔に勇気をもらったことか。全力で勤めあげるその舞台に、何度気持ちを奮い立たせられたことか。

そう、私にとって蘭寿とむの笑顔は、「光」そのものでした。



蘭寿がひとり残り、「グッドバイモーニング」を歌います。もともとは、宇徳敬子さんと近藤房之助さんのデュエットソングとしてリリースされた曲だそうです。

「明日は全てが変わるだろう…」というところで見せる蘭寿の晴れやかな笑顔に、ぎゅっと胸が詰まります。

けれど、その向こうに待つのは、終わりではなく始まり。終わりへの感傷ではなく、始まりへの期待を高らかに歌う蘭寿の姿を、網膜に焼き付けたい、心の宝石箱にしまいこみたい。そう思いながら、必死で蘭寿の姿を追い続けている自分がいます。

蘭寿とむが大階段を駆け上がり、晴れ晴れとした笑顔を残して別緞帳が下がると…フィナーレです。


Last Stage TAKARAZUKA∞夢眩
音楽/甲斐正人
振付/羽山紀代美

ミラーボールが星のように煌めく中、上手花道から蘭乃がセリ上がります。シンプルな白のドレスで、髪もスッキリとシニヨンにまとめています。

ドヴォルジャークの「新世界より」のメロディーに乗って、銀橋で歌う蘭乃の後ろ、本舞台で踊るのは、桜・華耀・芽吹・遼かぐら・白姫あかり・花蝶・凪咲・仙名。

桜と華耀のたおやかな娘役のダンスから、目が離せません。娘役として築き上げてきたもの全てが、シンプルな衣装の中にもにじみ出ていて…ああ、これが花組娘役だな、と思わせる美しさと気品、柔らかさと芯の強さ。

別緞帳が上がると、大階段にも白いドレス姿の娘役がズラリ。これこそ、正統なタカラヅカの美しさ!

大階段の娘役が本舞台へ移動し、蘭乃を中心とした娘役の群舞へ。ここは本当に、うっとりするような美しさ。

そして、音楽が最高潮に達するとともに、逆ピラミッドの形で降りてくるのが、黒燕尾に身を包んだ男役たち。もちろん、頂点にいるのは蘭寿です。

もう…ここはいつ観ても涙が出てきます。本舞台で軽やかにしなやか踊る娘役の後ろから、男役たちが登場する…というシチュエーションが神演出すぎて!!なんという包容力、なんという凛々しさ…!!

黒燕尾の男役たちの気迫…こちらが思わず身震いするほどの緊迫感です。その緊張を解き放つかのように蘭寿が右手を回して後ろを向き、そこから順番に波のように同じ振りをします。最後に、「シャラン」という音でパッと客席を振り返った蘭寿に、スポットが当たります。

この時の蘭寿の表情が…気高くて、美しくて…。どうか、どうかこの瞬間を、この瞬間の光景を、死ぬまで覚えていて…と自分の心に何度願ったかしれません。

最後の音で、もう一度客席正面に向き直り、右手を左胸の前に持ってきてポーズ。すべてが完璧。



「G線上のアリア」に乗って、男役の群舞。かなりアレンジが入っているようでしたが、ここはストリングスだけの繊細な音でも素敵だったんじゃないかな~とも思います。

難しい振りや凝った振りは全くと言っていいほどありません。本当にオーソドックスな、シンプルな振りのダンス。だからこそ、卓越したカウントの取り方やタメ方が必要とされるダンス。

蘭寿の動きに集中する男役の「気」が並々ならぬ気迫に満ちていて、涙があふれます。蘭寿が築き上げてきたものを、そして遺そうとしているものを、少しでも多く、ひとつでも多く吸収して、受け継いで、新しい世代へ伝えていって…!それはもう、祈りにも似た感情です。それが、宝塚に「蘭寿とむ」という男役がいた、という記憶の証になるのだから。記録よりも、記憶に残るべき男役なのだから。

そして、月央との「黒燕尾のデュエット」。ストイックで、それでいて気高くて、蘭寿の胸を借りてのびのびと踊る月央のダンスも素晴らしく、それを受け止める蘭寿の大きさにも感動します。やっぱりウルッとしてしまうのか、よっち、いつも額のあたりに力が入っているのがとても愛しいです(笑)。よっちが決壊しないように、踊りながら目線だけでよっちを制している蘭寿さんも愛しい(笑)。

最後に銀橋のセンターに蘭寿が立ち、本舞台にずらりと並ぶ男役の気品と、真摯な美しさ。全員の「気」が、銀橋の蘭寿ひとりに向けられているのが痛いほどに伝わってきます。

時間よ、止まって…。この瞬間、いつもいつも、こう思ってしまう自分がいます。

みんなの気を受けて、客席からの愛を受けて、蘭寿が掛ける全身全霊の「フォウッ!」。

もう、全ての瞬間をひとつひとつ止めてしまいたいです。



ショパンの「英雄ポロネーズ」に乗せて、ソロから蘭乃とのデュエットダンスへ。

このソロもね、本当にオーソドックスな振りの連続で…でも、指先の位置や角度まで、すべて完璧な美しさです。

「歌劇」5月号に掲載された、蘭寿と羽山紀代美先生の対談によると、齋藤先生は曲の冒頭から蘭乃とのデュエットダンスで…と考えていたそうです。しかし、曲を聞いた羽山先生が「頭(=冒頭)はとむのソロですね」と言ってくださり、蘭寿のソロで始まる演出に変更されたのだとか。羽山先生…心から感謝します!

蘭寿のソロを瞬きもせず見つめていて、ある時、ふと思ったことがあるのです。

「あ、燕尾が喜んでる」って。

銀橋から本舞台へのソロを踊っている時、振りによって黒燕尾の尾が跳ねたり揺れたりするものですが、何というか…まるで生き物のように見えたのです。その日は、らんとむの表情よりも揺れる燕尾に釘付けになってしまいました(笑)。

観察していると、燕尾の跳ねや揺れも、さりげなく抑制されているのです。あちこち、ままに跳ねているのではなく、蘭寿がターンして燕尾が跳ね上がったとしても、ある一定の位置までしか上がらないのです。それはおそらく、蘭寿が自分の身体をコントロールして踊っているからだと思うのです。

花組の下級生時代、上級生だった磯野千尋さんに「黒燕尾の時はそんなに肩を動かして踊ってはいけない」と注意をされたという蘭寿。その教えが、このダンスにも脈々と受け継がれているのだと実感しました。

長い時間をかけて磨き上げられた「男役芸」のひとつ。黒燕尾のダンスを、蘭寿が極めた瞬間に立ち会えたような気がして幸せでした。

そして、白スモークの中での蘭乃とのデュエットダンス。

やっぱり蘭寿は娘役と踊るとオトコマエっぷりが格段に上がりますね。

白いドレス、黒燕尾、白いスモーク、白いライト。全てが研ぎ澄まされた、神聖な空間で踊り続ける2人。

二手に分かれて、上下から銀橋を渡るシーンも好き。お互いに差し出す手の美しいこと…。そして、ぎゅっと握りあう手と手に感じる、強い信頼感。

デュエットが終わって客席からの拍手に応え、袖へ入る蘭乃を見送った後、今度はひとりでスポットを浴びて客席に挨拶する時に見せる、パァッと晴れやかな笑顔。

1階は勿論、2階の隅々まで、笑顔でしっかり見上げてくれる蘭寿。何とも表現しがたい神々しさにあふれています。



いよいよパレードです。

エトワールは仙名彩世。まろやかで透明感のある美声が、余韻で呆然としている頭と心にスーッと沁み入るように入り込んできます。

大階段のセンター降りは、仙名→瀬戸・鳳・柚香→芹香・桜・桜咲→華形→望海→明日海→蘭乃、の順番。

みんなが「MUGEN DREAM」を歌って降りてくる中、明日海だけは「MUGEN SPIDER」というブレのなさ(笑)。齋藤先生的には、明日海=蜘蛛だったのでしょうね…(微笑)。

そして、蘭寿の登場です。

「だから決めたのさ 僕は君の騎士になることを♪」と歌ったところで、シャララン♪という効果音が入り、それに合わせて蘭寿がシルクハットのつばにちょっと触れます。その瞬間がすごくすごく好き!

大劇場の時はちょっとタメが入ったのですが、東京では結構すぐに次のフレーズに行くようになったのが残念です。あそこで、もうちょっと魔法にかかっていたいのにー。

蘭寿が、「だから決めたのさ 僕は君の騎士(ナイト)になることを 君を想って君を守り 闘い抜いた♪」と歌った時、嗚咽が止まらなくなったことがありました。

この、幸せな光景。愛と光に笑顔あふれた、幸せ過ぎる光景。私たちファンにこの光景を見せるために、ここまで連れてくるために、蘭寿は18年もの長い間、この世界を闘い抜いてくれたのだ…と思った瞬間、堰を切ったように涙があふれ、止まらなくなったのです。

らんとむ…ありがとう…ありがとう…。

最後まで涙が止まらないけれど、主題歌は本当に明るくて爽やかで元気になれます。「黄金の翼舞えば 奇跡は必ず起こる 今こそ羽ばたけ 限りない未知の空♪」という歌詞がすごく好きです。

パレード終わり、緞帳が閉まる前に、蘭寿が「今こそ捧げよう 限りあい愛を君に♪」と歌う場面は、いつも涙があふれて、その笑顔が見えなくなります。でも、どうにかしてその姿を見届けようと思うから頑張ります(←?)。


* * *


何とか書き終えました。また思い出したことがあれば、書き足していくかもしれません。

最後まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。


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