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バレエ入門講座 [講座・現代演劇]

先日、新宿・初台の新国立劇場で開催された
「バレエ入門講座」を受講してきました。

先月「くるみ割り人形」を観劇した際に
受講者募集のチラシを発見し、応募したところ、
運良く受講させていただくことになりました。

時間は10:30~12:30。
場所は新国立劇場5階にある情報センターです。
講師は前・新国立劇場バレエ・チーフプロデューサー、
森 龍朗(りゅうろう) 先生。

バレエに関しては全くの初心者なので、専門用語なども知りませんし、
不安もあったのですが、先生のお話は大変分かりやすく、
バレエだけでなく舞台芸術全般に通じる、大切なお話をしてくださいました。

第1回目の今回は、「バレエの歴史と構造」について。
バレエって、生まれはイタリアだったんですね!
イタリアで生まれて、フランスで成長し、ロシアで完成された、
というのが通説だとか。

「そうなんだ…。じゃあとろりんは、大阪で生まれて、
神戸で育って、京都で完成されたのかぁ…」
と、突然自らの三都物語を振り返るとろりん(笑)。

閑話休題。
ではでは、なぜバレエは海を越えて世界に共通する
舞台芸術となったのでしょう??

それはまず、
「言葉を用いない、研ぎ澄まされた身体と音楽(=記号)による表現」
であったことが第1点。
次に、「身体表現を伝えるための技法の完成度が高かった」
と言うことが大事な条件だったのではないか、とのお話でした。

そして、音楽と身体表現という、言葉を使わない技法で
確立されてきたからこそ、国境を越えた伝達も早かったし、
作品ごとに様々な解釈も生まれたのでは、という話に展開。
確かに、「白鳥の湖」とか、振付家や舞台監督によって
物語の結末が変わったりしていますもんね。

もともと「バレエ」とはイタリア語の「バレット(ballet)」が
フランスに伝えられて、フランス語読みになった、というのが定説。
そしてこの「ballet」は最初、「balli」(イタリア語で「ダンス」)の一種、
というとらえ方だったそうです。

ここで、「ダンス」の概念について、大変興味深いお話を聞きました。

森先生の経験談として、ヨーロッパ出身のある有名ダンサーに、
「ダンスって、どこからきたんだい?」と質問したそうです。

すると、このような答えが返ってきたそうです。
「まず、馬の鼓動に合わせて足を踏みならしてみた。
そして、小鳥のさえずりに合わせて、両手をお日様にむかって広げてみたんだ」

馬の鼓動に合わせて足を踏みならす=リズム。
小鳥のさえずりに合わせて両手を広げる=メロディー。

この、タテ(リズム)と横(メロディー)の身体表現が
組み合わさって、「ダンス」が誕生したのです。
なるほど…!!!すごく勉強になりました。

この「タテ」と「ヨコ」というダンスの構成ラインを
見事に表現しているのが、回転。

これは実際に踊りをやっている方には、納得してもらえるのではないかと。
日本舞踊やダンスに関係なく、回転する時って
軸足をさりげなく上下させ(リズム)、回転する足は横へ向きますよね。
グラン・フェッテを見ると、「タテ」と「ヨコ」の関係がすごく分かりやすいです。

バレエの基本的な構成要素は、「グラン・フィナーレ」と「アントレ」。
「グラン・フィナーレ」とは、幾何学的・形式的な踊りを指し、
「アントレ」は物語的・劇調を含んだ踊りなのだそうです。

これは、日本で言うところの「舞踊」につながると聞いて、
目から鱗がバリバリとはがれ落ちました。
「舞」=「アントレ」、
「躍」=「グラン・フィナーレ」
なのだとか。
おおう、芸術は万国共通なり!!

途中、「資料映像」として新国立劇場のバレエ公演のVTRが
ほんの少しですが放映され、講義の内容を実際に確認をすると同時に、
ホッと息抜きにもなりました。
美しい映像を見るだけで、本当に心が和みますね。

しかし森先生は、バレエのチーフプロデューサーだけあって
違う所に視点が行ってしまわれます。
「レ・シルフィード」のVTRの中で、ソリストの踊りを見つめながら、
「ああ彼女、舞台監督から柔らかく踊れ、柔らかく踊れって
言われたんでしょうねぇ…柔らかさを意識して、かえって硬くなっちゃってますねぇ」
と、さりげなくダメ出し(苦笑)。

加えて、
「大事なのは身体の芯が落ち着いていること。そうすると柔らかく踊るのも
力強く踊るのも自由自在な表現が出来るようになるんですよ。」
と教えて下さいました。大切なのは、やっぱり基盤の部分なのですね。

日本が誇るプリマの1人、酒井はなさんによる
グランフェッテ@黒鳥(32回転)のVTRも見る事ができました。
すごい!!カッコイイー!!綺麗ーー!!
と、受講者全員、はからずも興奮(笑)。

講義終了後、先生が昼食に誘って下さったのですが、
お弁当を作ってきていたので、泣く泣くお断りしました…。
先生っ、次回はお弁当無しで受講します!
また必ず誘って下さい!!(笑)

受講会場となった新国立劇場情報センターは、
劇場5階にあり、資料室とビデオブースとビデオシアターがあります。

講座はビデオシアターで行われたのですが、資料室は、
新国立劇場の上演記録はもちろん、演劇関連の書籍や雑誌も
全てそろっていて、演劇ファンにはたまらない世界です♪

3月までの月1回、計3回という何とものんびりした講座ですが(笑)、
楽しみながら受講したいと思います。


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