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宝塚雪組東京公演 『タランテラ!』 [宝塚歌劇]


東京宝塚劇場のクリスマスツリーと、ひそかに見守る逸翁。

*****

『堕天使の涙』に思いっきり号泣した後は、ショー『タランテラ!』へ。

芝居では「堕天使」、ショーでは「蜘蛛」。
ご自身もインタビューなどで何度もおっしゃっていますが、
「人間じゃない役」で大活躍するコムさん(朝海)です。

慣例に従って、ショーレポでは生徒さんのニックネームでお呼びしまーす。

え~、ここでひとつおことわりを。
実は私…オギー(荻田先生)の作るショーってちょっと苦手なんですね~…(汗)。
(生徒さんだけでなく演出家までニックネーム>笑)

同じく雪組のショー『パッサージュ』(あ、この時もコムさん「天使」の役してましたね)
とか、花組のお芝居『マラケシュ・紅の墓標』等はとても好きな作品なので、
「時々、苦手な作品もある」という表現の方が正しいかもしれません。

オギーのショーって、「間」が意図的(?)にそぎ落とされている気がします。
絶えず流れ続ける音楽、絶えず動き続ける舞台…。
常に意識を舞台へ集中させなくてはいけない「しんどさ」があります。
暗転でバン!と場面の変化と同時に意識も切り替える事が出来るので、
もう少し「暗転の効果」を活かしたショーにしてくれると、ありがたいなぁ…。

もうひとつ、なんというのかなぁ、「つかみどころがない」「全体的に哲学的(=暗い)感じ」
なのが、パーッと華やかで明るい、何も考えなくても良いショーが好きな私としては
ちょっと好みが違うのかもしれませんね。

あのよどみのないオギースタイルが好きな方もいらっしゃるでしょう。
これは私見ですので、どうぞあしからず。

*****

さてさて、『タランテラ!』。
もう、コムさんの有終の美にまーちゃんも美しく寄り添う、感慨深い舞台でした。
オギー作品にもれなくついてくる矢代鴻さんの美声も相変わらず素敵でした。

コムさんってスゴイ!と思うのは、足先まで神経の行き届いた美しいダンス。
一定の位置で、何の支えもなしにスーッと足を横に上げていき、
いちばん高いところでキープできちゃうんです!
この技ができたのは、21世紀では元月組トップ・紫吹淳さんくらいです。
しかし滞空時間においては、コムさんがダントツです。コムさん、すごいバランス!

まずはプロローグ。
バンドパイパー(笛吹き)のKEIちゃんと娘の山科愛ちゃんの
場面から、あれよあれよ流れが変わって、いつのまにかプロローグに。

展開が流れてしまったのがちょっと残念でしたねぇ。
どこで拍手をすれば良いのかちょっと戸惑ってしまいました。

この場面では通称「クモ兄妹」、コム・まー・ミズのトップトリオに加えて
微妙なチラリズム衣裳が興奮を誘うKEIちゃんに視線が集中(笑)。
『パッサージュ』のコムさんの使われ方と同様、オギーはKEIちゃんにも
「この世の者ではない」空気感を感じているのかも知れませんね。

そして、スターの中で唯一クモになりきれず、絶えず4人に
襲われ続けている壮くんにもご注目ください(笑)。

幻想的な美しさだったラ・プラタ河。
蜘蛛(コムさん)と蝶(まーちゃん)の報われない恋をダンスに乗せて表現。
美しさの中にも、触れてしまえば全ての関係が崩壊する、(「あらしの夜に」みたいな)
そんな微妙な緊迫感あふれるダンスシーンでした。

ブエノスアイレス~アルゼンチン~大西洋
(この移動距離が謎)

スーツにソフト帽という出で立ちの男役による群舞から、
娘役さんとの絡み、そしてコムさんとまーちゃんのデュエットダンスへ続きます。

ここでワタクシ、ある事に気がつきました。
自分が、ミズさんのどこに興奮するのかを。(暴走開始)。

それは、ミズさんの「手の甲の筋」(爆笑)。

特に、顔の前で腕をクロスしてソフト帽に手をやる時にスラリと見える
指先から手の甲にかけて際立つ「筋」に思わず興奮してしまうようです。

…マニアックすぎるわ、私!(セルフ突っ込み)

そんなミズさんの「手の甲の筋」を思う存分に堪能できるブエノスアイレスの場面。
(どんなまとめ方やねん)

「大西洋」では、しなやかで伸びやかなトップコンビのデュエットダンスを満喫。

まーちゃんのダンスって、特に男役さんと踊る場面では重力の存在が感じられないほどに
軽やかで柔らかなんですよね~。素敵だぁ、まーちゃん…。
コムまーで、こういうデュエットダンスがもっともっと観たかったっっ!!

中詰は、アマゾン。
宝塚でアマゾンやラテンの場面というと、極彩色満載のラメラメピカピカ場面を
連想しますが、今回も予想を裏切らずにオールスパン衣裳満載です。

やっぱり中詰で照明が暗めだと、せっかく華やかなムードも少々気分が落ちるな~。
でもみんな楽しそうだから、いっか(笑)。

そうそう、ここでも自覚したのが、私の「壮くんファン度」(本日2回目の暴走開始)。

ミズを観る場合は、「愛玩物」とでも言いましょうか、
「かっこええわ~、素敵~」みたいな感じで、
娘役さんと踊っていてもその姿がまた格好良くてうっとりと観ています。

ところが、壮くんが娘役さんと踊っているのを観ると、
「こらー!!そこの娘役、壮くんから離れんかーっっ!!!」
と、思ってしまう自分…(爆笑)。

壮くんって、「こんな男性がおったら、ええなぁ…」とついつい思ってしまうような
親近感を持っているんですよね、私の中では(笑)。
花組に戻ったらもっともっとスマイル全開で活躍してくれることと思います☆

そしてフィナーレ。

朝海ひかる、舞風りら、そして水夏希。
雪組を、そして宝塚を代表するダンサーがそろい踏み!

特にコムさんは、前述のキープ技を連発。人間じゃない、コムさん…(あ、蜘蛛か>笑)。
ダンサー・朝海ひかるの真骨頂を、観客それぞれの心に刻みつけるかのような場面の連続。

いちばん心に残ったのは、銀橋へ移動したコムさんが本舞台へと身体を向け、
まーちゃんをピンにして踊り倒す雪組生をじっと見つめる場面。
ここで一気にきましたね~。

雪組生をじっと見つめるその背中の、華奢なこと!!
少しの風でも吹き飛ばされそうな細い身体…。
「こんな細い背中に、トップとしての責任を背負って歩いてきたんだ」
と思うと、やはり言葉にならない思いが胸いっぱいに広がりました。

万感の思いを込めて、コムさんは大階段を上り、去っていきます。
その途中、コムさんとは逆に大階段を下りてくる、ひとりの男役とすれ違います。

大階段から去るコムさんに代わって、パレードの幕開けを告げるのは…
朝海ひかるの後を受け継いで、次期雪組トップスターとなる水夏希です。
なんてこった!!オギー、心憎い演出やんけ!!(興奮のあまり河内弁)

ミズのエトワール(ちょっと衝撃)でパレードは始まり、
雪組生全員が踊り続ける中、幕は静かに下りていきます。
まるで、夢の終わりをスローモーションで見ているような…
とても名残惜しい幕切れでした…。

*****

雪組公演は、24日まで。
ノエルに宝塚を卒業するコムさん、まーちゃん、お疲れさまでした。

ついでにコチラも、ぽちっとな☆


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