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貴城けい & 紫城るい ザ・ラストデイ (2)サヨナラショー編 [宝塚歌劇]


サヨナラショーで使われたペンライト。
「Kei Takashiro」と書かれています。

2007年2月12日(月) 東京宝塚劇場 16:50(頃)開演

公演終了後、緞帳前に宙組組長・美郷真也より千秋楽の挨拶がありました。宙組生の今後のスケジュール紹介のあと、いよいよ卒業生(退団者)へと話題がうつります。下級生から順番に、それぞれ初舞台の年と好きだった公演・役を本人のコメント付きで、メッセージが紹介されました。

今回、宙組東京公演で退団する生徒は、以下の7名です。

貴城けい
紫城るい 

貴羽右京
天翔ゆうり
純あいら 
咲花 杏 
白峰さゆり 

******************************************

16時50分頃、「貴城けい・紫城るいサヨナラショー」開演。

「ケイ・タカシロ、ファイナルステージへようこそ!」という、同じく卒業生の貴羽右京の小気味よいアナウンスで、宙組3代目トップスター、貴城けい&紫城るいのラストステージの幕が上がります。

まずは、サヨナラショーの曲目と、楽曲が使用された公演を書き留めておきます。
(劇場については、本拠地である宝塚大劇場をメインにしています。)

1.Dancing fool (『コパカバーナ』 2006年8月、博多座)

2.コパカバーナ (公演名同じ)

3.アラビアン・ハーレム (『ワンダーランド』 2005年8~10月、宝塚大劇場)

4.ネオ・ヴォヤージュ (公演名同じ、2005年10~11月、宝塚大劇場)

5.She bangs! (『Joyful!!』 2003年1~2月、宝塚大劇場)

6.メドレー1 
・夢燕尾 (『タカラヅカ・ドリーム・キングダム』 2004年11~12月、宝塚大劇場)
・中納言と式部卿宮 (『睡れる月』 2005年3月、シアター・ドラマシティ)
・愛の煉獄 (『アンナ・カレーニナ』 2001年8月、宝塚バウホール)

7.メドレー2  
・リフレイン (『アメリカン・パイ』 2003年6月、宝塚バウホール)
・鈍色の海 (『DAYTIME HUSTLER』 2005年11月、宝塚バウホール)
・歴史のはざま (『ささら笹舟』 2000年4~5月、宝塚バウホール)

8.今 着いたわ (『コパカバーナ』)

9.あなたがいるから (『仮面のロマネスク』 1997年3~5月、宝塚大劇場) 

10.時を超えて (『I have a dream』 2006年9月、シアター・ドラマシティ)

11.奇跡~大きな愛のように~

*******************************************

幕が上がると、ブルーの衣裳に身を包んだ貴城けいが、寿つかさ以下12名の男役と『コパカバーナ』より、「Dancing Fool」を小粋に、ちょっとセクシーに踊ります。本拠地ではありませんでしたが、福岡の博多座で上演されたこの作品が、貴城&紫城のトップお披露目公演でもありました。

続いて『コパカバーナ』より同名の主題歌を、次代の宙組を担う男役たち、大和悠河、蘭寿とむ、悠未ひろ、北翔海莉、十輝いりす、七帆ひかるが銀橋で歌い踊ります。銀橋へと一斉に出てくるところで、蘭寿が腕から肩をぐっとうしろに反らしてリズムをとる振りがあったのですが、ここのらんとむが何とも言えず男前で、はからずもとろりんさん爆死(笑)。ま、まさかこんな所で爆死ポイントが潜んでいたとは…。男くさいわ、らんとむ。

ショー『ワンダーランド』より、アラビアン・ハーレムの再現。純白の衣裳に身を包み、いかにもアラビアのプリンスそのものの麗しい貴城と、同じく純白の衣裳に身を包んだ紫城との悩ましいデュエットダンス。『ワンダーランド』は私も観劇しましたが、それよりも心に残っているのが、このショーと同時上演された『霧のミラノ』。貴城はオーストリア軍将校、カールハインツ役を演じました。思えばこれが、初めて貴城の実力を認識させられ、驚嘆した舞台でもありました。レポの最後で「貴城さんに乾杯☆」と書いているので、かなり記憶に残ったのでしょう。それにしても…いつも歌劇を観ていて思うのですが、なんでアラビア風のダンスって、興奮しちゃうんでしょうねぇ(←あんただけや)。露出度が高いからか?(←おっさん視点炸裂)
『霧のミラノ』と『ワンダーランド』については、こちらのレポをご覧下さい。

カーテン前の銀橋。引き続き紫城が、同期男役の悠未、天羽珠紀、夏大海、珠洲春希とショー『ネオ・ヴォヤージュ』の主題歌をキュートに歌い踊ります。2005年に紫城は月組から宙組へ組替え。この公演が、宙組生としての初めての舞台でした。少し心配していたものの、落ち着いて舞台を勤めているのを見て、安心した覚えがあります。気心の知れた同期生たちと楽しそうに思いっきりステップをふみながら銀橋をわたっていく笑顔の紫城ですが、なんだかエール交換のような感じで、少し切なくなりました。

紫城が退場すると、赤のエリマキ衣裳の貴城が登場。思い出のナンバーをメドレーで歌い上げていきます。「夢燕尾」では、同時卒業の4人がお互いにカップルとなり、美しいデュエットダンスを見せてくれます。『アンナ・カレーニナ』では、準主役でアンナの夫、カレーニンを演じました。私はこの舞台を観劇していませんが、妻の心が離れつつあるのを知って初めて妻への愛に気付き、苦悩する男性の姿を情感豊かに歌い上げる貴城に、その舞台が一瞬だけよみがえったような錯覚を受けました。

メドレー2の最後に歌ったのは、『ささら笹舟』より「歴史のはざま」。この作品は、貴城のバウホール初主演作品。初主演、そして三役を早替わりで演じたということで、貴城自身も非常に思い出深い舞台のひとつとして挙げています。私は歌劇関連の雑誌でこの時の舞台写真を拝見しただけですが、もう本当に、ついついため息のこぼれるような美しい武人姿でした。この時はまさか、この歌のタイトルそのままのような事になるなんて、一体誰が想像していたでしょうか…。などとついつい思ってしまい、切なさがこみ上げました。

いよいよサヨナラショーもクライマックスへとさしかかります。舞台に大階段が登場すると、貴城と入れ替わるように紫城が登場。純白の清楚なロングドレス姿で、『コパカバーナ』より「今着いたわ」を明るく元気いっぱいに歌い踊ります。宙組の娘役ホープ、美羽あさひ、音乃いづみ、和音美桜が加わり、場面を盛り上げます。

基本的に本公演(宝塚大劇場、東京宝塚劇場での公演)しか観劇しない私は一瞬、この歌は『SLAPSTICK』(2002年6月、宝塚バウホール、月組公演)からのナンバーかな?と思いました。この公演は、もともと男役だった紫城が娘役に転向して初めての本格的なヒロインデビューの作品。本人もとても思い入れのある作品だったと聞いていたので…。でも、貴城とのコンビお披露目である『コパカバーナ』から1曲を選ぶというのは紫城らしいな~、と心がほんわかしました。

そして、大階段にふたたび貴城が登場しました。金のラインストーンの飾りが豪華にあしらわれた黒燕尾姿。1997年に新人公演初主役を果たした『仮面のロマネスク』より、クライマックスの芝居を、紫城と再現。大人の色香あふれるこの作品、このコンビで見たかった!!と思われるファンの方は多かったことでしょうね。

執事(声:寿つかさ)「奥様、もうお出かけになりませんと…」
紫城「そっとしておいて…わたしたちの時間よ…」
貴城「もうしばらくしたら、僕もおいとまするよ…」

そして、豊潤な色香に満ちた大人のデュエットダンスが始まります。
貴城「忘れないよ…」

くおおおお、カッコイイーーーーー!!
かしるい(貴城&紫城)で、大人のラブロマンスが観たかったっっ!!
というか、もっともっとこのコンビを観ていたかったーーーーー!!!!
と、ついに控えめにしていた感情が爆発した瞬間でもありました。

涙がこぼれそうになるくらい、しっとりと美しいデュエットダンス。ため息をつきながらも、卒業の時が刻々と迫っていることも意識せざるをえなくて…見ているのが本当につらかったです。

2人の濃密な時間が終わると、曲調は一転して明るくなります。貴城が昨年行ったコンサート『I have a dream』より、「時を超えて」。途中から宙組生全員が舞台上に登場し、笑顔で貴城と紫城を取り囲み、合唱で盛り上げます。この歌詞が、もう本当にこのコンビの事を象徴しているのではと思わせられるくらい、胸にこみあげるものがあります。

♪生まれ変わる日を夢見て めぐり逢える日を信じて 時を 時をさすらう♪
2人はさすらう 生まれ変わる日を夢見て めぐり逢える日を信じて
めぐり逢えたとき 運命が動き始める 今が 今がその時
生まれ変わる日がこの時 めぐり逢える日がこの時 今が 今がその時♪

初舞台以来、約15年を雪組で過ごした貴城けい。昨年、突然の組替えと同時に宙組トップスター就任が決定した時は、おそらく誰もが驚いたのではないでしょうか。(余談ですが、このようにいきなり組替えで他組のトップに就任することを、「落下傘トップ」という言い方をすることもあります)

貴城も初めての組、初めての立場で戸惑い、不安に思うことも多かったことでしょう。その貴城を出迎えたのが、ひと足先に宙組へ移籍していた紫城るい。初めて顔を合わせたはずの2人でしたが、とても呼吸がピッタリで、まるで何年も前からずっと同じ時を過ごしてきたような和やかな空気がありました。

「きっと、このコンビはもっともっと素敵になる」と思った矢先の、1作お披露目サヨナラ発表。歌劇ファンとしても、非常に残念でならない展開でした。

しかし、限られた時間の中で、貴城と紫城が築き上げたトップコンビ像は、時の長さだけでは推し量ることのできない、濃密で充実したものでした。お互いを支え合い、いたわり合い、気遣い合い…。時間が限られてしまったからこそ、「今、この時を大事にしたい」という、おたがいを想う気持ちが深まったのでしょうね。

その姿を見て、宙組生もそれぞれ言葉にならない何かを手にしたことと思います。トップコンビとしての絆は、組んできた時間の長さではなく、共に過ごした時間の密度こそが大事なのだと。
この2人がめぐり逢えたからこそ、「この時」はあるのだと。

とうとう、最後の曲になってしまいました。最初のディナーショーで歌って以来、ディナーショーでは必ずアンコールに歌ったという、さだまさしさんの「奇跡~大きな愛のように~」。

「♪ながいながい坂道のぼるのは あなた独りじゃない♪」という歌声とともに、紫城を強く抱きしめる貴城。これ以上の幸福など存在しない、というあふれんばかりの笑顔で、貴城に身をゆだねる紫城。この瞬間、私にとってこのコンビは「永遠」になりました。本当に、おたがいへの敬愛と感謝の気持ちが、もうあふれるくらいに伝わってきて…忘れられないシーンです。

貴城から静かに離れた紫城が、観客の拍手とともに退場していきました。その紫城の後ろ姿を最後まで優しい眼差しで見送った後、今度は貴城が、宙組生に見守られながら銀橋をわたります。

客席では、あらかじめ用意されていたペンライトが揺れます。1階席から2階席のてっぺんのお客さん全員が一斉にペンライトを揺らすのですから、それはそれは圧巻です。さながら星の野原のよう。サヨナラ公演の千秋楽でペンライトを振ったのは初めてでしたが、本当に幻想的な美しい光景でした。

♪僕は 神様ではないから  本当の愛はたぶん知らない
けれど、あなたを思う心なら神様に負けない
たった一度の人生に あなたとめぐり逢えたこと
偶然をよそおいながら奇跡は いつも近くにいる
大きな愛になりたい あなたを守ってあげたい
あなたは気づかなくても いつでもとなりを歩いていたい♪

♪どんなにせつなくても 必ず 明日はくる
ながいながい坂道のぼるのは あなた独りじゃない♪

ファンへ向けたメッセージなのでしょうが、同時に短い時間を一緒に駆け抜けた紫城への感謝の気持ちも込められているようで、胸が詰まりました。劇場から降り注ぐ万雷の拍手に最後まで笑顔で応える貴城。それぞれの思いを残したまま、サヨナラショーは幕を下ろしました。

*******************************************

本当に最後のセレモニー、舞台上での「卒業式」。宙組生全員が見守るなか、卒業生が宝塚歌劇団の正装でもある紋付袴姿で、学年順に大階段を1人ずつ下りてまいります。組と同期から花束を受け取った後、お別れの挨拶を。(最下級生の白峰さゆりちゃんだけ、既に大階段を下りた後の状況からセレモニーが始まりました。さゆりちゃん、影で大階段下ろしてもらえたのかな?)ひとりひとりが、本当に宝塚が好きなんだな…としみじみさせられる挨拶でした。

花束は通常、組からと同期から用意されます。全体のバランスと卒業生1人1人の個性や、送る側からのメッセージが表現されているように感じて、胸がいっぱいになる瞬間です…花束の色と形状(?)について書き留めておきますね。もし花の種類が違っていたら、すみません……。(登場順)

白峰…ピンクとホワイトの交じったトルコキキョウ
咲花…ガーベラとイエローをモチーフにしたブーケ
純……純白のバラにグリーンをあしらったもの
天翔…百合をとホワイトをモチーフにしたブーケ
貴羽…カラーを一定の長さにして束ねたシンプルでお洒落なブーケ
紫城…ピンクとホワイトのグラデーションが美しいバラをあしらったブーケ
貴城…紫陽花をヘベースに、バラやポピーなどをあしらったハート型のブーケ

最後は、「蛍の光」を合唱。
普通、宝塚のサヨナラ公演では、「さよなら皆様」や「すみれの花咲く頃」など、宝塚定番の曲が歌われることが多いのですが(ちなみに、「さよならー」は公演終了後に劇場内に流れる「追い出しソング」としても定着しています。)、今回は貴城のリクエストという「蛍の光」。宝塚のサヨナラ公演でこの歌が使用されるのは、数十年ぶりだそうです。てっきり「さよならー」か「すみれー」かと思っていたので、少々不意をつかれた感じに。口パクで歌っちゃいました。

アンコールは5回。(だったと思います。夢中で拍手してたのでちゃんと覚えておりません…)
何度目のアンコールか失念してしまいましたが、「幸せです!!これからは、もっっっと幸せになりますっっっ!!!」と大きな声で宣言していた貴城の言葉が胸に響きました。…いや、本当にその通りになってくれないと、歌劇ファンとしてはいたたまれない…。

しかし、最近の宝塚はかけ声が多くなりましたね。さすがに上演中はとがめられますが、サヨナラの挨拶の時にも、こんなにかけ声がかかるとは思ってもみませんでした。けれど、タイミングを考えないかけ声は困りものですね。3回目か4回目のアンコールの時、貴城の音頭で退団者全員で感謝の言葉を述べようとした時…。

貴城「さぁみなさん、いっせーのーで」
卒業生「あ…」
ファン「(思いっきりかぶせて)かしげさーん、ありがとーう!!」
卒業生「あああぁ…?(それぞれ小声で)ありがとうございましたぁー……」

貴城の音頭で、みんなで声を合わせて「ありがとうございました」と言うつもりだったのでしょうね。こういう「間」をわきまえないかけ声は、はっきり言って迷惑です。歌舞伎ファンでもある両刀使いとしては、歌劇でかけ声をかけたいならば、もう少し歌舞伎座の大向こうさんを研究していただきたいところです。

4回目のアンコールは、貴城と紫城が2人並んでご挨拶。この時の会話が、まるで新婚カップルのように初々しくて、素敵でした。

貴城「いやー、それにしても…この短い間に、まさかるいちゃん(紫城)に、こんなに愛し愛される仲になろうとは…思ってもみておりませんでした」
紫城「えー…最後の最後にかしげさんにめぐり逢えて…こんなにかしげさん(貴城)の事を想うことができて…ホントに、本当に幸せでした!」
貴城「男役冥利につきます!……これからも、愛し合います!!」

貴城、何を血迷ったのかいきなり力強く宣言!!思わず赤面する紫城に、大盛り上がりの客席。
……婚約会見でもしているつもりか、君たちは(笑)。

最後のアンコールは緞帳前。
貴城を筆頭に、7名の卒業生がトコトコと楽しそうに並んで出てきました。なぜか、みんなして遠い目をしています。2回目のアンコール時からスタンディングオベーションの渦に巻き込まれた客席を、1階席から2階席までずーーっと見渡した貴城が、卒業生たちに向かっておもむろに一言。

貴城「さぁ、みなさん。今日のこの光景を、忘れないようにしましょう」。
卒業生「はいっっ!」

何だかのんびり、ほんわかしたやりとりに、客席からは温かい微笑みがこぼれます。そして、貴城は今度こそ、本当に大劇場の舞台から消えていきました。緞帳の影に入る間際に熱烈な投げキッスを飛ばし、最後の一瞬までファンを失神させることを忘れることなく…(笑)。

*******************************************

20時30分頃。
多くのファンに見守られながら、袴姿の貴城が東京宝塚劇場の楽屋口から姿を見せました。手には、何本か束ねられた、早咲きの桜の枝!!美しくも散り急ぐように咲く桜の花に、トップスターとしてあまりにも短すぎた貴城の姿が重なりました。貴城は、ファンに向かって深々とお辞儀をすると、何度も何度も手を振りながら、宝塚歌劇団を卒業していきました。

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貴城&紫城が今回このような形で退団にならなければ、おそらくこれほどまでに記憶に残るトップコンビにはならなかっただろうと思います。まるで、春一番のように短い命を駆け抜けたからこそ歴史の記憶にとどめられた、そして、奇しくも貴城にとってトップスターとして最初で最後の役となった、坂本竜馬を彷彿とさせる軌跡でした。本当に、一瞬で駆け抜けていった、という印象です。

でも…やっぱり、たった1作でトップスターを見送るという事は、2度としたくありませんね。トップスターというのは限られた数年間で、いくつかの作品に主演する中でコンビとしての絆や呼吸が醸成されていき、「名コンビ」になっていくのです。その過程をファンは楽しみにしているのですから。

語弊をおそれずに申しあげるなら、貴城けい&紫城るいというトップコンビは、私にとって「名コンビ」ではありません。あえて言うとすれば…「奇跡のコンビ」でした。紫城が男役から娘役に転向していなければ、そして貴城がトップとして宙組に来ることがなければ、2人は出逢うことはなかったのですから。もうこのコンビで舞台を観ることは叶わない今は、ただ、このめぐり逢いに感謝したいと思っています。

宙組の歴史の中で、3代目のトップスターである貴城けい、という存在は、組の土台を固め上げた2代目・和央ようか、そして絶大な人気で次代の宝塚を牽引することを期待される4代目(次期)・大和悠河という2つの山に挟まれてしまった、文字どおり「歴史のはざま」にならざるをえない存在だったのかもしれません。

けれど。
山と山のあいだをぬって涼やかに流れる清流は、みずみずしく清々しい薫風をはこんでくれます。同じように、どんな時でも凛とした姿勢とあたたかい笑顔を忘れることのなかった貴城の存在は、心が洗われるような爽やかな風を宙組に吹き込むものであったと、私は信じています。そして、宝塚の男役は色気や華だけでなく、何よりも「品」が大切なのだと再認識させてくれました。品がなければ、どんな役どころも引き立ちません。

そういう意味で、私は宙組トップスター、そして男役・貴城けいを忘れないだろうな、と思います。そして、相手役の紫城るいと見せてくれた素敵な時間のことを思い出しては胸を熱くするのだろう、と。誰かと一緒に過ごす「時」というのは、やっぱり長さじゃなくて密度なんだなぁ…としみじみ考えさせられました。

最後に、感情の全てを放出させて、心の限り叫びたいと思います。

かしるいーーーーーーーーっっ!!!
短い間だったけど、本当にお疲れさまーーーーーーーーっっっ!!!
ありがとーーーーーーーっっ!!
頼むから、頼むから幸せになってくれーーーーーーーーーーーっっっ!!!

☆ここまで読んで下さった方へ、オマケ☆

ファンの声援に応えるかしげさん。

ボケボケ過ぎて、すみません…。(携帯電話カメラ機能の限界に挑戦)
桜の枝を手に、こちらを向いて手を振ってくれています。

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ラブ

カ、カッコイイ〜(うっとり)。
でももう宝塚で、見ることはできないのですね…グスッ。
う〜ん、抽選にダブルではずれました(;_;)
これはとろりんさんのおっしゃる通り、当日並ぶしか
ないでしょうか…。哀しい。
by ラブ (2007-02-16 08:49) 

★とろりん★

ラブさま、続けてのコメントありがとうございます☆

宝塚に「サヨナラ」はつきものですが、今回ほど、
サヨナラが「悔しい」と感じたのは初めてです…。
貴城&紫城のコンビはもう見られませんが、短い間でも
2人のコンビを見ることができて良かった、と思うことで
自分の気持ちをおさめようとしています。

抽選、外れちゃったんですかぁ~!残念!!
でもね、当日券の方がなぜか良い席が残っていたり
するラッキーもありますよ。せっかくの休日ですが、
早起きしてみてはいかがでしょうか。ファイト!!
by ★とろりん★ (2007-02-16 10:22) 

りえたん

山と山の狭間の谷川・・・涼やかな清流。そうですね。「奇跡のコンビ」。そうかもしれません、本当に。
そして私はにこのコンビには初めて本当の宝塚の美しさ(芸だけでなく、コンビ愛というか、組を包む愛)をみせてもらいました。
「頼むから幸せになってくれ~」全く同じ思いです(T.T)
かしちゃん、るいちゃんのあの笑顔、きっと神様に届きますよね。
絶対もっともっと幸せになってくれると思います。
by りえたん (2007-02-18 01:33) 

通りすがり

かしるい最高でした。
素敵なコンビでした…。もっと観たかったな…。
とろりん様のレポを読んで、あの日を思い出しては泣けてきます。
あったかい千秋楽でしたね。

そして…あの…
サヨナラ挨拶での花束ですが…
貴羽右京さんのお花はカラーです…。
安寿ミラさんのファンの右京さんが、ヤンさんサヨナラの時に
持ってらしたカラーの花束の写真を持って花屋さんに行ったそうなんですが、当日受け取ってみたら予想外に大きくて重たかった、
まるで美容院に写真持って注文したら、全然違うものになったという感じと例えてらっしゃいました(笑)
by 通りすがり (2007-02-19 02:02) 

★とろりん★

りえたんさま
こちらにもコメントをありがとうございます。

>>のコンビには初めて本当の宝塚の美しさ(芸だけでなく、コンビ愛というか、組を包む愛)をみせてもらいました。

本当にその通りだと思います。
「トップコンビあっての組、トップコンビあっての宝塚」ではなく、
「組あってこそ、宝塚あってこそのトップコンビ」というのが、
トップコンビが示すべき姿勢だと、私は思っています。
ここ数年、この意識が希薄だった(と思われる)宙組にとって、
かしるいは組の、宝塚にとってトップコンビのあり方を
気づかせ、再確認させた存在であったと思います。
ショーで見られた「♪I LOVE かしさん♪」「♪I LOVE るいさん♪」
の歌詞は、その事に対する、宙組生のかしるいへの尊敬と感謝、
愛が込められていたのだと思います。

貴城けい&紫城るいというトップコンビが残した記憶は、
決して忘れてはならないと思います。
by ★とろりん★ (2007-02-20 12:45) 

★とろりん★

通りすがりさま

はじめまして。コメントをありがとうございます。
かしるい、ホントに、本当に素敵なコンビでした…。
「奇跡」の歌詞にあるような、大きな愛に包まれた千秋楽でした。
これも、かしるいの人柄のたまものでしょうね。

>>そして…あの…
>>サヨナラ挨拶での花束ですが…
>>貴羽右京さんのお花はカラーです…。

ご指摘ありがとうございます。
そうですよね~、ミズバショウじゃないですよね~(汗)。
レポを書きなぐっていた時には夢中で気づきませんでしたが、
後から読み返して、
「いや…右京さんはミズバショウじゃないんじゃないの…?
ミズバショウは、あんなに伸びひんやろ…」
と、少々不安に思っておりました…。
さっそく訂正させていただきました。
確かに右京さん、アンコールが続くにつれて、
花束をちょっと重たそうに持っていらっしゃいましたね(笑)。
またお越し下さいませね。
by ★とろりん★ (2007-02-20 12:53) 

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