東京ニューシティ管弦楽団 弟50回定期演奏会 「グリーグ没後100年記念 音楽物語”ペール・ギュント”」 [クラシック]
2007年4月26日(火) 北とぴあ さくらホール 19:00開演
【演奏曲目】
・ ノルウェー舞曲
・ ピアノ協奏曲 イ短調
・ 音楽物語「ペールギュント」より 《オリジナル脚本》
(ハルダンゲル・ヴァイオリン使用上演、日本初演)
【指 揮】
曽我 大介
三輪 郁(ピアノ)
鵜木絵里(ソプラノ)
山瀬理桜(ハルダンゲルヴァイオリン)
柄本 明(朗読)
今年は北欧の巨匠、作曲家グリーグが亡くなって100年という節目の年。日本各地でもグリーグを偲ぶ様々な企画が開催予定です。そんな中、東京ニューシティ管弦楽団による定期演奏会「音楽劇 ペール・ギュント」を鑑賞。
今回は50回目という節目だからでしょうか、多彩なゲスト陣です。
日本ではまだ珍しいノルウェーの民族楽器、ハルダンゲルヴァイオリン奏者の山瀬理桜。昨年一世を風靡した漫画から誕生した企画「茂木大輔で聴くのだめカンタービレ」でピアノソロを担当されている三輪郁。そして宮本亜門演出『キャンディード』でヒロインを勤めた二期会期待の星、鵜木絵里と、知る人ぞ知るアーティストがそろい踏み。しかも朗読に俳優の柄本明が出演されるとのことで「これは楽しくなりそうだ」と思い、足を運んでみました。
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東京ニューシティ管弦楽団は1990年に創設されました。日本でいちばん若いオーケストラなのだそうです。確かに1曲目『ノルウェー舞曲』では皆さん緊張がなかなか抜けなかった様子で、なかなか音が伸びずに硬くなってしまった印象があります。音の広がりがあまり伝わってこないような…。
その、硬いままの音楽を伸びやかに弾き出したのが、三輪郁。
2曲目『ピアノ協奏曲』でソリストとして登場しましたが、圧倒的な実力です。第2楽章終了後、私の後ろに座っていたご婦人が、ため息をもらすように「…素晴らしい…」とつぶやいていらっしゃったのですが、その言葉に激しく同意です。時に情熱的で、時に軽やかに、時に神秘的に、変幻自在のテクニックと情感がぐんぐんとオケを引っ張り、その三輪に惹かれるようにオケの音もどんどんダイナミックになっていきました。
誤解を恐れずに申しあげるならば、三輪さんのピアノはなんていうか、すっごい男前なんですよ~(笑)。かなり体育会系です。「さぁ、私についてらっしゃい!!」という感じで、良い意味でオケを追い立てて盛り上げていく。そしてここぞというところではしっかりとインパクトを残す。
さすがに、「伴奏でもソリストでも、聴衆の期待を絶対に裏切らないピアニスト」として名高い三輪さんです。
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第2幕は、グリーグの有名な「ペール・ギュント」を通し上演。
もともと音楽戯曲だったそうで、今回は語りを柄本明、歌唱に鵜木絵里。そしてグリーグの創作意欲に大きな影響を与えたと言われているノルウェーの伝統楽器、ハルダンゲルヴァイオリンも登場。演奏するのは、日本人としてただ1人のハルダンゲルヴァイオリニストとして活躍する山瀬理桜です。
グリーグの「ペール・ギュント」と言えば、「朝」という曲が有名ですよね。あの美少女フィギュアスケート選手、浅田舞ちゃんが05-06シーズンに使用していたのも、「ペール・ギュント」の”朝”でした。
この場は、ソプラノの鵜木さんが絶品でした。「アニトラの踊り」と「ソールヴェイの歌」を独唱したのですが、ふくよかな声が会場全体にまろやかに柔らかく響きわたって、うっとり…。
活気あふれる、とても素敵な演奏会でした!
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