DVD de カンゲキ 陽月華ミュージックサロン 『STAY GOLD』 (1) [宝塚歌劇]
2009年5月21日(木) 宝塚ホテル「宝寿の間」
構成・演出/稲葉太地
演奏/宝塚ニューサウンズ
指揮/太田健
基本的に、カンゲキレポは生の舞台の観劇記録に限っているのですが、これはDVDで鑑賞して、とても素敵なショーでしたので、ご紹介したいと思いまして…。反則技をお許し下さい。
宝塚のスターさんは、退団が決まるとディナーショーを開催することが多いのですが、最近はトップ娘役もディナーショーを開催することが多くなりました。トップ娘役さんによるディナーショーは、「ミュージックサロン」(以下、MS)という企画名が付けられています。
7月5日(日)付で宝塚歌劇団を卒業した宙組トップ娘役、陽月華も、1日だけでしたがミュージックサロンを開催。退団同期となる2番手娘役・美羽あさひと中堅男役スター・七帆ひかるが共演。コーラスに花里まな、天輝トニカ、星吹彩翔、瀬音リサ。
色々な方のブログを拝見していたら、何だかとても楽しそうな気がして…宝塚歌劇専門チャンネル「宝塚・スカイ・ステージ」に加入しているMaoさんに頼み込んで、放映分をDVD録画してもらっちゃいました。ありがとう、Maoさん!あ、月組「ミーマイ」千秋楽と彩乃かなみサヨナラショーと『黒い瞳』新人公演のDVDも貸してくれてありがとう!
一度見た結論から申しあげますと…
ファンの夢をがっちりつかんだ、素敵なショーだわっ!!
商品化、超希望っっ!!
というか、ウメちゃん(陽月)MSだけではなく、これまでのMSをシリーズにして商品化してくださいっっ、歌劇団&TCAピクチャーズの皆さん!!(さりげなく要望書)
以後、やはりファン馬鹿炸裂&超長文ですので、「ごらんなさい ごらんなさい」からお入り下さい。カンゲキレポが存在している公演については、リンクを貼りましたので、よろしければご覧下さい。
陽月をメインに、美羽・七帆と3人の、これまでの宝塚での舞台を振り返る…というシンプルな構成。チラシがまず、素敵ですよね~。スタイリッシュで。
開演前のインタビューで、美羽さんが「リベンジディナーショーなんで!」と力強く宣言しているのですが、まさに、色んな意味でリベンジが果たされたステージでした。
オリジナル曲「STAY GOLD」以外は出演作品からの選曲で、サヨナラショーの豪華版のような印象でもあるのですが、とにかく、ファンのニーズをがっちり掴みきっています。
ファンでなくとも話題になった場面など、「もう一度観たいな~」という場面をほとんど網羅しています。ウメちゃん&演出の稲葉先生、かなりネットでファンの書き込みとかチェックしてるのかしら?と思っちゃうくらい。
曲目は、下記の通り。カッコ内は公演名と上演年です。以下、ちょこちょこと感想を書き留めておきます。
車掌とアメユキ (『イーハトーヴ 夢』 2001年)
アメユキだぁ~!!内外に「新時代の娘役・陽月華」を印象づけた一作です。
この頃、私はまだ学生で、贔屓の組と演出家の作品を選んで観ていたため、この公演は『歌劇』の舞台写真でしか見たことがないのですが、「こんな役どころが似合う娘役さんが出てきたのか」と、とても驚いた記憶があります。
初舞台からのウメちゃんファンには、たまらなく嬉しい再会だったでしょうね~。
アメユキは科白がなく、パントマイムで表現する役どころだったらしいのですが、MSでも科白はなく、ナレーションに合わせてパントマイムを披露。これがまた、キュートで可愛い。
STAY GOLD (オリジナル)
「おおよそ1時間の旅、しゅっぱーっつ!」とアメユキが号令をかけると、いったん暗転。このMSの為に作られたオリジナル曲「STAY GOLD」を、出演者全員が歌います。
こ
の時の衣装がとても素敵!チラシ(トップ画像)と同じく、白シャツに黒いパンツといたってシンプルな格好なのですが、これが「オトコマエ娘役・陽月
華」の魅力を存分に引きだしています。七帆は言うまでもなくカッコ良いし、美羽はこういう衣装は新鮮ですが、とても似合っています。
ちなみにステージ上手には、スクリーンが設置されています。ここに過去の舞台写真が映される演出。
ごらんなさい (『ベルサイユのばら』 2001年)
テーマ曲を素敵にキメた後、ここから3人のコント(笑)が炸裂します。
「ウメは最初から宙組じゃなかったのよね」と美羽に言われた陽月、「いえいえ。共通の思い出があるじゃないですかぁ」次の瞬間、登場したのはなぜか「小公子」のカツラ(笑)。
2001
年に上演された「ベルサイユのばら2001」。星組で「オスカル編」、宙組で「フェルゼンとマリー・アントワネット編」が上演されました。そう、組は違えど3人とも「ベルばら2001」に出演しているのです。ちなみに陽月は小公女/アンドレの少年時代(二役)、美羽は王女役で出演。七帆は多分、小公子の1人として出演していたのではないかと…(ちなみに新人公演ではアンドレ役)。
私が陽月を認識したのは、この『ベルばら2001』の時です。アンドレの少年時代を演じた陽月はまだ研2でしたが、これまでの娘役にはみられなかった颯爽とした舞台姿、しなやかな身のこなしで、短い出番ながらも鮮烈な印象でしたね。
…と、感慨にふけっていたら、話はスター3人による「カツラ生かぶり」へ展開(笑)。へぇ~、カツラって、こうやってかぶるんだ~、と、感心して見てしまいました(笑)。ちなみにいちばん「小公子カツラ」が似合っていたのは、研11・男役、七帆ひかるさんでした。(爆)
ここで、3人でベルばら定番の名(迷)曲、「ごらんなさい」を熱唱。…何とも言えない斬新さです。
ウメちゃん-まさみちゃんラインのつながりですが、2人とも新人公演でマリー・アントワネットを演じているんですよね。ウメちゃんは2005年の星組公演(本役:白羽ゆり)で、まさみちゃんはまさにこの2001年の宙組公演(本役:花總まり)で、アントワネット役を務めました。
You're my lucky star (『ザ・ビューティーズ!』 2000年)
斬新な「ごらんなさい」の後、七帆が勢いよくカツラを脱ぎ捨て、「You're my lucky star」を歌います。この脱ぎッぷりが、たまらなくカッコイイ!!(褒めてます)
『ザ・ビューティーズ!』は、陽月の記念すべき初舞台公演。春野寿美礼さんがロケットボーイの役をしていたので、これはその時に春野さんが歌っていた歌なんだろうな~と想像して見ていました。
You're my lucky star
Beautiful girl
Good morning
Temptation! (以上、『雨に唄えば』 2003年・2008年)
赤いドレスの陽月がロケットのように足を元気よく上げながら登場。デクスター監督@七帆とのコントもあり(笑)。『雨に唄えば』からまず「You're my lucky star」をしっとりと。
この作品、ウメちゃんにとっては様々な思い出があるのでしょうね。2003年の公演は、「陽月華」の存在を鮮烈に印象づけましたし、大和との素敵なコンビぶりが期待された2008年は休演となってしまい…。サヨナラショーでも見ることが出来て、本当に大好きな作品なのでしょうね。
ピンクのドレスを着た美羽のソロ、「Beautiful girl」に乗って、コーラス部隊の花里まな・瀬音リサと軽やかに踊る陽月。こういう優雅な踊りも素敵~。
七帆も登場して、3人で「Good morning」を軽快に歌った後、フィナーレナンバー「Temptation!」の熱いダンスシーン。
この場面は、ウメまさ(陽月&美羽)のデュエットダンスが、すっごく素敵!とても力強くて美しいデュエットです。
中でも、陽月が美羽をリードする振りが本当にカッコイイ!!男役が男役をリードする振りは本公演でよく見ますが、娘役が娘役をリードする振りはとても新鮮で、思わず何度も巻き返し(笑)。スカートさばきも華麗で、見入ってしまいます。
その後、美羽はいったん袖へはけて、ウメえり(陽月&七帆)のデュエットへ(ここも情熱的で素敵)。袖から完璧なタイミングで2人のダンスに合流する、美羽のオトコマエ過ぎる職人技にも感動します。(←マニアック過ぎ)
Where in the world (『ファントム』 2004年)
七帆が新人公演主役を演じた『ファントム』より。この歌、好きだな~。
エジプトは強い~世界に求む (『王家に捧ぐ歌』 2003年)
星を継ぐ者 (『龍星』 2005年)
ゴールドに薄いグリーンのスリーブがついたエキゾチックなドレスで陽月が登場。まずはコーラス部隊の下級生娘役と一緒に「エジプトは強い」をコケティッシュに歌います。
出ました、出ましたよ!!伝説の「すごつよソング」ですよっっ!!!この歌を、ウメちゃんで再び聴く日が来ようとは!!稲葉先生、ぐっじょぶ!!
『王家~』で、ラダメス将軍率いるエジプトがエチオピアとの戦いで勝利した後、銀橋で叶千佳と陽月、女官役の娘役が銀橋で歌った曲なのですが…。
これが、「すごっ、すごっ」「つよっ、つよっ」をひたすら連呼するという、突っ込むことすら忘れるようなすんごい歌詞で、観客の度肝を抜いたのでした。私も客席で唖然としていました(笑)。ちなみにこの時、隣の席でMaoさんも呆然としていました(笑)。
「世界に求む」は、やっぱり良い歌詞だな~。『王家~』新人公演でウメちゃんが演じたアムネリス(本役:檀れい)が自ら女王となった決意として、最後に歌うんですよね。「すごつよソング」と同じ人が書いたとは思えない素敵な歌です。
「星を継ぐ者」は初めて聴く歌ですが、切なくて素敵な歌です。スクリーンには、当時の舞台映像が映し出され、ウメちゃんと、彼女が相手役を務めた柚希礼音(現・星組トップスター)の2人の姿が。こうしてみると、ウメちゃんとれおんくん、星組時代は本当によく組んでいたんですね。
イノセント・ラブ (『エイジ・オブ・イノセンス』 2002年)
分かれ道 (『NEVER SLEEP』 2007年)
陽月が客席から退場すると、黒いドレスの美羽がステージに登場。「イノセント・ラブ」はサヨナラショーでも歌っていましたが、きっと本人がいちばん大切にしている歌なのでしょうね。
続いて、「分かれ道」。マイ贔屓、蘭寿とむが初めて花組から宙組へ移籍後、初めて主演したバウ・日本青年館公演、『NEVER SLEEP』からの一曲です。懐かしいな~…。
しかも、この時まさみちゃんが着ていた黒のドレス…『NEVER~』フィナーレのらんとむとのデュエットダンスでも着ていたドレスですよね…。あの時のリフト、ほんっと~に綺麗だったんだよなぁ…まさみちゃんがらんとむの相手役で、本当に良かったな…としみじみ。
ネズミ
フェット・アンペリアル (『フェット・アンペリアル』 2006年)
「もう行かなきゃ…」とやわらかく歌い終わり、袖へはけようとする美羽を、ベルベットのコートをまとった貴婦人姿の陽月が「まさみさん、まだ行っちゃダメです。少しお話しません?」と呼び止めます。
「どうですか、下級生時代は~?」「私たちが子ネズミだった頃ですね~」という会話から、その名も「ネズミ」という歌を2人で軽やかに歌います。
いつか誓った
舞台の袖で
今に2人で
咲き誇ってみせる
この歌詞に、思わず胸がじ~ん…。本当に2人とも、舞台の上で大輪の花を咲かせてくれましたよね…
美羽がはけると、ひとり残った陽月が「フェット・アンペリアル」主題歌を静かに歌い上げます。この歌もドラマチックで素敵です。
長くなりましたので、今回はここで。後半のレポは、コチラで~す。
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