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君が教えてくれた愛 [宝塚歌劇]

花組大劇場公演、1回目の観劇が終わりました。

取り急ぎ、今回のお芝居を観て感じた事を。

蘭寿とむと花組は、『ラスト・タイクーン』という作品を通じて、最後にして最大の、最高の挑戦をしている、ということ。

いや、蘭寿とむというトップスターが旅立つこのタイミングでなければなし得ない挑戦、と言うべきかもしれません。

今回の作品、蘭寿とむ演じるモンロー・スターは、常に「孤独」で「孤立」していながら、そのことを気にも留めず立ち続ける「孤高」の存在。そして、蘭寿に対して、明日海以下、若手の男役たちはほぼ全員、蘭寿と対立します。

勿論、アシスタント・プロデューサーのボルビッツ(月央和沙)、昔馴染みのカメラマンのザブラス(悠真倫)、親身に心配してくれる医者のベーア(天真みちる)、小説家のボックスレー(華形ひかる)、あくまで中立・傍観の立場をとるマーカス(高翔みず希)など、モンローの人間性を理解する人々はいます。しかし、それ以外の―明日海以下、若手の男役たちは、ほぼ全員が一時は蘭寿に敵対し、蘭寿を憎み、蘭寿と衝突する。個々の対立もあれば、蘭寿ひとりに対して大人数で挑みかかかり、衝突する場面もあります。

蘭寿はただひとり、彼らの荒ぶるパワーのかたまりを全身で受け止め、彼らと対峙し、遠慮なく反撃します。

この、本気のせめぎあいを通じて、「蘭寿とむの花組」というひとつの物語がいよいよ完成するのだ、と思ったのです。

「玉を磨く」という言葉の通り、「残される者」と「残していく者」がぶつかり合い、研磨しあう。その摩擦によって、ひとつの物語―トップスター蘭寿とむの花組時代―が完成し、ついに最高の輝きを放つその瞬間を目の当たりにしているようで、心が震え、涙が零れました。

そしてこの本気のぶつかり合いは、蘭寿と花組生の間に流れる揺るぎない信頼と深い愛情に裏打ちされているからこそ、成し遂げられるものだと言うことも。

「映画を作り上げる」というストーリーを通じて、「蘭寿とむの花組」というストーリーを完成させる。最後にこんな素敵な挑戦とプロセスを用意してくれた生田先生、感謝します。


* * * * *


ショーは、とにかく楽しかったー!!ヾ(*≧∀≦)ノ

吟遊詩人から始まり、あまり観たことのない(ような気がする)イエローの総スパン衣装、肩羽根わさわさならんとむ、毛皮のらんとむ(もしくは人外の者らんとむ)、スパニッシュならんとむ、王子様(本職は騎士)ならんとむ、シルクハットのらんとむと、トップになってからの本公演ではなかなかお目にかかれなかったらんとむをたくさん堪能出来ました☆

そして、想像以上に存在をアピールしてくる別緞帳の「∞」に、若干戸惑いを隠しきれませんでした(笑)。あ、あんなに大活躍するとは予想外…。

フィナーレの黒燕尾の群舞は、圧巻です。

その逆ピラミッドの頂点に立つ、蘭寿とむ。全てを削ぎ落とした者だけが身にまとう凄みと透明感。胸が熱くなって目頭も熱くなって、ただ、押し寄せてくる感情に身を任せました。

これから2ヶ月の間、どれだけ感情が揺さぶられ、どれだけ魂を震わせられるのでしょう…でも今は未来の事を思わず、今、目の前に広がる無限の愛の世界に身を委ねようと思います。


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夜野愉美

初観劇&お誕生日おめでとうございます!
新しい1年もたくさんのカンゲキに出会えますように!
そして、卒業のその日まで、蘭寿さんへの愛を叫びまくってください!楽しみにしています∞
by 夜野愉美 (2014-03-10 20:35) 

茶とんび

連投失礼いたします。
いつものことながら 私には見えていなかったものが さささーーとカーテンが開かれ見えたような気が致します。
何度か観劇し 見るたびによい作品だったなという後味が残るようになった理由はなぜだろうと考えた時に 個人エネルギー×人数分=総力 という単純計算では回答は得られませんでした。
ありがとうございます。
とろりん様の 深く透き通った かつ個人の情に流されない眼差しが好きです。
(あ、でも時に流されてくださいね!)
by 茶とんび (2014-03-10 22:59) 

★とろりん★

夜野さま

嬉しいバースデーメッセージ、ありがとうございます。

夜野さまの記事で「∞」について予習していたから良かったものの、何も知らずに観ていたら爆笑しすぎて蘭寿さんを見落としていたかも知れません。ありがとうございました。

はい、その日まで、熱苦しさを通り越してうっとうしいくらい、蘭寿さんへの愛を叫ぶと思います。遠くから半笑いでお見守りいただけたら幸いです(笑)。
by ★とろりん★ (2014-03-12 09:12) 

★とろりん★

茶とんびさま

連投コメント、ありがとうございます。
バースデーメッセージも頂戴して、とても嬉しいです。

感じたことを思いついたままに書いた記事ですので、読みにくいかと思いますが…。ひとつの芝居の中で、「衝突」と「破壊」、そして「(再)建築」と「再生」が巧く表現されているな…とも思ったりしました。

>>とろりん様の 深く透き通った かつ個人の情に流されない眼差しが好きです。

え!?ワタシ、かなり情に流されまくっている、かつ偏っていると思うのですが…基本的に蘭寿さんロックオンですし(^-^;)。

でも、そのような言葉をいただけると、本当に嬉しく、有り難く思います。これからも宜しくお願いいたします。
by ★とろりん★ (2014-03-12 09:22) 

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