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読書の秋 中間結果報告 [Books]

「カンゲキの秋」だけでなく、「読書の秋」も宣言したからには、
久しぶりにじっくり読書するのも良いかな~、と思い立ち、
早速仕事帰りに「自遊時間」に立ち寄って、本を物色してみました。

一応『古事記』や『日本書紀』もチェックしてみたのですが、
読みやすそうな者が揃っていなかったので、今回は断念。
(大きな本屋さんで見てみようっと)

本を買う時は、タイトルで気になったものを選ぶことが多いのですが、
その時話題になっているものもチェックします。
そして気が付けば、かなり調子に乗って買いまくってました…。

今のところ、こんな本を読みました。
調子に乗りすぎたせいでまだまだ残ってるので、中間結果報告(笑)。

功名が辻〈2〉

功名が辻〈2〉

  • 作者: 司馬 遼太郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2005/02
  • メディア: 文庫


いや~、久しぶりに長編歴史小説を読んだので、疲れました(苦笑)。
ご存じ、来年の大河ドラマ「功名が辻」の原作本です。

激乱の戦国時代、織田・豊臣・徳川という3人の実力者の間を
「律儀」という長所だけを生かして見事に泳ぎ切り、
後に土佐藩主として大成した山内一豊と、内に入り外に入り
彼を支え続けた妻、千代の姿を描いた歴史小説です。

戦国時代~江戸幕府開祖までの約50年を流れるような筆致で描くと同時に、
その時代を真摯に生きた一豊・千代夫婦の絆、そして彼らを取り巻く人々との
交流を、軽快に温かく見つめています。

ヒロイン・千代の賢さと頭の回転の速さには舌を巻くばかりです。
その賢さを決して鼻にかけることなく、可愛らしさでオブラートに
包んでしまうあたり、かなりデキる女性です。
千代が無邪気な笑顔で豊臣方の女官や家臣をやりこめてしまう
場面はもう、読んでるだけで痛快な気分になります。

千代にとって、何よりも得難い長所が、ひとつの目的に向かって
まっすぐ突き進む意思の強さ、そして、将来の目的を達成するために
今、自分が為すべき事は何かを見抜く、鋭い洞察力。
そして、自分と夫の生き方を信じ、「必ずできる」と、
無条件に自分を信じる明るさは、見習うべき所だと思います。

自分が女性だからと言うこともあって、やっぱり視点が千代の方へと
移ってしまうのですが、女性として学ぶべき処世術もたくさん発見できます。
「ああ、こういう時は、かえってこういう風にふるまえば良いのか…」とか。
現代風に言うと、「幸運体質の作り方」とでも言いましょうか(笑)。

司馬遼太郎の文章は、軽快なタッチながらも、時折さりげなく、
人生観や人間としての生き方についてのヒントがさらりと書いてあって
目を見開かれるような発見があります。

ヴァイオリニストの音楽案内 クラシック名曲50選

ヴァイオリニストの音楽案内 クラシック名曲50選

  • 作者: 高嶋 ちさ子
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2005/10/15
  • メディア: 新書


ヴァイオリニスト、高嶋ちさ子さんのよるクラシック名曲選。
交響曲・管弦楽・オペラ、などなどのカテゴリーに分けて、
高嶋さんお薦めの名曲が紹介されています。

高嶋さん自身による曲目の説明、作曲家についての豆知識や
コメントがふんだんにちりばめられていて、とても読みやすい。

名曲は多くの指揮者や音楽家によって演奏されているので、
どのCDを買えば良いの…?とならないよう、ちゃんと工夫もされています。

必ず毎曲ごとに、ページ左上に「この一枚」というコーナーがあり、
この曲を聴くならこの人指揮の、このフィルハーモニーの…と、
いうお薦め版も紹介されているのです。
CD屋さんに行ってもあまり迷子にならないような素敵な工夫が
されているのは、音楽家ならではの視点ですね。感謝♪

クラシック初心者の私でもスイスイと読めてしまいました。
文体のタッチが、おこがましくも何だか私と似ているような気がします(笑)。
結構ひとりよがりな所もあったりするんですけど(苦笑)、
必ず「へえ、そうなんだ~」と思わせる文章が入っていたりね。

1つだけ、ちょっと、いや、かなり気になったのが…。
…高嶋さん、絵文字使いすぎです…(苦笑)。

命の器

命の器

  • 作者: 宮本 輝
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/10
  • メディア: 文庫

日テレ系「恋のから騒ぎ」初代お姉さんの島田律子女史も
バイブルとあがめる、宮本輝のエッセイ集です。

宮本輝は、「しゅう&しゅうコンビ」(山本周五郎&藤沢修平)に続いて、
私が好きな作家の1人です。ちなみにお気に入りの作品は、
『花の降る午後』、『草原の椅子』、『ドナウの旅人』。

日本女性特有の、たおやかさとしたたかさを併せ持つ女性を描かせたら、
この人の右に出る者はいないと思います。

これは、作者がこれまで新聞や雑誌に連載してきたコラムの数々を
つなぎ合わせて編集されたような1冊ですが、その作業の中で
はからずも浮かび上がってきた作者自身の半生を振り返る自叙伝的な要素が
根幹を形成しています。

私が好きな一編は、「命の器」の項と、「確信」の項です。

出会いとは決して偶然ではない。自分という人間を形成する核
-筆者はそれを「命の器」と呼びます-を共有する人物と結びついていく。
どんな人と出会うのか、それは自分の「命の器」次第なのだ、
と、出会いの本質を説く「命の器」の項。

競馬選手の言葉から実感した、「気魄」と「確信」が人生にもたらす
可能性について考察する「確信」の項。

この本は11月の初旬に読んだのですが、そのころちょうど
個人的に色々あって、かなり人生落ち込みモードだったんですね。
読んで、「ああ、そうなのか、そう言うことなのか」って納得させられました。
自分の今の状態を、素直に受け容れられたような気がします。

詳しくは…本屋でご覧ください(笑)。

生協の白石さん

生協の白石さん

  • 作者: 白石 昌則, 東京農工大学の学生の皆さん
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/11/03
  • メディア: 単行本



調子に乗って買ってしまった本の筆頭が、この1冊(笑)。

東京農工大の掲示板から始まった一大ムーブメントが、ついに書籍化されました。
その発端となったのが、コチラのブログ。→ http://shiraishi.seesaa.net/

東京農工大の生協に、実際にご勤務されている白石さん。
彼の仕事は、「生協に、あの商品を入荷して欲しい」などの要望への返答を取り扱う
「ひとことカード」への返答。(その他にも職員として多くの業務をこなされております)

そんなひとことカードと、白石さんの返答で構成された1冊です。

この「ひとことカード」に対する、白石さんの返答が実にユニーク、かつ洒脱軽妙。
それでいて要望に対しては、的を外す事無く、まさに的確な返事をなさいます。

個人的に好きなのは、「牛を置いて」という要望に対する返答と、
「あなたをください、白石さん」という要求に対する返事、
そして野球チップスカードをめぐる攻防の数々(笑)。

折々に白石さんのお話(ご自身の半生?から、「生協」で働く事について、等)
が織り交ぜられているのですが、これがなかなか面白い。
「『売れる』かどうかは、売り手ではなくお客さんが決める事」などなど、
なるほどね~、とついつい頷いてしまいます。

ちなみに現在も白石さんのひとことカード返答業務は続行されていて、
上記のURLでのぞく事が出来ます。
最近は、「娘さんをください」という要望に対して、ナイスな返答をされています。

*****

約10日間でこれだけの本を読破したのも、久しぶりだな~…。
まだまだ本は残っているので、頑張って読みこなして、またご報告したいと思います!


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カオリ

「功名が辻」おもしろそうですね!
時々、こってりと長い長編を読みたくなります。
by カオリ (2005-11-12 22:08) 

★とろりん★

カオリさん、いつもご来訪ありがとうございます。
いよいよ次は「春の雪」に挑戦しようと思います☆
by ★とろりん★ (2005-11-14 21:02) 

Bloking

はじめまして!
突然の書き込み失礼いたします。

この度、ブログのランキングサイトがオープンいたしました。
  【ブログランキング Bloking】http://bloking.jp
まだオープンしたてのサイトですが、貴サイトのアクセスアップに
貢献できればと思っております。

誠に勝手ではございますが、是非とも参加していただければ幸いです。
末筆ながら、貴サイトの益々のご発展をお祈りしております。
by Bloking (2005-11-16 19:14) 

桜井@書庫~30代、女の本棚~

はじめまして。
「命の器」を読んだので、TBさせて頂きました。
by 桜井@書庫~30代、女の本棚~ (2005-11-27 01:02) 

★とろりん★

桜井様、はじめまして。
TBありがとうございます。
宮本輝は学生時代から好きな作家の1人です。
彼の作品は、恋愛をモチーフにしながらも
「人としてどう在るべきか」という普遍的なテーマが
常に根幹に流れていますよね。
「読書の秋 最終結果報告」も近日中にアップ予定
(予定は未定)ですので、どうぞまたお越しください☆
by ★とろりん★ (2005-11-29 10:28) 

桜井@書庫~30代、女の本棚~

今、新しい作家さんを開拓中です。
また伺いますので色々勉強させてくださいね。
by 桜井@書庫~30代、女の本棚~ (2005-11-29 19:58) 

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