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チ・ボラグ & 姜建華 悠久の旋律 [ワールドミュージック]

2006年3月23日(木) 横浜市旭区民文化センター サンハート 18:30開演

【出演】

・ チ・ボラグ  (馬頭琴)
・ 姜 建華   (Jiang Jianhua ; 二胡)
・ 西村 和彦 (ピアノ)

【プログラム】

第1部 
光明行 / シルクロード / 空山鳥語 / 競馬
愛の挨拶 / リベルタンゴ / チャルダッシュ

第2部
ケレルン河 / アルタイ山 時の彼方へ / 心の詩
スーホの白い馬 / 深い川 / 鳥の歌 / 万馬のとどろき

草原情歌 / さくら さくら

*****

サンハートは相鉄線「二俣川」駅すぐの駅ビルの中にあるホールです。
二俣川には旭区スポーツセンターがあり、フットサルで訪れたことがあるのですが…
いつ行っても遠いですね…(苦笑)。
相鉄線急行なら横浜から1駅ですが、特急なみの駅の追い越しっぷりです。

さて、今回は以前にもチラリと登場された馬頭琴のチ・ボラグさんと
二胡の姜建華さんのデュオコンサート。
それぞれ、アジアの代表的な擦弦楽器(弓で弦をこすって音を出す楽器)である
馬頭琴と二胡については世界最高峰と言われる2人の共演です。

***

コンサートは2部構成。
第1部は姜さんのソロステージ。
二胡の代表曲とクラシックの名曲を両方楽しめるプログラムです。

姜さんの演奏は、緻密な技術力とダイナミックな表現力を兼ね備えていて、
いつ聴いても圧倒的なパワーがステージからあふれてきます。
初共演と言うピアノ伴奏者との呼吸が少し合っていないように感じられたのが残念でしたが、
「空山鳥語」や「競馬」で見せる超絶技巧、「チャルダッシュ」、「リベルタンゴ」の表現力は
お見事と言うほかありません。

「空山鳥語」では、数種類の鳥の鳴き声を二胡で奏でてみせるんですよ。
しかも、信じられないくらいのリアルさです。

私の前の席に小学生低学年の男の子が座っていたのですが、
この曲の演奏中に、びっくりしたようにキョロキョロし始めたんですね。
どうやら、会場に本物の鳥がいると思ったらしいのです。
しばらくの間、不思議そうな顔で会場中をキョロキョロと見回していました。
カワイイ~~♪

丁寧な、心のこもったMCも、会場を和やかな空気に包んでいました。
姜さんは12歳の時、初めてボラグさんの演奏を聴き、「これこそ本物の芸術だ」
と驚嘆されたそうです。

***

第2部はチ・ボラグさんのソロステージ。
中国では国家一級演奏家に認定され、「馬頭琴大師」との称号も持つ
ボラグさんの演奏は、お腹の底に深く響くような、大地を感じさせる力強さです。

馬頭琴の故郷、モンゴルは3つの地域に区別されます。
モンゴル国、そして中国の内モンゴル自治区、ロシア共和国下にあるブリヤート・モンゴル。
そしてこの3つの地域によって、馬頭琴の形や大きさも少しずつ違ってくるんだそうです。

「アルタイ山 時の彼方に」は、現在中国で制作中のドキュメンタリー映画の
テーマとして作曲されたそうです。ボラグさんの半生を追った作品だそうで、
その撮影でアルタイ山を訪れたときに、自然に浮かんできたメロディーなのだとか。
モンゴルの民にとって、アルタイ山は心のよりどころでもあるのですって。

どの国でも、それぞれの心の故郷のようなシンボルがあるのですね。

そして馬頭琴と言えば、やっぱり「スーホの白い馬」ですよね!
今は小学校2年生の国語の教科書に掲載されているそうです。

この曲はボラグさんの作曲なのですが、ちょっとした逸話が。

「スーホの白い馬」を通じて、ボラグさんと横浜市内の小学校は交流を続けており、
ある日、小学生に「『スーホの白い馬』には、曲はないんですか?」と聞かれたそうです。
ボラグさんは、「もちろんあるよ。今度聴かせてあげるね」」
と答え、次の交流会までに大急ぎで作曲したのだそうです。

そんな子ども好きなボラグさんの作曲した「スーホの白い馬」。
スピーディーでスリリングで、短い命をスーホの為に駆け抜けた白い馬の
一生が凝縮されたような調べでした。

「万馬のとどろき」は1979年、中国建国30周年記念芸術コンクールで
演奏部門1位、作曲部門2位に輝いた名曲。
ここで、本日のスペシャルゲスト登場!!
ボラグさんの息子さんで、同じく馬頭琴奏者のチ・ブルグッドさんです!

この曲では、圧倒的な馬頭琴の迫力を堪能しました。
ものすごく激しい動きで弓を小刻みにこする奏法があったのですが、
ブルグッドさんは左右に動かしているのに対して、
ボラグさんは細かく回転させるような動きで弓をこすっていました。
おお!!馬頭琴大師の真骨頂、ここに見たり!!

***

最後はボラグさんと姜さんとの共演で、「草原情歌」と「さくら さくら」を演奏。
年齢やジャンルを超えて、お互いに最高の芸術家として尊敬し合い、認め合っているのが
伝わってくる、緊張感のありながらも温もりのある素敵なデュオでした。

*****

横浜から少し離れた場所でしたが、会場は満員御礼の札止め。
その上こんな豪華な組み合わせでプログラムもゴージャスで、
二俣川に住んでいる人は本当に幸せだなあ、としみじみ思った夜でした。



今日のお星さま・・・★★★☆☆ (アジアの風に乾杯☆でもやっぱり遠い>苦笑)

スーホの白い馬―モンゴル民話

スーホの白い馬―モンゴル民話

  • 作者: 大塚 勇三, 赤羽 末吉
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 1967/10
  • メディア: -


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