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アド・ミュージアム 東京(ADMT) [お散歩]

「広告は時代の合わせ鏡」。

よく聞く言葉ですが、この言葉を丸ごと体感できるスポットがあります。
それがココ、「アド・ミュージアム 東京 (ADMT)」。



『クレイジー・フォー・ユー』観劇前に、浜離宮の名残桜を見物しようと
汐留に向かったのですが、タイミング悪く、春の嵐に遭遇してしまいました。
「辻利」の抹茶ソフトを味わいながらカレッタ汐留をブラブラしていて、
偶然見つけたのがこの広告博物館です。さすが電通ビル。

***

「アド・ミュージアム 東京」(ADMT)は、戦後日本の広告業界を牽引した
電通4代目社長、吉田秀雄の生誕100年を記念して、2002年に開設されました。

江戸時代から現代にかけて、日本の広告の歴史が体系的に紹介されています。
併設の「広告図書館」は、日本唯一の広告専門の資料館です。
13万点を越える広告資料がデジタルデータ化した上で保存されており、
いつでも検索と閲覧が可能になっています。

偶然見つけ、昔のポスターなどに興味があったので「わぁ、面白そう~」
と気軽な気持ちで入ったのですが、これが想像以上に楽しい冒険でした☆

***

まずは、広告の魁とも言える江戸時代から。
まだまだマス・コミュニケーションの手段には制約がありますが、
商業文化が一斉に開花したのもこの時代です。
この頃、「広告」は「ひろめ」と呼ばれていました。

この「ひろめ」として一番分かりやすい方法が、
お店の軒先につられていた看板です。
酒屋さんの杉玉などごらんになった事がある方も多いでしょう。

その後、チラシと同じような役割を持った「引札」なども登場し、
また錦絵や浮世絵などに店名や商品名がさりげなく描きこまれることによって、
広告活動が徐々に展開されていきます。




こちらは「駿河町越後屋店頭美人図」という題名のついた錦絵。
越後屋というと、現在の三越百貨店の前身ですね。
後に並ぶ女性たちの後ろには、井桁に三の字を染め抜いた暖簾がいっぱい。
そう、この錦絵は越後屋の広告になっているのです。

そしてこの時代、広告戦略にひときわ大きな役割を果たしていたのが、
なんといっても、多くの庶民から愛されていた歌舞伎です。

今でも歌舞伎十八番『外郎売』などにその名残が見受けられますが、
当時は口上や何とお芝居の途中でも、商品やお店を、役者が宣伝していたことも
あったようです、まるでテレビのワイドショーで時々見られるスタジオCMみたいですね。

もう1つ驚いたのは、いわゆる「ポイント制」が、この時代から考え出されていたこと。
あるお店では、そのお店の包装紙を10枚集めると、人気役者の直筆サインが入った
団扇をプレゼントしていたという記録が残っています。
こんなんだったら、何が何でも集めちゃいますよね~~!!

江戸時代は、まさに日本の広告文化の礎だったのですね。

***

続いては明治から大正、そして昭和から現在にかけて、
日本の世相と広告文化の変容が分かりやすく展示されています。

明治~大正にかけては、印刷技術が格段に進歩したため、
新聞とポスターが広告ツールの主流となりました。
特に百貨店や化粧品会社のポスターは斬新でモダンなデザインと
豊かな彩色センスを感じさせる作品が続々と並びます。

「三越呉服店」ポスター


ちょっと驚いたのですが、この豊富な彩色は昭和へ続き、
戦時中の戦意高揚のためのポスターにも受け継がれています。

特に棟方志功によるポスターは、明らかに当時の米国大統領、ルーズベルトと
英国首相、チャーチルを思わせる人物の上に爆弾が落とされるという衝撃的なものですが、
棟方独特のふんわりとしたタッチと色彩で、生々しさを全く感じさせません。
かえって戦時中にこんなペーソスとユーモアをうかがわせるポスターがあったのか…
と、思わず感心してしまいます。

***

終戦後は、年代事に時代を先取りした広告作品が陳列されており、
「あ、見たことあるー」とか、「うわー、これ懐かしいー」と、
まるでその時代にタイムトリップしてしまったような楽しい錯覚を体験できます。
また、モニターブースでは1950年代から現代を4つの年代に区分し、
その当時話題を呼んだラジオCMやテレビCMを閲覧することもできます。

松田聖子の声に合わせてペンギンが歌う、サントリービールの
「ペンギンカサブランカ編」(1983年オンエア)のVTRを見た日にゃあ、
「うおおおお、懐かしーっっ!懐かしすぎるーーーっっ!!」
と叫んでしまうことうけあいです(笑)。

公共広告機構(AC)のCMも、深い内容で思わず見入ってしまいます。
栗山千明ちゃんが出演している今のCMも好きです。真っ直ぐ心に響いてきますよね。
「あなたが大切だ」って、誰か私にも言ってくださーい(笑)。

***

館内には広告作品と合わせてちょっとしたモザイクのようなオブジェがあります。
これは、20世紀を10年単位に区切り、その各時代を象徴する商品やポスター、
チラシなどをパッチワークのように展示されています。
その時代の世相や移り変わりを視覚的にとらえることが出来るように工夫されています。

ここでとろりんさん、めざとく大発見!
何と、「CATS」日本初演時のプログラムがーーーっ!!

思わず手すりにしがみつき、身を乗り出さんばかりにして
「あれ(←プログラムの中身)見たいっ、絶っっっ対に見たい!!見たいいいい!!!」
と、1人じたばた大興奮。
「絶対無理だから」と、一緒に回っていた友人にたしなめられてしまいました(苦笑)。

*****

ちょっと見るだけ…のつもりが、いつの間にか思いっきり堪能しておりました(苦笑)。

様々な広告作品や映像を楽しみながら、「ああ、この当時はこんなことがあったなぁ」とか、
「ちょうどこの頃、私はこんな事があったっけ」と、懐かしい気分に浸れます。
これだけたくさん満喫して、たくさん遊ぶことができて入場無料というのも、嬉しいトコロ♪

四季劇場「海」で『オペラ座の怪人』をご観劇の際には、ぜひぜひ足を伸ばしてみてください。

■ アド・ミュージアム 東京 (ADMT) ■

カレッタ汐留B1-B2階
03-6218-2500
http://www.admt.jp

開館時間
平日   11:00~18:30
土・祝日 11:00~16:30
(最終入館時刻はそれぞれ30分前)

休館日
日曜日・月曜日(祝日や振替休日の場合は火曜日)


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