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ダン・ブラウン 『ダ・ヴィンチ・コード』 [Books]

ダ・ヴィンチ・コード(上)

ダ・ヴィンチ・コード(上)

  • 作者: ダン・ブラウン
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/03/10
  • メディア: 文庫

*****

何よりも寝る事に無上の喜びを感じるとろりんさんですが、数年に一度、
そして何十冊に1冊の割合で、寝食も惜しんで一気に読んでしまう本に出逢います。
「大地の子」、「嵐が丘」などなど…。
いやぁ、数年ぶりに寝食を忘れて、一気に読み切ってしまいました。

と、言うわけで「ダ・ヴィンチ・コード」。

昨夏、「英国上院議員がバカンスに持って行こうと思っている本ランキング」
でも見事1位を獲得した、世界的ベストセラーです。

もともと、5月はじめに封切りされる同名の映画に、ちょっと気になる役者さん、
オドレイ・トトゥ(「アメリ」)とジャン・レノ(「レオン」)が出演しているということで、
「映画観たいな~、じゃあその前に原作を読んでおこうかな」
と思っていたのですね。(と言うことで、カテゴリーとしては「映画」に入れたわけです)

そこへ、同僚・M本氏が文庫本(上・中・下巻)を揃えて購入したという情報を入手。
まずは上・中巻を貸してもらったのがきっかけ。

サスペンス小説や推理小説は元々苦手なので、(トリックが全く分からない>苦笑)
時間がかかるだろうな~と思って、とりあえず上・中巻だけを借りたのですが、嬉しい誤算。
読み始めると止まらなくなり、何と2冊分リードしていたM本氏に、
またたく間に追いついてしまいました。

クライマックスが待ち遠しいとろりんさん、締め切り直前の作家に迫る編集者のように
M本氏にまとわりつき、「下巻読んだ?読んだ?ねぇ、読み終わった?」と、催促。
おしまいにはM本氏への朝の挨拶が「読んだ?」、退社の挨拶が「早く読んでね」になる始末。
とろりんさん、追いつめ過ぎです(苦笑)

この、あまりに執拗な追撃にM本氏もとうとう堪忍袋の緒がキレたらしく、
おしまいには「下巻は自分で買え!」と叫んでいました(笑)。
(でも頑張って読了してくれたらしく、下巻もすぐに貸してくれました。さんきゅー☆)

【あらすじ】
フランス・パリ。
深夜のルーブル美術館で、館長が何者かに殺害されます。
しかも、床には不思議なメッセージが残され、死体はレオナルド・ダ・ヴィンチの
作品の中でも有名な素描「ウィトルウィウス的人体図」を模した姿で横たわっていました。

偶然パリに滞在していたハーヴァード大学で宗教象徴学を研究する学者、
ロバート・ラングドンは、フランス司法警察に捜査協力を求められます。

一方、フランス司法警察の暗号解読官で館長の孫娘であるソフィーは
死体の写真を見て、祖父が自分にしか分からないメッセージを残している事に気づきます。

自分が館長殺害の第一容疑者とされていることを知ったラングドンは
ソフィーの機転で美術館を抜け出し、潔白を証明するために彼女とともに
残されたメッセージを解読することになります。しかし、幾重にも続くメッセージを
受け取り、探求を進めるうち、ラングドンとソフィーは、ただの殺人事件では終わらない、
歴史の真実と向き合うことになります。

第一容疑者であり、逃亡者のラングドンとソフィーを追うフランス司法警察。
しかし、2人を追いつめようとしているのは、彼らだけではありませんでした…。

*****

とにかく興奮しながら読んでいた、という感じです(笑)。

1節ごとにどんどん急展開していくので、本が閉じられないのです。
「ここ読んだら寝ようかな~」と思ったところでいきなり重要人物が登場したり、
順調だったはずの展開がいきなりピンチを迎えたりして、本を閉じさせてくれません(笑)。

物語はサスペンスを縦軸に、キリスト教の歴史に対する新しい解釈を横軸に構成されています。

実在する建物や組織、絵画、美術品の話とフィクションが絶妙のバランスで絡み合っており、
その完成度は非常に高く、読む人をぐいぐいと惹きつけて離しません。
世界史、特にヨーロッパにおけるキリスト教の歴史や現在の動きについても
大まかに織り込んであるので、世界史に通じていなくても大丈夫です。

その上でダ・ヴィンチの作品に残されている謎が著者の視点で解明され、
キリスト教の歴史に対する新しい解釈も加えられており、それが事実かどうかは別として
「へぇ、こんな解釈の仕方もあるんだ~、ほぉ、そういう見方も出来るのか~」
と、感心させられます。

この物語を通じて私が強く感じたのが、「絆」の深さと強さ。
家族であったり、「信仰」によって結ばれた者達であったり、
その形は様々ですが、何ものにも代え難く、深く強く結びついているのですね。

物語の鍵を握る2つの「絆」。
ソフィーと祖父、そしてカトリック系組織「オプス・デイ」の司教と信者。
彼らの絆は、ある出来事がきっかけで断ち切られてしまったり、ねじれてしまったりするのですが、
最後に光明を見いだすのも、それぞれにつながる強い「絆」なのです。
特に「オプス・デイ」の2人には誰も予想していない結末がっ…。 (ネタバレ警報発令)

物語のラスト、ついにラングドンは全ての謎を解き明かしますが、
鍵はソフィーの幼い頃の思い出である祖父との「ゲーム」につながっているのです。
その巧妙さと緻密な構成には、思わず感服してしまいます。

***

今から5月下旬公開の映画が待ち遠しいです。
映画公開に先駆けて今月末より「ダ・ヴィンチ・コード展」というのも
六本木であるらしいので、行ってみて気分を盛り上げようと思います(笑)。

■ ソニーピクチャーズ公式映画サイト ■
http://www.sonypictures.jp/movies/thedavincicode/

■ ダ・ヴィンチ・コード展 ■
http://www.davincicodemuseum.jp/
2006年4月27日(木)~6月23日(金)
森アーツセンターギャラリー[六本木ヒルズ森タワー52階]


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コメント 5

★とろりん★さん、こんにちは!

遅ればせながら文庫本を読みました。もともと
読むのは早い方ですが、最速記録を更新したかも。
プロデューサーズを観に行ったら、予告編をやって
いて、本の場面とリンクして興味深かったです。

ダ・ヴィンチ・コード展も本当に楽しみですね。
by (2006-04-13 01:22) 

ラブ

映画の方を見に行きたいなぁ…と思っていましたが、先に
原作を読んでおくのもよいですね。
そんなにおもしろいんだぁ…。さすが、ベストセラー!
by ラブ (2006-04-13 08:24) 

★とろりん★

★ハンナさん、こんにちは!
もう映画館では予告編をしていたのですね~。
トム・ハンクスのラングドン役は似合っていると思います。
情景が頭に浮かんでくるように描かれているので、
内容もスッと頭に入ってきますよね。映画が待ち遠しいです。

★ラブさん、こんにちは!
私も最初は映画が見たいと思っていたのですが、
「でもそうすると、展開に追いついていけないかもしれない」
と何だか不安になり(笑)、先に読んでみました。
ラングドンシリーズ第1弾の「天使と悪魔」も、読んでみようかな、
と思っております。
by ★とろりん★ (2006-04-13 10:29) 

ヴァーゴ

「ダビンチ・コード」原作が出版されてすぐ読みました。面白いですよね。
第一作の「天使と悪魔」がとても良くて、あとがきに次回作は「ダビンチ・コード」がベストセラーとあり楽しみにしてたんですよ。内容は期待通り!!映画も楽しみだけど、「天使と悪魔」を読んだ時点でラングドンは、ハリソン・フォードと勝手にイメージしてただけにトム・ハンクス?と聞いて大丈夫かしらと心配してます(笑い)
ましてや監督はロン・ハワード!なんだか「アポロ13」のメンバーでアメリカ的なハッピーな感じになってたらと…。私は、勝手に「クリムゾン・リバー」(ジャン・レノ主演)的なおどろおどろしいイメージの映画にしてほしいと考えてたんだけど。映画と原作の違いを楽しみに公開を待ってます。
by ヴァーゴ (2006-04-27 18:26) 

★とろりん★

ヴァーゴ様、はじめまして!コメントありがとうございます☆
私は「ダ・ヴィンチ・コード」で初めてダン・ブラウンの本を読みました。
ヴィットリアの記述がチラッと出てきて、
「あ、ちょっと『インディ・ジョーンズ』みたいなんだ」と思いました(笑)。
小説のイメージは、中世ヨーロッパのお城の石の城壁のような、
重くて深いイメージがありますよね。私もそんなイメージでの映画化を期待しています。
ジャン・レノのファーシュは個人的にイメージしていたので、ちょっと楽しみです☆
by ★とろりん★ (2006-04-27 18:40) 

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