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萩の町をゆく (最終回)夜明け前の星-吉田松陰の面影をたずねて [旅]

さあ、萩の散策もいよいよ終わる時がやってまいりました。最後にご紹介するのは、この方をおいて他にはおりません。明治維新の事実上の精神的指導者となった吉田松陰(1830-1859年)ゆかりの場所をめぐります。


松陰神社。やっぱり東京の松蔭神社よりも大きいですね~。

このブログは歴史レポではありませんので、松陰先生の詳しい生涯は各自でお調べいただくことにして、写真と簡単な感想を書き留めておくことにします。

吉田松陰は幕末の萩藩きっての俊英で、若干20歳で長州藩の藩校・明倫館の兵学教授に就任します。ここで吉田に出会い、学んだのが、桂小五郎と高杉晋作です。後に、安政の大獄で吉田が江戸で処刑された際、その遺骸を引き取り、小塚原の刑場から長州藩の別邸へ移葬するべく奔走したのも、この2人でした。


城下町に残る旧明倫館跡。小五郎は、ここで吉田に学んだのでしょうね…(妄想中)

コチラ↓が1849年に移転した明倫館跡。

現在はちょうど萩市役所の前にあり、市立明倫小学校の敷地として残されています。当時の三大学府のひとつ(残る2つは水戸藩の弘道館と備前藩の閑谷学校)で今でも学べるなんて、かっちょいい~☆(イメージに弱いとろりんさん)


明倫小学校敷地内に残されている「観徳門」です。 




1854年に密航を企てた吉田松陰は、野山獄に幽閉された後、生家預かりの身分となります。ここは武士階級の獄舎と民間人の獄舎と区分されていたそうです。
 
 

(だいたいの場所です。もし迷子にさせてしまったら、すみません…)
 
 
生家預けとなった吉田は周囲の薦めもあり、伯父の玉木文之進が開いていた私塾「松下村塾」を引き受けてそこで講義をするようになります。ここで学んだのが、久坂玄瑞(禁門の変で死去)、吉田稔麿(池田屋の変で死去)、伊藤博文、山県有朋などです。後の日本の大変動に深く携わることになる人々ばかりですね。文字通り、オールスター総出演…。
 
内部をのぞいてみましたが、本当に小さな部屋が並ぶばかり。

塾生達は肩を寄せ合うようにして吉田の講義に耳を澄ませていたことでしょうね。うとうとする者があれば頬をつついたり、先生を待つ間は未来について熱く語ってみたり、時には現代の若者と同じような感覚で、気になっている城下の娘のことを打ち明け合ったりしては盛り上がっていたのかもしれませんね。(お互いに同じ娘を気に入っているのが発覚して、喧嘩になってたりして>笑)でも、先生が来るとすぐに頭を切り替えて講義に集中して…。そんな風に考えると、幕末の志士たちがとても身近に思えてきます。
 

春に世田谷の松陰神社を訪れた際にも書きましたが、本当に、こんな小さな場所から未来の日本を動かす原動力が蓄えられ、磨き上げられ、そして放出していったことを考えると、本当に感慨深いものがあります。

志半ばで倒れた者もたくさんいることでしょう。傷ついても、挫折してもなお諦めることなく、ひたすらに新しい日本の実現を目指して突き進んだ長州藩。その思いのよりどころは、何と言っても師・吉田松陰だったのでしょうね。

なお、吉田松陰の墓は、生家のある小山の中腹に建てられています。生まれた場所に還り、永遠に眠る…。人として、これほど幸せな「眠り」はないでしょうね。
 
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7回にわたって萩の街を歩いてみました。皆さま、いかがでしたでしょうか。
 
これまでは幕末にはほとんど興味がなかったのですが、コレを観て(笑)、司馬遼太郎の作品を何冊か読んで、そして萩の町を歩いてみて、日本が最もエネルギーを使ったのかも知れない時代、「幕末」にとても興味を持ちました。そして、歴史というものは数多くの「点=事象」が連なって、「線=時代」となり、それが連綿と続くことによってつながっていくものなのだ、ということを実感した旅でもありました。
 
でも、萩はいつまでも、そのままでいて欲しい町です。
 
 
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コメント 4

ラブ

あ〜、このあたりは、行ったことがあるような気が
します。
萩の旅も、終わりですか…。見ている私の方が、楽
しませていただきました。
by ラブ (2007-07-21 13:44) 

★とろりん★

ラブさま
かなり長編レポになってしまいましたが(汗)、楽しんでお読みいただけたようで、嬉しいです。今回は観光だけではない萩の町をじっくりと見つめることができて、とても幸せでした。
by ★とろりん★ (2007-07-21 14:35) 

愉しく拝見。
by (2007-08-01 10:10) 

★とろりん★

劇衆「漢組」さま
ありがとうございます!
これからも愉しく読んでいただける記事を目指します。
by ★とろりん★ (2007-08-01 15:27) 

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