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カンゲキ☆アワード2007!! (年越しちゃったけど) [アワード]

皆さま、年を越えて大変たいへん長らくお待たせいたしました。「カンゲキ☆アワード2007」、ついに発表の時を迎えました!!

昨年は二大カンゲキ(宝塚・歌舞伎)に加えて、様々なジャンルの舞台を観ることができました。その中から、「これぞ!!」と思いました役者さん、作品を勝手に賞賛するひとりよがりもはなはだしいこのコーナー、毎年おつき合いいただきありがとうございます(笑)。

参考までに…
2006年度のアワードは、コチラ
2005年度のアワードは、コチラ

では、発表してまいりましょう!!2007年、栄冠(自画自賛)に輝くのはっっ!?


★作品賞★

『維新回天・竜馬伝!-硬派・坂本竜馬Ⅲ-』
(脚本・演出/石田昌也)

皆様、のっけからかなり予想外ですよね。ええ、私も予想GUYです。まさに「スミマセン、お父さん」の心境です(byソフトバンクCM「入浴編」)。

この時のレポ、年明けなのに、年明けにあるまじきローテンションかつ辛辣です。なのに、これなのか!?これでいいのか、私!?という自問を激しく展開しながらの選出。

一個の作品として考えると、やはり、当時の宙組トップコンビであった貴城けい&紫城るいの一作サヨナラ公演としての作品としては乱雑すぎる作品ではありました。(ちなみに、一作お披露目サヨナラ公演、最近では「ワン切り」とも呼ばれるそうです。あまりにもあまりな表現ですが、「ハローグッバイ」よりも一般的には伝わりやすいかな・・・)

ただ、この作品を観て、これまで特に関心のなかった「幕末」という時代に非常に強い興味を持ったのは事実なのです。

まずは原作(司馬遼太郎『竜馬がゆく』)を読破。その後、徳川慶喜や吉田松陰に関する著作を読み…。世田谷にある松陰神社や豪徳寺(井伊直弼の墓所があります)にも足を運びました。

幕末-竜馬や慶喜、桂小五郎の生きた時代-に対する私の好奇心はそれだけに尽きず、とうとう萩や長崎など、彼らが実際に生きた証が残る場所を訪れるに至りました。運良く、出張で近くまで来ることができたからという理由もありますが(汗)。

しかし、このタイミングでそのチャンスに恵まれたことは、やはりそれなりに導かれる「何か」があったように思うのです。そしてその「何か」は、やはりこの作品を観た時、サヨナラ公演にしてはあまりのハチャメチャぶりに憤慨し、激怒し、「原作ではどんな風に書いてあるんやろ」と、原作を開いたことから始まっているのです。

そのような意味でこの作品は、私の2007年に実りを与えるきっかけになったのではないか…と考え、選出しました。石田先生、恐るべし。

次点は、『ウィキッド』
構成と言いキャスティングと言い、作品としての完成度はダントツでした。ラブさま、大当たりです!(でもごめんなさい…)


★主演女優賞★

坂東玉三郎
(『壇浦兜軍記』 阿古屋)

やっぱりですねー、この方の『阿古屋』は圧倒的でした。生きとし生けるものを超絶する美貌と絢爛衣裳の美しさは言うまでもなく、3つの楽器を舞台上で演奏する高い技術力。

けれど今回は、そのような「見た目の美しさ」ではなく、阿古屋という女の「心の動き」が演奏を通じて、その衣裳や表情を通じてまっすぐ心に響いてきました。

玉三郎が技量や衣裳、しどころにとらわれず、阿古屋という役を無心で演じきったからこそ、その役の心のありようが観客の心の眼に映ったのだと思います。玉三郎という役者の肉体を借りて、阿古屋という役の「魂」が姿を見せ、歌舞伎座という舞台に息づいたような…。そんな気さえしました。

今、この時に「玉三郎の阿古屋」に出会えて、幸せでした。阿古屋は、次は誰の肉体を借りて私たちの前に現れてくれるのでしょうね。

次点は、沢樹くるみ。(『絢爛とか爛漫とか モダンガール版』

大正浪漫の時代に生きる活発な娘の心のありようを体当たりで演じていました。宝塚在団中から変わらない、彼女の情感あふれる的確な芝居心を堪能させてもらった舞台でもありました。


★主演男優賞★

市川右近
『シラノ・ド・ベルジュラック』 シラノ)

役に対する解釈、入れ込みよう、役としての完成度が最高でした。

私の中のシラノ像が良い意味ですっかり崩れた、男気あふれる爽やかな舞台でした。まさに「男の中の男」!!愛する人に対する細やかな情愛、友人に対する豪気…。いやー、あんな男性に愛されたいわ~(爆)と、惚れ惚れしておりました。


★助演女優賞★

城咲あい
(宝塚歌劇団月組 最新記事はコチラ

彼女の場合は、作品を通じた活躍、ということではなく、1年を通じての活躍を評して。3~5月の東京公演、6月の全国ツアー、そして10~11月の東京公演と、この一年間の活躍は素晴らしかったな、と。

瀬奈じゅん&彩乃かなみというカリスマ的な魅力と人気を誇る月組主演コンビを、2番手娘役という立場から力強く支えています。やはり、男役だけでなく、娘役トップにとっても、すぐ近くでしっかり盛り立ててくれる立場の娘役がはっきりしていると心強いのではないでしょうか。

『ファンシー・ダンス』のコロンビーヌで見せた氷のような美貌、天真爛漫な『ダルレークの恋』のリタ、可憐な歌声が印象的だった『MAHOROBA』のニライカナイ、出番は短いながらも透き通るような美しさで存在感を残した『マジシャンの憂鬱』のマレーク。どの公演でも違ったカラーを見せてくれました。

実力も華やかさもバランス良く併せもっている娘役さん。2008年もますますの活躍を期待しております。


★助演男優賞★

春風亭昇太
(『大銀座落語祭 Fブロック ”豪華福袋寄席”』)

落語祭Fブロック、最大の目玉でもあった圓楽師匠の休演。当日にそれを知らされた客席は一気に浮き足立ち、何となくしょんぼり&がっかりした空気に…。そこに飛び出してきた昇太師匠の姿に、客席は驚喜し、割れんばかりの拍手を送り、観客の視線は一気に高座へ集中を取り戻しました。

あの時、あのタイミングで、あの落ち込んだ空気を一瞬で変え、落ち着きを取り戻す為には、昇太師匠しか持てない底抜けに元気で明るいキャラしかなかったと、今でも思っています。その自分の役割をきちんと果たして、圓楽師匠休演という「残念感」を一気に吹き飛ばしてくれた、昇太師による最高の「助演」に、ありがとうの一票!!


★敢闘賞★

中村梅玉
『仮名手本忠臣蔵 五段目』 斧定九郎、『め組の喧嘩』 喜三郎)

三月『義経千本桜』のタイトルロール義経から六月『吉野川』の久我之助まで、当たり役を演じた梅玉丈。おっとりとした風情、優美な表情、思い出すだけでもウハウハ(笑)。

その一方で、『仮名手本忠臣蔵』ではアウトローの斧定九郎、團菊祭『め組の喧嘩』ではドラリオン顔負け(梅玉丈にとっては)の大技に挑むなど、挑戦も多かったこの一年。ご本人も大変でしたでしょうが、ファンはもっとドキドキしておりました(笑)。

今年も、そんなキャピキャピ&ハラハラなときめきをくださった梅玉丈に、敢闘賞を捧げます。『め組~』で大技が無事に成功した瞬間、何とも言えないホッとした照れ笑いを浮かべた梅玉丈…素敵でした♪(突如ファンレター化)


★新人賞★

南原清隆

『花だより三人会 木久蔵・きくおとナンチャンです!』

初めての定席での高座にも関わらず、非常に安定した技量を見せたナンチャンこと南原さんに一票!

高座の完成度もさることながら、マクラもとってつけたような作りではなく、噺へ自然に流れられるようなネタから入り、好印象。これで気分が乗った様子で、後は非常に良いテンポとリズムでオチまで乗り切りました。

できれば、年にいくらかでも良いから、南原さんには定席に出演していただきたいなぁ。これからもナンチャンの高座があれば、聴きに行きたいですね。


★ベストカップル賞★

貴城けい&紫城るい

宝塚歌劇団前宙組主演コンビ

一公演だけで卒業していった、宙組3代目トップコンビ。限られた時間の中で、近年薄れかけている「コンビ愛」を表現してくれました。(余談ですが、私はこのコンビを思い出すたびユーミンの「無限の中の一度」という歌を思い出します)

最後の舞台はお世辞にも秀作とは言えない作品揃いでしたが、2人のあふれだす感情が、劇場という空間にぎゅうーっと濃縮されているような雰囲気でした。貴城一世一代の竜馬役が、私を幕末への好奇心へと導いてくれた事ですしね。

現在は2人とも、主に舞台で活躍しています。これから、もっともっと幸せになってくれることを祈っています。


★団体賞★

ザ・コンボイ 

『THE CONVOY SHOW "ATOM'06"』

B’zの名曲「LOVE PHANTOM」で幕を開けた、めくるめくイケてるおっさんワールド。一瞬で釘付けになりましたね。近年は個人の活動も増えているようですが、6人がひとつの場所に集まった時に発散されるパワーとエネルギーに圧倒されました。おっっさん好きにはたまらないエンターティメントです(笑)。


★特別賞★

春野寿美礼
(宝塚歌劇団花組前主演男役 最新記事は
コチラ

昨年末で退団した、花組主演男役。まる5年と、近年では和央ようか(元宙組主演男役)に次ぐ在任期間でした。

いま思えば、これまで一般的だった「トップスター」が、「主演男役」と名称で呼ばれるようになったのは、春野が最初でした。就任前後を含めてこの5年間の彼女の道のりは「孤高」であったと言えるでしょう。舞台で見せる華やかな表情の一方で、時折ふっと見せる翳り(かげり)の表情は、主演男役ではなくては、「春野寿美礼」でなくてはとうていわかりえない苦労を感じるに充分でした。

たった1人で、「春野寿美礼」という芸術を完成させ、最後は笑顔で卒業していった彼女に、心からの敬愛を込めて、この賞を贈らせてもらいます。春野さん、お疲れさまでした。そして、ありがとう。


いかがでしたでしょうか?皆さまの予想されたカンゲキは、含まれておりましたでしょうか。次回はいよいよ、『スター☆オブ・ザーイヤー2007』の発表です!!乞うご期待!?


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りょう

とろりんさま
明けましておめでとうございます☆

昇太さんを選んでいただきとっても嬉しいです♪
こいつは春から縁起がいいや~(笑)
これからもカンゲキ通信の愛読者で応援続けますので、
本年も宜しくお願い申し上げます。

LOVE!!
by りょう (2008-01-05 12:27) 

★とろりん★

りょうさま、
あけましておめでとうございます。
新年初コメント、ありがとうございます。
キャラだけで受賞されたのは、昇太師が初めてです(笑)。
今年は高座で入賞を狙っていただきたいですね~。
本年もよろしくお願いいたします。
by ★とろりん★ (2008-01-05 14:59) 

はなみずき

明けまして…明日で10日になります(笑)。遅ればせながら、本年も、どうぞ宜しくお願い申し上げまする~。

私は、「バレンシア」に3000点賭けてたんですけどねー。新年早々外しましたっ。「竜馬」は、とろりんさんの人生にとって、大きかったわけですね! なるほど~。そして、「スター…」はカシさんが取ると思っていたわけですけど(ここでもハズシてる…)、カシさんの存在も大きかったわけで?

昇太さんがキタのは意外でした(苦笑)。いえ、個人的には大喜びでございます。無駄な元気も時には役立ちますね(笑)。

私も、ナンちゃんの落語、聴いてみたいです。最近ではあまりコンビで出ることは少なくなりますが、2人でやり取りする漫才の方が、一人っきりで演じる落語に挑戦するとは、面白いですよね。

今年も既にカンゲキが始まってますね。今年も一杯カンゲキしましょうね~!
by はなみずき (2008-01-09 20:32) 

★とろりん★

はなみずき様、

新年、明けまして10日目ですが、本年もよろしくお願いいたします(笑)。

アワードは、自分でも驚くべき選出でした(苦笑)。かしるいの輝きとらんとむの煌めきが後押しした結果ですね。

ちなみに、「スター☆」も、かしるいとらんとむが最後まで私の心の中でせめぎあっておりました(笑)。最終的には激情のおもむくままにらんとむに捧げました。

昇太師の助演賞選出については、あの時、あの空間の空気が彼しか持ち得ない「無駄な元気」でどれだけ救われ、盛り上がったかを振り返ると、彼の果たした「仕事」は最高だったな、と。客席の喜びよう、盛り上がりようは、本当に感動的でしたからね。

ナンチャンの落語、ぜひともはなみずきさまにも聴いていただきたいっ!非常に丁寧で,、きっちりとした高座でしたよ。落語という芸に対する「リスペクト」の姿勢が伝わってきました。

今年も既に、選考レースの火ぶたが切られておりますねっ。お互いに、今年もたくさんのカンゲキに出会えますように!
by ★とろりん★ (2008-01-10 12:06) 

ラブ

お〜〜〜〜、惜しい!w
とろりんさんのテンションからすると、
そっちだと思ったのですが…。
竜馬だったか…。来年は、きっちり予想
するぞぉ〜(って、そこかい!)
by ラブ (2008-01-11 15:10) 

★とろりん★

ラブさま、
記事にも書きましたが、作品としての完成度や
興奮度は「ウィキッド」だったのですが、
昨年の記事を一通り読んでみると、
えらく「竜馬さま」を引用していたのですよね(^^;
なんだかんだ言って、かなり私の一年に影響与えてたんだね…
ということで、竜馬サマに軍配を上げることにしました。
…ただの気まぐれアワードで、ホントにすみませんm(_ _)m
今年もぜひぜひ予想してみてくださいね!
by ★とろりん★ (2008-01-13 19:42) 

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