SSブログ

市川猿之助総合演出 『ジンギスカン』 [講座・現代演劇]

2008年1月27日(日) ル・テアトル銀座 13:00開演

総合演出/市川猿之助
原作/牧 逸馬
脚本/窪田篤人
演出/高野克己

【キャスト】

テムジン(ジンギスカン。モンゴルの総長)/平 岳大 (ひら たけひろ)
ジャムカ (ケレイト族の族長)/榎木孝明
サングン(ナイマン族の武将)/伊吹吾郎
カルカ(ジャムカの許嫁)/紫城るい
ボルテ(長老ジュベの娘)/勝野雅奈恵
メルサ テムジンの母/榛名由梨
ジュベ長老/若林豪

ル・テアトル銀座、初潜入。観劇したのは「ジンギスカン」。先月末に千秋楽をむかえました。昨年2月に宝塚を退団した紫城るいがヒロイン・カルカ姫と準ヒロイン・ボルテ姫を勤めています。私が観劇した日は、カルカ姫で出演。




 

【物 語】
モンゴル族の若き族長、テムジン(平)はある日、花のように美しい女性、カルカ姫(紫城)と出会います。お互いに惹かれ合う2人でしたが、テムジンはケレイト族の族長、ジャムカ(榎木)に捕らえらてしまいます。

テムジンはケレイト族の前で見せ物にされますが、その場をとりなしたのがなんとカルカ姫。彼女はジャムカの許嫁だったのです。心を寄せ合う2人でしたが、敵対する部族の間で許される恋ではありません。やがてテムジンは幼なじみのボルテ(勝野)の手助けによって、ケレイト族の城を脱出することに成功します。

10年後。テムジンはジンギスカンとしてモンゴルの草原を制覇し、大軍勢をもってケレイト族の城を取り囲んでいました。城内は食糧が尽き、人々は弱っていくばかり。そこへジンギスカンの使者が到着します。ジンギスカンからの条件をのめば、城の囲みを解くという使者。その条件とは、一夜、カルカ姫をジンギスカンの元へ向かわせることでした。ジャムカは条件をはねつけますが、カルカはその夜、ある決意をしてひそかに城を抜け出します…。

【カンゲキレポ】
「るいるい、時々榎木さん奮闘公演」(るいるい=紫城るいの愛称)、という印象が強い公演でした。

ジンギスカンの物語と言えば、妻ボルテと息子ジュチをめぐる葛藤がクローズアップされることが多いのですが、今回の物語はその前日談とも言える、若き日のジンギスカンと、そのライバルの妻であるカルカ姫との苦しい恋の物語が主題。

市川猿之助一門からは市川猿四郎丈、元宝塚からは紫城や榛名の他に真丘奈央、峯真琴(元月組の紫水梗華)、彩橋みゆ等が出演しており、それぞれの場面で出番を与えられておりました。前半、ケレイト族の婚約祝いで女たちが踊る場面では、カルカ姫の紫城を中心に左右を峯と彩橋が固めて、さながら同窓会な感じでした。美しかった~☆

舞台全体の感想としては…「るいるいと榎木さんがおらんかったら、この舞台どうなってたんやろう…」というのが正直な感想です(汗)。終演後、私と一緒に観劇したMaoさんの会話は、「るいるい、良かったね~☆あ、榎木さんも良かったね~」に終始しておりました(苦笑)。

るいるいはテムジンへの想いに堪え、夫ジャムカに尽くそうとする健気な女性、カルカを丁寧に演じておりました。透明感あふれる美しい歌声も健在。るいるい…ありがとう…。

榎木さんはケレイト族の誇り高き族長、ジャムカ役を好演。出てきた瞬間にその人とわかるオーラはさすがです。後半、カルカへの愛ゆえに、嫉妬に狂う姿が哀れをさそいました。

主役の平さんは、まだまだ舞台に立つ要素が荒削りな感じ。男前ではありますが、舞台に真ん中に立つだけの技量を備えるには、もう少し鍛錬を積んで欲しいな、と思いました。…歌は必要なかったんじゃないかと、思います…。主役のはずのテムジンが魅力的に描かれていなかった事も、マイナスだったかもしれません。これは平さんの責任ではありませんが。



主題はとても良かったのですが、うまく生かし切れておらず、人物の書き込みも少々浅かったかな…というのが正直な印象でした。…こんな日も、あるある(苦笑)。

 

ル・テアトル銀座


nice!(2)  コメント(2)  トラックバック(1) 
共通テーマ:演劇

nice! 2

コメント 2

ラブ

今日は、辛口ですねw
猿之助さんの演出かぁ…。迫力あるのかなぁ。
テムジンと言えば、浅野忠信の「モンゴル」が見て
みたいです。
by ラブ (2008-02-06 10:56) 

★とろりん★

ラブさま、
本当はもっと言いたいことがあるのですが、言い出すとよけいに辛辣になりそうだったので、あえて自制しました(苦笑)。猿之助丈は全体監修という感じで、舞台演出は別の方がされていたようですが、モンゴルの草原をイメージさせるような演出に欠けていたのも残念でした。どうしても劇場の空間を感じさせてしまう演出が多くて、情景を観客に想像させられるような演出が乏しかったです。あ、危険なのでまた自制させてください(^^;)
by ★とろりん★ (2008-02-06 11:19) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。