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劇団四季『キャッツ』 1年ぶりに回ってきました♪ [劇団四季]


2007年7月11日(水) 五反田キャッツシアター 13:30開演

1年ぶりに、キャッツ回転席を堪能してまいりました♪作品自体に対する感想やイメージはほとんど変わりませんので、今回は小ネタをとりとめなく書き留めておきます(笑)。

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ランペルティーザと私

今回のお席はS回転席、1階4列センター。昨年とほとんど変わりません。まさにデジャブなお席。

開演前、客電が落ちる前に、回転席には猫が現れています(回転前なので、まだ他の客席からは見えていない)。前回、すぐ後ろからランペルティーザ(泥棒猫の片割れ)が登場したので、いつ来るかなーと思いながら待っていると、来ました来ました♪

ランペルティーザは物憂げな仕草でゴソゴソと歩いています。あ、目が合ったかな♪と思った瞬間、ランペルティーザが私のすぐ目の前までやってきて、じいぃーーーーーーっっっと私を見つめるではありませんか!!

その距離、約15センチ。内心ものすごくドキドキしましたが、一緒に来ていた友人(初キャッツ)の手前、動揺を悟られてはなりません(笑)。こちらも澄まして見つめ返すこと、約20秒。緊迫の時間でした(笑)。

やがてランペルティーザがフイッと目をそらして本舞台へ上がっていったのですが、振られたのは私が猫でなかったからか、それとも私が女子だったからなのか…。真実はランペのみぞ知る…。

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久々に通報(笑)

他人に厳しく自分に甘い私(笑)は、観劇中に迷惑行為と思われる観客に遭遇すると、躊躇なく通報(=劇場係に注意を促してもらうように依頼すること)します。まぁ、本当にこれは目に余る!と言うときだけですが。チクり好きのおばさんと思われたくないため、念のため申し添えておきます(笑)。

で、今回、久々に通報をしてしまいました。

1年ぶりの回転席、しかも大好きなジェニエニエリア♪(カーテンコールでおばさん猫「ジェニエニドッツ」が握手に来てくれる)。かなりワクワクしていたのですが、幕開きから、ちょっと困ったというか、気になる事がありました。

私の隣の隣に座っていたご婦人。熱烈なキャッツファンでありながら、今日が初めての回転席だった様子。嬉しくて仕方がないのでしょうか、すごいはしゃぎぶり。

仕掛けや演出に驚いたり感動して「うわあー」など声を出すくらいなら微笑ましいですが、感想や思ったことを、その場で口に出すのです。しかも、声を潜める風でもなく、普通の会話と同じくらいの大きさの声で。あ、あの…、もう始まっているんですが…。

例えば、グリザベラ最初の登場シーン。タンブルブルータスが彼女に手を差し出す振りをして、それをわざとかわし、タンブルの手を握ろうとしたグリザベラがよろめく、という振りがあるのですが…ご婦人、「あー、目が見えないのねぇ」と、普通に会話をす感じで隣の席の人に話しているのです。斬新な発想には座布団1枚あげたいくらいですが…たぶん、ご本人が思っている以上に声が響いているのですが…。

ただ、キャッツは観客参加型のミュージカル。手拍子やノリノリの場面も他の作品に比べて多いので、本当に楽しくてノリノリならばちょっと注意するのははばかられるなぁ…と、しばらく様子を見ることにしました。

そして、事件は次のバストファージョーンズの場面で起こりました。舞台が進行している中、突如カバンからゴソゴソと「本日のキャスト表」を取り出すご婦人。

おもしろおかしいバストファージョーンズ場面もいよいよ盛り上がりに近づき、歌いながら猫たちが舞台中央に集まってポーズをしようとした、その時!!

「いやぁぁーーーーーーーーーーっっ!!!」

この世のモノとは思われない金切り声が劇場中、いや、少なくとも回転席センターブロックに響きわたりました。あまりの声の大きさに周囲の観客は思わずそちらを振り返り、百戦錬磨のはずの猫(四季の俳優さん達)も、一瞬意識がそちらへ向いてしまったように思いました(さすがに目が動いたり、振りが崩れたりすることはありませんでしたが。ナイスプロ根性)。

金切り声の正体は、もちろん例のご婦人。そして次に発せられた言葉は…。

「ラムタムタガー、阿久津陽一郎だったんだわー!!いやーん、気づかなかったわー!!」

…………………………。

客席、唖然。

説明しましょう。
「ラムタムタガー」とは、キャッツのオス猫陣でももっとも人気の高いクールな「つっぱり猫」の名前。四季でも実力・人気の高い俳優が演じます。

そして、阿久津陽一郎というのは、今、四季の若手俳優の中でもトップレベルの人気と実力を誇る俳優さん。たくましい身体とセクシーな歌声で毎回、多くの女性ファンを腰砕けにしております。毎週、四季公式サイトで発表される「今週のキャスト」に阿久津タガーがキャスティングされると、それだけで当日券の売り上げがどどんとアップしていることは確実かと思われる人気ぶりです。

で、ラムタムタガーがメインの場面は、既に終わっていたんですよ。あれほど近くでタガーを見ながら、なぜ気付かなかったのか…つか、それほどタガー好きなら、なぜ開演前にキャストチェックをしていなかったのか?何はともあれ、他の猫がメインの時に、どれだけぶち壊してくれるんですか!!むきー!!

しかし、私が通報を決意したのは、次の「マンゴジェリーとランペルティーザ(泥棒猫カップル)」の場面。ご婦人、さっきまでの熱狂的な態度はどこへやら、たったの一度も舞台に目をやることなく、ずーっとプログラムを熟読(よくもまあ、あんな暗い中で…)。マンゴとランペルのダンスには全く目もくれませんでした。

これは明らかに四季初心者ではない、目当ての役者、好きなシーンには不必要に大はしゃぎして、興味がなければ一度も舞台に目をやらないとは、役者にも、舞台に対してもあまりに失礼過ぎる。はい、通報決定(苦笑)。

こういうことを頼むのって、非常に気が重いんですよ。けれど、周囲を不快な気持ちにさせたり、観劇に集中できない行動に対しては、やはりお願いするべきでしょう。と、いうことで劇場係のおねーさんに通報。

おねーさんは、まずお席の番号を確認。注意する前に私にもさりげなく最終確認し、見事任務を遂行。おかげさまで、第2部はこれ以上はないくらいに舞台に集中することができました。ありがとう、おねーさん、ありがとう、ご婦人…。

それにしても、おねーさんに注意をお願いするときに、例のご婦人の所業(?)について訪ねられ、「バストファージョーンズの場面で客席一帯に響きわたる大声で『ラムタムタガーが阿久津陽一郎さんだった』とおっしゃっていました」と答える私も私やな...(苦笑)。

私もこれから、周囲の方の迷惑にならないようにしなくては…と気を引き締めた一件でした。

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阿久津タガー、絶好調

そんなわけで罪深い男にして罪作りなつっぱり猫、阿久津タガー。いやはや、ワイルド&セクスィーっつう言葉はこの人のためにあるようなものですな(笑)。

阿久津タガーは自分の出番以外でもいろいろやらかしているのですが、メインの猫の邪魔にはならない程度に、不必要に過剰なステージパフォーマンスにならないようにしている点が良いですね。でも目立っちゃうのよね~、素敵すぎるから(笑)。

今回は、スキンブルシャンクス(鉄道猫)の場面でも遊んでいましたよ。オス猫が一列に四つん這いになって、それぞれの背中にメス猫が1匹ずつ乗る、という振りがあり、ラムタムタガーはいちばん幼いシラバブを乗せることになっています(プレイボーイなタガーに純潔の塊みたいなシラバブが…かえって計算されているな、と感じるのは深読み?)。

シラバブがオス猫の背中に乗ろうとすると、「あれ?」。タガーさんの背中ではありません。探してみると、列から離れてステージの隅で寝っ転がっていました(笑)。

阿久津タガーいちばんの見せ所(とろりん認定)は、やはり第2部冒頭のボンバルリーナとの一瞬の場面ですねー。大人っぽいのにちょっと切なくって、キュンキュンしてしまいます(壊)。

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(個人的に)大阪公演以来の木村花代さんに乾杯

大阪出身と言うことで、ひそかに応援している木村花代さん。ジェリーロラム=グリドルボーン役です。美しく澄んだソプラノが耳に心地良いですね。今回は大阪公演以来の木村ジェリロに再会です。

いやぁー、かわいい!!(突然おっさんコメント)キュートでちょっと小悪魔なグリドルボーン(劇中劇でジェリロが演じるシャム猫の名前)と、面倒見がよくて心底ガス(芝居猫)のことを、人生の先輩として大好きなジェリーロラムを鮮やかに演じ分けていましたね。

また、大阪公演とは細かく演技を変えてきていて、それがジェリーロラムという役、グリドルボーンという役にも見事に息づいています。

例えば劇中劇「グロウルタイガー(海賊猫)」の場面。グリドルボーンが初めて出逢うガスの顔を見て気絶するのですが、この時の表情が絶品。実はグリドルボーン、ある特命を受けてガスの海賊船に乗り込んできた、という設定。(趣向としては歌舞伎の「鳴神」と同じような展開)。

これまでのグリドルボーン役者は「いやん、素敵すぎて失神しちゃうー」みたいな感じで倒れることが多かったのですが、木村グリドルは、その顔を見た瞬間、わずかに顔をひきつらせて、クラクラ~~~…。

「うっ…任務とはいえ、こんなぶっさいくな男を手玉にとらなくちゃいけないの!?はあぁ…先が思いやられるわ…」と、思わず目の前が真っ暗になっちゃった…という感じでの倒れ方。確かに、この後のグリドルの表情とか動きとか考えると、こっちの方が楽しいかも!その後は割り切ったのか、バリバリにグロウルタイガーを誘惑しまくっておりました。

役者さんそれぞれがちょっとずつ演技や解釈を交えているのも、楽しいですね。

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相変わらず可愛いカッサンドラ

大口朋子さん演じるカッサンドラ、いつ観ても本当に綺麗~~~☆うっとりしてしまいます。岩崎晋也さんのタンブルブルータスとのコンビ復活、熱烈希望。(ただのファン馬鹿)

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お腹の中でもジェリクルボウル

実は、今回お連れしたキャッツ初観劇の友人は、なんとただいま妊娠8ヶ月。「プロローグの導入音(毎回、小さく飛び上がってしまうくらいの大音量)にお腹の赤ちゃんがビックリして、陣痛始まったらどうしよう…。早産になっちゃう…。」と、いろいろ心配したのですが(笑)、そんな心配はどこへやら、すごく楽しんでくれていました。

お腹の赤ちゃんは、ふだんはとてもおとなしいらしくて「あまりお腹も蹴ったりしないし、動くことも少ないのー」と言っていた友人。第2部が始まって、しばらくすると、友人がそっと私の手をとって、自分のお腹の上に当てました。

あ!!
お腹がポコポコ動いてる!!トントン蹴ってるー!!

友人によると、第1部のラムタムタガーの場面あたりから動きを感じていたらしく、第1部のクライマックス、「ジェリクルボウル(舞踏会)」ではもう、ポコポコトントン大ハッスルだったとか。お腹の赤ちゃんも一緒に舞踏会に参加していたのですね。

お腹の中の小さな命にも感動を与えてくれるキャッツ。将来、本当にキャッツの一員として舞台に登場するかもしれませんね。

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今回は、回転レポというよりは小ネタ&愚痴になってしまいましたね(汗)。でも、「これは、これは許せーん!!」となったのは2年ぶりだったので…なかなか珍しいと思いますよ(よくわからないまとめ方)。

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最後に…。

生まれる命もあれば、散る命もあります。

ジェニエニドッツとして4200回以上にわたって「キャッツ」の舞台に立ち、高い評価を受けながら4月に亡くなられた服部良子さん。終演後、ふと客席後方にある音響席に目をやると、お花に囲まれた服部さんの小さな遺影が、舞台を見守るようにしてつつましく飾られていました。

訃報を聞いた際の、胸のつぶれるような悲しみが一瞬よみがえりました。

「もうキャッツの舞台に立つことも、四季の舞台に立つこともできない仲間のために、私たちはがんばらなくちゃいけないと思ったの」。キャッツ五反田公演がスタートした2004年、服部さんはこのような事を話されていたと記憶しています。(うろ覚えです、もし大意が違っていたらごめんなさい)

まばゆいライトに照らし出される、明るくて華やかなステージ。この上に立つことを許されるのは選ばれた人たち。まして舞台の中央に立ち、センタースポットを浴びることが出きる人はほんの一握りの人に限られています。

彼らを照らし出すその光には、そしてその光の向こうに広がる闇の中にも、劇場には舞台に立つことができない者-私たち観客を含めて-の思いがあふれているのです。その思いが、舞台の上の役者をさらに輝かせるのだと思います。

誰もが立てない場所に立つ喜びと覚悟を胸に、役者の皆さんには日々舞台を勤めて欲しいと思いつつ、心の中でそっと掌を合わせて服部さんのご冥福を祈りました。

五反田キャッツシアター

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コメント 2

ラブ

キャッツは、見に行ったことないのです。
回転席、なるものがあるのですね。
そして猫ちゃんが、近くまで来てくれるのですね。
φ(。_。)メモメモ
しかし、ものすごいおばちゃんがあるもんですなぁ。
そしてそれを通報できる、システムがあるんですね。
とろりんさんのblogは、本当に勉強になります。
by ラブ (2007-08-01 16:23) 

★とろりん★

ラブさま
基本的に、1階席の1列目から4列目のお席が回転席になっています。他にも舞台後方に設置された「ジェリクルギャラリー」なるお席もあります。いろいろなお席を楽しめるのも、キャッツの魅力のひとつですね。

それにしても例のご婦人、ある意味パワフルな方でしたね。時と場合によりますが、ちょっと直して欲しい時は、劇場係の方にお願いします。観客同士ですとややこしい事になる場合もありますのでね(^-^;
by ★とろりん★ (2007-08-01 16:38) 

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