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七拾七年会 第三回公演 [伝統芸能]

2010年2月14日(日) 十六世喜多六平太記念能楽堂 夜の部 17:30開演

仕舞

「笠之段」(山中雅志)
「蝉丸」(坂井音雅)
「女郎花」 (武田宗典)

狂言 「千鳥」(山本則重)

解説 (武田宗典)

仕舞 「野宮」(武田宗和)

能 「舎利」(武田文志)

早くも第3回となりました七拾七年会の公演。前回は2日2回公演でしたが、今回は1日2回公演という、お能の世界では型破りな公演スタイル。今でしかできない事に果敢に挑戦される七拾七年会の皆さんです。

今回は夜の部を鑑賞。またまた脇正面から拝見しましたが、今回は橋がかりにも近く、演者の息づかいがダイレクトに伝わってきて、とても良いお席でした。

開演前には、同人の皆さんがそろってご挨拶。終演後にも全員揃ってのご挨拶が入るので、どちらかを割愛しても良いのではないかしら・・・と思うのですが。能楽堂にやって来たらには、早くお能の世界に浸りた~い!!って思っちゃいますもので・・・。

全体的には、良くも悪くも若干舞い上がり気味だった(苦笑)、第一回、第二回に比べると、演者の皆さんもだいぶ落ち着いてこられたかな・・・という印象。意気込みよりも緊張感が勝っていたように思う前回、前々回に比べると、皆さんご自分のお仕事に集中されていたように思います。(上から目線)

今回も時間が足りませんので、簡単なカンゲキレポとさせてください・・・。

 



仕舞は、山中雅志さんが、前回拝見した時も動きが柔らかく、しなやかになられていて驚嘆いたしました。第二回公演からまだ7ヶ月ほどしか経っておりませんのに、すごい進歩だな~と心の中で拍手を送っておりました。



狂言『千鳥』

太郎冠者/山本則重
主人/山本則俊
酒屋/山本則秀


【あらすじ】

主人の言いつけで酒屋に酒樽を求めに行った太郎冠者。ところが主人には酒代のツケがだいぶたまっていて、酒屋は酒を売ろうとしてくれません。困り果てた太郎冠者は、酒屋が面白い話が好きな事を幸いに、津島祭や流鏑馬の話などを語って聞かせながら、酒樽奪取(笑)の機会をうかがいます。

【カンゲキレポ】


個人的に大好きな1曲。仕方話と祭の様子を表現する型がとても楽しい曲です。

今回で、はからずも則俊(父)、則重(長男)、則秀(次男)と親子3人の『千鳥』シテを拝見したことになりました。どんだけ山本家追っかけなのか、私・・・(笑)。

やっぱり、流鏑馬やお祭の様子を再現する場面は動きが大きくて華やかで、良いですね~☆

則重さんは動きもブレが無く、落ち着いてシテを務められていました。扇をパタパタとしながら、こそこそと酒屋の隙を狙っているところが、愛嬌があってキュート☆流鏑馬を模して飛び跳ねるところも軸がしっかりとしていて、いつもながらに安定感のある舞台です。

前回の青青会
では調子の悪いように見えた則秀も、すっかりいつもの調子に戻っていて安堵いたしました。

今回も脇正面で拝見しておりましたが、思いのほか橋がかりに近かったので、演者の皆さんが立ち去る時など、無駄にドキドキしてしまいました(笑)。



『舎利』


シテ(里人・足疾鬼)/武田文志
ツレ(韋駄天)/清水義也
ワキ(旅僧)/森常太郎
アイ(能力)/山本則重

大鼓/原岡一之
小鼓/住駒充彦
太鼓/小寺真佐人
笛/藤田貴寛


【あらすじ】

出雲の国から京の都に出てきた旅僧。せっかくの機会だからと、仏舎利(仏様の御骨)と十六羅漢が奉られている泉涌寺へ足を運びます。

そこへ里人が現れ、仏舎利の謂われや「昔、この仏舎利は足疾鬼という異界の者に奪われそうになったのです」などと語って聴かせます。すると突然、にわかに空が暗くなります。

実はこの里人こそが仏舎利を奪おうとした足疾鬼。姿を顕した足疾鬼は、やはり仏舎利への執心が消えず、奪い取って逃走します。

仏舎利が奪われたことを聞いた寺の能力は、韋駄天に取り返してもらおうと僧とお祈りを始めます。すると韋駄天がものすごい勢いで登場し、足疾鬼を追いかけていきます。

逃げる足疾鬼と追う韋駄天。すさまじい逃走劇が繰り広げられますが、やがて韋駄天は足疾鬼をとらえ、散々に打ちのめして仏舎利を奪い返すと、寺へ帰っていきます。またも仏舎利を奪えなかった足疾鬼は力尽き、逃げ去るのでした。

【カンゲキレポ】

上演前に解説に出られた武田宗典さんもおっしゃっていたように、とても動きの激しい曲。

お能の曲は、たいてい前シテと後シテがあり、後シテに激しい動きが入ることが多いのですが、この曲は前シテの後半から後シテにかけて、ずーっっと激しくてテンションの高い動きが続きます。

足疾鬼と韋駄天の追いかけっこは、ものすごい迫力!!ただでさえ狭い能舞台を駆け回り、足を床にドン!ドン!と打ち付け、後見が用意した台の上にすさまじい音と共に飛び乗り、そして最初に戻る、という感じです(笑)。そして、韋駄天に打ち据えられ、奪った仏舎利も取り替えされ、しょんぼりを橋がかりを去っていく姿は・・・哀愁ただよってました(笑)。

前回の公演で、舞台以外のところで同行者ととろりんのハートを激しく撃ち抜いてしまった太鼓方の小寺真佐人さん。本業(?)でも素敵でした!

私の拝見したお席からは、能舞台の後方に控えていらっしゃる姿が右斜め45度くらいの感じで見えていたのですが、前半はまったく出番がなく、静かに時間を待っていらっしゃいます。

ところが後半は、すべての思いを込めるかのような、魂の入った激しいお囃子!かけ声にも充分な気合いを感じました。そして、なぜかクロス打ち(左手に持ったバチを右肩の上へ持ってきてから振り下ろす打法)に、何故かものすごく萌えてしまいました(笑)。

小寺さん・・・これからも応援してます!!

 



伝統芸能でも、こうして若い世代の方、自分と同世代の方が活躍されている舞台を拝見すると、気持ちが熱くなりますね。これからも応援していきたいと思います。

そんな七拾七年会、早くも次回公演が決定!!

次回は・・・今年の12月25日(土)、観世能楽堂にて!!

って、またイベント日かいっっ!!(笑)。

ちなみに次回は記念公演(別会)という事で、重鎮も特別出演されるそうですよ~。誰がご出演されるのでしょうね☆

 
次回公演地。
 


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