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歌舞伎座へ、愛を込めて。 [歌舞伎]

夢のような1日だったと、記憶しています。

私が歌舞伎座へ足を踏み入れたのは、2002年の1月でした。幕見で、中村勘三郎丈(当時:勘九郎)の「鏡獅子」を拝見しました。

不思議なもので、上京してからは主に歌舞伎座に通うようになるわけですが、幕見でなく、初めて劇場に足を踏み入れたその時は何を観たのか、記憶にないのです(汗)。歌舞伎座の上演記録と当時の記憶をたぐり寄せると、おそらく、
市川海老蔵襲名披露 五月大歌舞伎だったのではないかな・・・と思うのですが。

私にとっての「初めての歌舞伎座」というのは、やっぱり2002年1月の、この幕見の印象が本当に強いです。

歌舞伎を観るようになった頃はまだ大阪の実家住まいでしたので、歌舞伎は松竹座か南座、巡業で観ておりました。そして歌舞伎座は、歌舞伎ファンなら誰もが夢見るであろう、「憧れの場所」でした。

東銀座駅に降り立ち、胸をドキドキさせながら地下鉄からの狭い階段を上った瞬間、目の前に唐破風の大屋根が迫ってきた時の感動は、今でも忘れられません。

ライトアップされた壮麗な入口玄関。「寿初春大歌舞伎」と鮮やかに染め抜かれた幕。華やかに行き交う人々。「ここが歌舞伎の殿堂なんだ、聖地なんだ」と思うと、身も心も震える思いがいたしました。

カンゲキ仲間のご厚意で、幕見席の中でも最前列センターで観ることができました。この時かかっていた緞帳は、大山忠作「富士山」。金色の朝空に浮かび上がる富士山の姿をダイナミックに、華麗に描いたものです。

そして、「これから芝居を観るぞ!」という熱気に満ち溢れていた客席。とにかく、見るもの、聞くもの、感じるものすべてに感動し、興奮しておりました。

今日、役目を終える歌舞伎座。思い出は数多くあれど、今この時に、いちばんに思い出すのは、やはりこの日のことです。とにかく、ひたすらに感激していた、あの夜のこと。

CA393451001.JPG

歌舞伎座へ。


ありがとう。

数え切れないほどの感動を、ありがとう。

ありがとう。

たくさんの夢を叶えてくれて、ありがとう。

ありがとう。

とめどもない涙を、ありがとう。

ありがとう。

ありがとう。ありがとう。

3年後、生まれ変わったあなたと出逢える事を、ひたすら夢に見ています。

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コメント 4

mami

閉場式も終わって、ほんとにほんとに終わってしまったんですねえ。

とろりんさんと同じように大阪から出てきた私の、歌舞伎座の第一印象は「おっきいな~!」でした。南座や中座、松竹座に比べて舞台がずっと横長で、「助六」や「暫」のように役者がいっぱい舞台に並ぶ演目だと壮観で、圧倒されるような迫力でした。

とろりんさんの仰るとおり、ありがとう、歌舞伎座、お疲れさま、歌舞伎座。ですね。
by mami (2010-05-01 00:22) 

★とろりん★

mamiさま、

nice!とコメント、ありがとうございます!!

そうですね…本当に、終わってしまいましたね…。
昨日は仕事だったのですが、ふとしたときに
「そろそろ夜の部が始まる頃かな」とか
「劇場前は今頃どんな雰囲気になってるのかな」とか、
ついつい考えてしまいました。

そうそう、初めて歌舞伎座で歌舞伎を見ると、
横長の舞台に驚きますよね。でもそれが
「歌舞伎の寸法」にぴったりとはまっていて。
「歌舞伎は1場面1場面が錦絵」という言葉を
実感したことを覚えています。

もういちど、ありがとう、歌舞伎座!
そしてお疲れさま、歌舞伎座!!ですね☆
by ★とろりん★ (2010-05-01 14:06) 

カオリ

やっぱり初めてのときのことはものすごく印象に残ってますよね。
とろりんさんの歌舞伎座愛がとっても伝わってきました。
また新しい歌舞伎座との思い出ができていく日を楽しみに過ごしましょう!
by カオリ (2010-05-06 21:57) 

★とろりん★

カオリさま、

nice!とコメント、ありがとうございます!!

歌舞伎は勿論、「歌舞伎座」という劇場が大好きでした。
皆さんそれぞれに、歌舞伎座の思い出がたくさんありますね。
新しい歌舞伎座も、たくさんの人に愛されると良いなあ、と思います。

by ★とろりん★ (2010-05-07 07:39) 

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