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中本千晶 『宝塚(ヅカ)読本』 [Books]

宝塚(ヅカ)読本 (文春文庫)

宝塚(ヅカ)読本 (文春文庫)

  • 作者: 中本 千晶
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/09/04
  • メディア: 文庫
出張中に立ち寄った本屋さんでふと目に留まったこの1冊。帰りの電車の中でさっくり読み終えてしまいました。

だってこれ、ヅカファンとして至極当たり前のことが書かれているんですもの(笑)。

この本を書かれた中本さんは純粋な宝塚ファンからスタートし、自らファンサイトを立ち上げた方なので、ある意味「正統派ヅカファン」としての目線で「宝塚」という世界を知ることができます。

本書は、まず「宝塚のオキテ」と題する第1章で、宝塚歌劇の基本知識(例:女性は絶対に主役にならない、死に際に髪がほどける、etc...)を紹介。その後は、世間一般が宝塚、そして宝塚ファンに対して抱いているであろう質問(その数、40問!)に、中本さんが答えるQ&A形式で進められていきます。

その質問も、(おそらく)世間の人が宝塚に対して1度は抱いたことがあるであろう疑問の数々。そして歌劇ファンからしてみれば1度は聞かれたことがある、もしくは「ヅカファンだと知られたら、必ず聞かれるだろうなぁ…」と思えるような質問ばかり。この40問とその答えをすべて読んだら、宝塚とヅカファンについてのすべてがわかる!?

「宝塚を観たいのですが、どうしたらいいのですか」という初歩的な質問から、「トップスターになれるヒトの条件とはなんですか?」という若干核心をついた質問、ヅカファンであれば必ず1度は聞かれたことがあるであろう、「どうして女性が女性を好きになれるのでしょう?」や「レズビアンが多いというのが本当ですか?」という野暮な質問、そして「同じ公演を何度も観に行く妻の行動が、自分には理解できません」という半ば人生相談的な疑問まで網羅されています。

もうね、これから歌劇やヅカファンに関する質問を受けたら、「これ読んでみて」と言ってまるっと渡しちゃうかも(笑)。それくらい、ありとあらゆる歌劇(ファン)に対する疑問に、鮮やかな答えを出してくれています。

終章では、ビジネスとして宝塚歌劇が抱える課題や現状を整理し、ファン寄りの視点から提言しており、単なるヅカ指南書にとどまっていないのも良いですね。

そして、本書にはひとつお楽しみがありまして、なんとパラパラ漫画が載っているんですよ~。それが、きちんとショーのある一場面の流れを描いたもの。読了後、ペラペラとめくってみたら、ひどく愉快で楽しい気分になりました。

物語や演出に容赦なく突っ込もうが、スターについて熱く議論を交わそうが、「カッコ良ければすべてよし」で全てを納得させるヅカファン。…限りなく親近感がわきます(笑)。拙カンゲキレポでも、あーだこーだと文句を書きなぐったあげくに、「ま、カッコ良いからいっか☆」で締めくくってばかりですものね(笑)。

ある意味日本人の伝統的感覚を貫く、愛すべきヅカファンについて理解を深めたい方、そして自分のヅカファン度をあらためて実感したい方も(笑)、ぜひぜひお読みになることをオススメします♪

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はなみずき

タイトル:フォーエバー・タカラヅカ(ファン)

とろりんさんのカンゲキ(読書)レポを拝読して、心に浮かんだ言葉です。ビバ、ヅカファン。ヅカファンよ、永遠に!!

ときめく心、純粋に感動する心、音楽に台詞に熱意に胸躍らせる心、って、永遠ですよね~♪
by はなみずき (2010-07-16 19:25) 

★とろりん★

はなみずきさま、

コメント、ありがとうございます!!

宝塚にしろ歌舞伎にしろ能楽にしろ、その舞台芸術が長い歴史を誇れるようになったというのは、もちろんその芸を受け継いでいく素地(役者)はもちろん、彼らを愛し、応援してきた人々(ファン)があってこそ、だということをあらためて実感した1冊でもありました。そのファンをないがしろにするような道を選んだ時、その芸術は終わりを迎えるのだろうな、と…。

どんな時代でも、ときめく心、胸躍らせる心は永遠に生きていく上で絶対に必要なことですよね。これからも忘れず、永遠にミーハーでいようと思います(笑)。
by ★とろりん★ (2010-07-17 17:25) 

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