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発表!! カンゲキ☆アワード2010 [アワード]

いよいよやってまいりました、カンゲキ☆アワード2010。

今年もたくさん素晴らしい舞台にめぐり逢うことができて、本当に幸せでした。その分、ベストステージ、ベストアクトを決めるのもなかなか苦悩を極めました。

ちなみに、
2009年度のカンゲキ☆アワードは、このような結果でした。

それでは、発表しま~す!




☆作品賞☆

能舞 meets Collaboration~1st~
新作舞曲 『絆~KIZUNA~』

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日本の伝統芸能の最高峰とも言える能楽が、対極にある西洋クラシック音楽と出逢った時、かくも荘厳で、雄大で、そして美しい舞台が生まれるのか、と新たな発見のあった舞台でした。

特に、謡とピアノの音色がこれほどまでに見事な調和を見せるとは、思いもよらない嬉しい発見でした。朗々とうたいあげる謡にピアノの旋律が加わると、まるで教会で聖歌を聴いているような静謐な気持になりました。

もちろん、演出や構成など、荒削りで工夫が必要なところはいくつかありますが、能楽の枠を大切にしつつ、その新しい可能性を見出したという意味では、意義深い試みだったと思います。



☆主演女優賞☆

尾上菊之助
(十二月大歌舞伎 『摂州合邦辻』 玉手御前)

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なんと、菊ちゃん、主演女優賞と主演男優賞を制覇した初の舞台人となりました!さすが音羽屋、兼ねる役者!!

ちなみに、主演男優賞に選ばれたのは、2005年度のカンゲキ☆アワード。ここから5年の歳月を経て、女方としても素晴らしい境地を見せてくれた菊ちゃん、文句なしの主演女優賞です!

日生劇場での玉手御前は、本当に文字通り「壮絶」でした。壮絶に美しくて、妖艶で、狂おしくて、哀しくて。必死に閉じ込めようとしてもにじみ出てしまう思いの炎が、玉手御前をさまざまな色に染めていました。



☆主演男優賞☆

大空祐飛
(宙組東京公演『カサブランカ』『シャングリラ』『TRAFALGAR』『ファンキー・サンシャイン』)

『カサブランカ』 キャスト感想
 
ゆーひさん!バリカッコよかったっす!!(落ち着けとろりん)

Cool beauty, Hot beauty.

今、この言葉がもっとも似合うトップスターだと勝手に思っています(ていうか、本当に勝手に名付けて喜んでいるんですけど)。

とってもクールで端正な美貌なのに、内に秘めたハートがとても熱い。けれど、その熱さを決して押しつけるわけではなくて、周囲の人間に自然とその熱さが伝わっていくような。そんな静かで熱い思いが、その怜悧な舞台からも伝わってきます。

大和悠河退団後、新しいトップスターとして花組から移籍した大空祐飛。彼女がトップスターになってからの宙組は、カンパニーとしてぐっと落ち着きと成熟を深めたと思います。特に『カサブランカ』は、宙組の持ち味でもある純粋な団結力とその成熟が重なり、まるで芳醇なワインのように、観れば観るほど深い余韻にとらわれる作品でした。

その核に立ち続ける大空。自らがけん引していく・・・という姿勢ではなくて、作品や舞台に向き合う自らの姿を宙組生に示すタイプなのかな…と思います。Hanako2010年1/13号でも「全員が光ることで主役も光る組」と話されていることが、きちんと実現しつつあるなぁって思います。

いつもはらんとむらんとむばかり言ってますけれど(笑)、今回はちゃんと伝えたいと思います。

ゆーひさん、トップスターとして宙組に来てくれて、ありがとうございます!そして宙組を素敵な組にしてくれて、本当に、本当にありがとうございます!!(やっぱりファンレター化)



☆助演女優賞☆

中村魁春
(歌舞伎座二月大歌舞伎『籠釣瓶花街酔醒』 九重)

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どんなお役でも優しさあふれる舞台を見せてくださる魁春丈。この時の九重も絶品でした。

八ッ橋に愛想尽かしをされ、1人残された次郎左衛門の肩にそっと羽織を掛ける手つきの優しいこと。その柔らかな物腰さだけで、九重の穏やかで思いやりあふれる人柄が伝わってきて、何とも言えず心に沁みました。



☆助演男優賞☆

壮 一帆
(花組公演 『虞美人』『麗しのサブリナ』『EXCITER!!』)

ちょこっとだけレポ

実は、壮くんの2番手としての舞台をきちんと観劇したのは今年に入ってから。花組トップスターの真飛をさりげなく支えながら、フリーダムに舞台を楽しむ壮くん。とても素敵な、男前なスターさんになったなぁと思います。

決めるべきことはビシッと決めて、後は自由自在に舞台を駆け回る姿が、本当に魅力的でした。

『虞美人』では、直情的で真っ直ぐ過ぎるが故に破滅を招く真飛の項羽とは対極にある、つかみどころがないのに人間らしい魅力で周囲の人々を味方につけてしまう劉邦を愛嬌たっぷりに好演。続く『麗しのサブリナ』でも、上流階級のお坊ちゃまらしい軽妙さと奔放さを持ちつつも、兄(真飛)のことが大好きなんだな―ということがきちんと伝わってくる役作り。『EXCITER!!』では、文句なしのイケメンぶり!危うく心が傾きかけましたっ(許せらんとむ)。

花組→雪組時代は、硬質な魅力を秘めた男役さんだなぁと感じていましたが、雪組から花組に戻ってからは、チョイ悪な色気とフリーダムな空気感で、男っぷりを上げましたね~!やっぱり舞台を自由に楽しめるようになるには、それなりのキャリアと経験値が必要ですよね。

来年は、同期の蘭寿をトップスターとして同じ組に迎えることになります。どんな時でも、伸びやかにフリーダムでオトコマエな魅力全開の壮くんでいて欲しいと思います。



☆敢闘賞☆

山井綱雄
(能舞 meets Collaboration~1st~)

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作品賞を受賞した「能舞 meets Collaboration~1st~」を企画演出し、主演した山井。能楽五流派の中でも最も歴史の古い金春流の教えを大切にしつつ、能楽の新しい未来を切り拓こうとする姿勢には、いつも感心します。

この舞台も、最初はどんな風になるんだろうと期待半分、不安半分だったのですが、お互いの分野がお互いの良さを認め合いつつ、寄り添いあおうとする空気がとても真摯で、その中心として出演者をけん引しようとする山井の気迫が並々ならぬ熱さと真っ直ぐさで。「この舞台を観られて良かった!」と心から思いました。



☆新人賞☆

蘭乃はな
(花組公演『麗しのサブリナ』『EXCITER!!』)

ちょこっとだけレポ

桜乃彩音退団後、月組から移籍し、真飛聖の相手役として花組トップ娘役に就任。良い意味で物怖じしない堂々としたトップ娘役ぶりに、感動しました。

トップ娘役というのは、トップスターの相手役としての役割と、トップ娘役としての役割と、舞台に立つ上で姿勢が違っていなくてはいけないと思うのですね。前者はトップスターの輝きが増すように光を添える存在で、後者として立つ時はその場に出ている誰よりも輝かなくてはいけない存在でなくてはいけません。

蘭乃は天性の勘でしょうか、下級生ながらにその切り替えが見事です。真飛と絡む時に、相手にだけに見せる眼差しの初々しさと甘さ。一方で、センターで歌い踊る時に見せる真っ直ぐで強い眼差し。そのギャップがとても素敵です。

若くて頼もしいトップ娘役の未来に、乾杯!



☆ベストカップル賞☆

霧矢大夢&蒼乃夕妃
(月組公演 『スカーレット・ピンパーネル』)

今年、月組トップスターに就任した霧矢大夢と、相手役として星組から移籍した蒼乃夕妃。お披露目公演とは思えない完成度の高い舞台と、息もぴったりのコンビぶりに、「きりやんは本当に良い相手役に恵まれたな」としみじみ感じました。

特に、フィナーレのデュエットダンスは圧巻!遠慮せずに向き合う蒼乃のひたむきさとプロ意識、そして彼女を受け止める霧矢の大きさと包容力には感動しました。学年やキャリアの差など関係なく、お互いに刺激を与えあい、高め合っていける、理想的なコンビだと思います。



☆団体賞☆

宙組 『シャングリラ~水之城~』出演者
(第1部プロローグと、第2部「タイム・リミット」のダンス)

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インディーズバンド「→Pia-no-jaC←」の楽曲を使用したダンスが、とにもかくにもカッコよかった!!宝塚の公演ではなかなかない超スピーディーでアップテンポな曲と、カウントごとに振りが付いてくるKAZUMI-BOY先生の振付、そしてそれを抜群の集中力とアピールで魅せてくれた宙組生たち。本当に、すごくすごくカッコよかったです!(←さっきからそれしか言っていない)

この時、この音楽で、この振りで、そしてこの出演者たちだったからこそ放出される特別な輝きが舞台から放出されていました。こんな素敵なダンスシーンに巡り合えたこと、本当に幸せな瞬間でした。

そして、激しく熱いダンスを踊りつつも色気全開で誘ってくるラン様(言わずと知れた蘭寿とむ氏)に赤面しつつも目が離せませんでした(笑)。



☆特別賞☆ 

故・山本則直

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大蔵流狂言方の山本則直先生。今年4月にお亡くなりになりました。

杉並能楽堂で山本会の舞台を拝見している時、ふと則直先生の面影を思い出す時があります。他の方の舞台を拝見しているのに、頭の中では則直先生の舞台のことを思い出していて、ハッと我にかえったり。そのような時は、やっぱり言いようのない寂しさを感じます。

温かくて優しい笑顔、安心感のある堅実な舞台、忘れません。



皆さまの予想は、いかがでしたでしょうか?

作品賞はかなり意外だったかも知れませんね。今年の舞台を思い出そうと目を閉じた時、真っ先に浮かんできたのがこの時の舞台だったんですね。私の中では鮮烈に記憶に残ったのだと思い、選んでみました。

ベストカップル賞の次点には、花組の未涼亜希&桜一花を。『麗しのサブリナ』と『EXCITER!!』でのコンビぶりは、もう互いの呼吸を心得ているような安定感があって、それでいてラブラブで、好きだったなぁ~☆この公演を最後に未涼は雪組へ移籍してしまいましたが、心に残るコンビでした。

さて!

2010年のカンゲキ通信、いよいよラストを飾る恒例記事の更新を残すのみとなりました!

今年、とろりんの心を最もときめかせ、輝かせたカンゲキ☆へ贈る「スター☆オブ・ザ・イヤー2010」は、本日18:00発表予定です!

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夜野愉美

★とろりん★さま
主演男優賞、選んでいただきましてありがとうございます!
大空さんの目指している男役を理解して下さる方がいる、ということ、一ファンとしてとてもうれしく思います。
蘭寿さんという、願ってもない好対照な2番手が異動して、キャラかぶるけど、ビジュアルは上な凰稀さんが2番手になった時、どんな底力を見せてくれるのか、来年はそこらへんを忌憚なくみて下さい。
それにしても、主演女優賞と主演男優賞、さすがの選択ですね。逆にしないところが、とろりんさまのセンスですね。
by 夜野愉美 (2010-12-31 12:34) 

★とろりん★

夜野さま、

nice!とコメント、ありがとうございます!!

本当に、大空さんがトップになってからの宙組は、生徒全員に「宙組」としての自覚と責任感が出てきたと思います。それを背中で示すゆーひさん、やっぱりオトコマエです!!

>>それにしても、主演女優賞と主演男優賞、さすがの選択ですね。

確かに、歌舞伎と宝塚を両方観ているからこそ…の選択かもしれませんね。一応、基準はあって、その人を選出する決め手となった舞台での「役」の性別で、男優賞か女優賞か決めています。その舞台で、その人が、その役で創りあげた世界に感動した…という事で。

来年のカンゲキ初めは誰鐘です!ゆーひさんとらんとむの静かで熱いお芝居、今からすごく楽しみにしています!

来年も、どうぞよろしくお願いいたしますね!
by ★とろりん★ (2010-12-31 17:13) 

でるふぃ

★とろりん★さま
新年おめでとうございます♪
今年も、ここの場所がとろりんさまらしい彩で、いきいきと息づいていますように!

昨年末の、とろりんさまのアワードを拝見していて、
祐飛さんを宙組トップスターとして、心から受け入れてくださるかどうか、
(大丈夫だと思ってはいたのですが・・)少し不安でした。
それだけに、今年の主演男優賞はうれしいです。
ありがとうございました。私も、Hanakoの記事で、
祐飛さんのトップとしての在り方を再認識した思いでした。

祐飛さん以外の受賞者へのコメントも、すっきりした文章で、温かく、
ほんとに、観ることがお好きなんだな・・と、深い舞台への愛を感じます。
by でるふぃ (2011-01-01 01:26) 

★とろりん★

でるふぃさま、

新年、あけましておめでとうございます!
今年も、でるふぃさまの周りがたくさんの笑顔と愛にあふれていますように。

>>昨年末の、とろりんさまのアワードを拝見していて、
祐飛さんを宙組トップスターとして、心から受け入れてくださるかどうか、
(大丈夫だと思ってはいたのですが・・)少し不安でした。

そうですね…あの時は、何と言うかやっぱり前のトップコンビの印象が鮮烈でしたし、受け入れられるかどうか、というよりも、状況が急激に変わっていくことに対して戸惑いが大きかったような気がします。

でも『カサブランカ』を拝見して、宙組がカンパニーとしてますます深みと厚みを増したというのをすごく感じて、「この深化は凄い!」と素直に感動しました。それはやはり、センターに立つ祐飛さんの力が大きかったと思います。

やっぱり、祐飛さんご自身がそれだけの決意と覚悟を持って宙組に来られたと思うのですね。Hanakoでもそういったことをお話されていて、心から感銘を受けました。

昨年、新しい風として宙組にやってきた祐飛さん。今年は逆に新しい風を受け止める側に立つわけですね。凰希かなめくんとどんな化学反応を起こすのか、とても楽しみですね!
by ★とろりん★ (2011-01-01 08:53) 

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