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新春浅草歌舞伎 第二部 [歌舞伎]

2011年1月5日(水) 浅草公会堂 15:00開演

年始は少しゆっくりお休みをいただいております。世間一般多くの方々が仕事初めのこの日は、歌舞伎の初芝居へ♪浅草へ行ってまいりました!



お年玉〈年始ご挨拶〉 市川亀治郎

浅草恒例のお年玉は、亀ちゃん登場!やったねっ☆

亀ちゃんからは、携帯電話は必ず電源オフにすること、黒手組の助六を演じる思いなどを語っていました。

「舞台は毎日毎日が違うもの。出演者と観客の皆さんの交流があってこそ初めていろいろな反応があり、印象も違ってくるもの。まさに舞台は『一期一会』なのです」というようなことをおっしゃっていました。同感ですね~。

浅草歌舞伎はほぼ毎年観劇してますが、歌舞伎としての「ライブ感」をいちばん感じる場所なんですよね。出演者の熱気と、お客さんの熱気が密接に繋がり合える空間なのかもしれません。



壺坂霊験記

座頭沢市/片岡愛之助
女房お里/中村七之助

ファンタジーな展開の中に夫婦の細やかな愛情の交流がリアルに描かれていて、個人的にはとても好きな作品ですが…もう、七之助のお里ちゃんに惚れました!

若々しさ、瑞々しさ、よく気が効いて夫の身の回りの世話を助けるまめまめしさ、夫を一途に慕うひたむきさ。こんな素敵な女性にこれほどまでに愛されて、愛之助@沢市は本当~に幸せだなぁ~としみじみ思いましたもの。

目の見えない夫のために、お里には折々にそういったことを感じさせる動作があります。それが型ではなくて、夫を思っての動作なんだなぁというのがきちんを納得させられる動き。ああ、本当にお里は心から沢市を愛しているんだなぁと思って、なんだか泣けちゃいました。

七之助の女方は、もちろん役としての型や性根を心得ていながら、それよりもまず目の前の相手を心から慕っているというのがすごく伝わってきます。それだけに、沢市が身を投げたと知ってからの半狂乱の悲しみが胸に迫ってきました。

これだけ素敵な妻に一途に愛されているのだから、愛之助の沢市も乗らないはずがありません!妻のひたむきな愛が伝わってくるだけに、沢市の中の自責の念、後悔、絶望感はどんどん広がっていきます。どちらもお互いを深く深く愛しているが故の行動、なのですよね…。

幕開けからこの2人は本当に仲良しで、お里がぴったりと沢市に寄り添っているのが本当に微笑ましいです。壺坂寺にお参りする時も、お互いの身体をくっつけてお祈りしている後姿がとても愛らしくて、思わず笑みがこぼれてしまいます。離れられない2人の、それぞれの強い思いが伝わってくるだけに、後に起こる悲劇も際立つのですが…。

悲劇から一転、ハッピーエンド!の終幕。初めて見るお里の姿に驚く沢市がラブリーです(笑)。「お前、もう杖はいらぬじゃないわいなぁ」という台詞は、やっぱり好きですね~。七之助は屈託なくこの台詞を言っていて、その瑞々しさがまた良かったなぁ。

もう、心の底からハッピーになれました!ありがとう、らぶりん、七ちゃん!



猿之助四十八撰の内
黒手組曲輪達引
(くろてぐみくるわのたてひき)

番頭権九郎・牛若伝次・花川戸助六/市川亀治郎
三浦屋揚巻/中村七之助
同 新造白玉/市川春猿
白酒売新兵衛/市川寿猿
三浦屋女房お仲/市川笑三郎
鳥居新左衛門/中村亀鶴
紀伊国屋文左衛門/片岡愛之助

亀ちゃんの助六が見られるとあって、開演前からドキドキワクワク。

市川團十郎家の歌舞伎十八番の内『助六所縁江戸桜』のパロディーということで、役名や劇中の見どころもそういった場面が多く見受けられます。煙管を足の指に挟んで渡したり、下駄を頭に乗せたり。これが全て逆になっていて、敵役の新左衛門から助六に対して行われるのです。『助六』を観たことのある人は、「ああ、あの場面ね」と思わずうなずいてしまいますよ。

この芝居では、うだつの上がらない番頭権九郎と白玉の道行から始まります。憧れの白玉と過ごせるとあってウキウキの権九郎ですが、実は白玉は牛若伝次と深い仲。白玉は伝次と駆け落ちするために、わざと権九郎を誘い出し、その路銀を奪い取る算段だったのです。

不忍池で待ち伏せしていた伝次は権九郎から路銀を奪い、彼を池に突き落とします。この場面を、亀治郎が二役早替わりで見せます。

品がなくて情けない顔立ちの権九郎から、一瞬にして水も滴る色男に大変身!カッコいい!!白玉との絡みも浮世絵のように粋で、うっとりしちゃいます。

追手が迫ってきたので、伝次は逃走します。そして池の中から、突き落とされた権九郎が這い上がってきて…。そう、ここも亀治郎が伝次→権九郎への早替わりを見せます。

この後、突然浅草の芝居小屋はライブ会場に。ネタばれのため、詳しくはお話しませんが、この日はギターをかき鳴らす亀ちゃんを楽しみました☆

さて、舞台は変わって吉原・三浦屋店先へ。亀治郎の助六が大活躍です!!

ああ、カッコいい亀ちゃんはやっぱりカッコいい(完全に目がハート❤)

そして本水の大立ち廻り!3階席から観ても、ものすごい気迫と気合が伝わってきます!客席もものすごいどよめきと拍手喝采でした。

揚巻を演じた七之助は、この芝居では吉原一の花魁という風格よりも若さが勝ってしまったかな、という印象ですが、それでも助六を心から愛する気持ち、守り支えたいという気持ちがしっかりと備わっていて好演。「その棒の端へ、わしが身へちょっとでもふれると、 五丁町は暗闇じゃぞえ」という胸のすく啖呵。やっぱりこの台詞は素敵だなぁ~。

助六を見守る紀伊国屋文左衛門を演じた愛之助は、短時間の出番ながら粋な風情を見せて印象的。敵役の鳥居新左衛門の亀鶴もふてぶてしさの中に敵役としてのオーラがきちんと出ていて良かったです。

出演者もお客さんも同じテンションで盛り上がることのできる浅草歌舞伎、大好きです!



この日は、浅草へ行く前に足を延ばして西新井大師へお参り。ふらりと入った門前のうなぎ屋さんでうな重をいただきました。昔ながらの風情のあるお店で、うなぎも美味しかったです。

うな重アップ.JPG

心身ともに栄養をもらった1日でした☆
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mami

とろりんさん、こんばんは。
おお、早くも浅草に行かれたのですね。私はもう少し先ですが、とろりんさんの記事を読んだら待ちきれなくなってきました!今年は昼夜とも亀治郎さん大活躍のようで、ほんとに楽しみです。
by mami (2011-01-09 00:42) 

★とろりん★

mamiさま、

nice!とコメント、ありがとうございます!!

夜の部しか観られていないのですが、亀ちゃんへの愛が再燃してしまいました(笑)。助六はとっても素敵ですよ!お楽しみになさっててくださいね!!
by ★とろりん★ (2011-01-09 15:14) 

bonyarihitsuji

はじめまして。亀次郎さんでネットサーフィンしてお邪魔しました。7日の1部で浅草歌舞伎を楽しみました。浅草歌舞伎は昨年に引き続き2度目ですが、今年は特に舞台に引き込まれました。亀次郎さんの『独楽』の舞い、すごく素敵でした。
とろりんさんの記事で第2部の様子がわかってより楽しさが増しました。ありがとうございます。またお邪魔させてください。
by bonyarihitsuji (2011-01-09 18:53) 

bonyarihitsuji

すみません。亀治郎さんの字が間違ってました(汗)。大変失礼おば。
by bonyarihitsuji (2011-01-09 18:55) 

★とろりん★

bonyarihitsujiさま、

はじめまして!コメント、ありがとうございます!!

bonyarihitsujiさまは第一部をご覧になったのですね。亀ちゃんの踊りは絶品ですね!実は、私が歌舞伎ファンになったのも、亀ちゃんの踊りに心を浮わしづかみにされたことがきっかけだったんですよ。

よろしければ、またお越しくださいませ。お待ちしております☆
by ★とろりん★ (2011-01-10 12:11) 

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