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マリー=アントワネットの画家 ヴィジェ・ルブラン展 -華麗なる宮廷を描いた女性画家たち- [展覧会]

vigee le brun.jpg
2011年3月1日(火)~5月8日(日) 三菱一号館美術館
展覧会情報はコチラ

マリー=アントワネットの肖像画を数多く描いた画家として名高いエリザベト・ルイーズ・ヴィジェ・ルブラン(1755~1842)を中心に、15世紀~18世紀に活躍した女性画家の作品を一堂に会した展覧会です。

アントワネットの肖像画にピンクとパールをあしらったラブリーなチラシには、“18世紀の「カワイイ」を描いた女たち。”というキュートなコピーが印刷されていて、これだけでも心がウキウキします。

現在、私たちが認識しているマリー=アントワネット像は、このヴィジェ・ルブランによる肖像画からイメージされることが多いのではないでしょうか。それだけ、マリー=アントワネットが信頼し、心を許していた画家とも言えるのですね。その結果、フランス革命直前のロココ文化の最高潮の時代を写し取ることのできた画家とも言えます。

展示されている作品はすべて、女性画家たちによるもの。ルイ15世の時代から、女性のたしなみのひとつとして絵画を学ぶことが広まったそうです。本展ではルイ15世の妃であるマリー・レクジンスカによる作品群も見ることができます。

18世紀に入ると、女性の社会進出が本格化するとともに、女性画家の活躍の場も徐々に広がっていったそうです。ヴィジェ・ルブランがマリー=アントワネットの肖像画家として重用されるようになったのも、この時期からです。

展覧会は、たしなみのひとつからプロの女性画家が台頭するまでの歴史と、ヴィジェ・ルブランの画家としての生涯を追いながら、それぞれの時代の作品を楽しみことができます。

モデルは女性が多いのですが(勿論、男性の肖像画もありましたが、本当に数えるほど)、華やかな宮廷衣裳がとても華やかですし、やはり同性に描いてもらっているという安心感でしょうか、表情もふんわりと柔らかい感じがします。何よりも会場全体が優美で夢々しい空気に包まれていました。

クリュソル男爵夫人.jpg
ヴィジェ・ルブラン、
『クリュソル男爵夫人、アンヌ=マリー・ジョゼフィーヌ・ガブリエル・ベルナール』
1785年、オーギュスタン美術館蔵


ハッとするような赤のドレスや黒の帽子の質感、毛皮の手触りが丁寧に描き出されています。キュッとしまった美しい身体のラインが印象的で、何だかすごく心に残った絵でした。

個人的にいちばんテンションが上がったのは、マリー=アントワネット肖像画の斜めに展示されていた、ポリニャック公爵夫人肖像画。迷わず『ベルサイユのばら』を思い出して、「おおっ、ポリニャック夫人や!」と一人でウハウハしてました(笑)。

ポリニャック公爵夫人.jpg
ヴィジェ・ルブラン、
『ポリニャック公爵夫人、ガブリエル=ヨランド・クロード・マルティヌ・ド・ポラストロン』
1782年、ヴェルサイユ宮殿美術館蔵


思わず肖像画の前で、「もんくがあったらいつでもベルサイユへいらっしゃい!」と言い放ちそうになりました(笑)。
(※マンガ『ベルサイユのばら』より)

ちなみに、ヴィジェ・ルブランも『ベルばら』にこっそり登場しているのですよ~。マンガをお持ちの方は、ぜひ探してみてください(笑)。

どの作品も砂糖菓子のように優しくて甘くて、夢見心地になれる展覧会です。来館者はやっぱり女性の比率が高かったです。ちなみにイヤホンガイドのナビゲーターは、大地真央さんでした。

小学生くらいの女の子の美術館初体験にも最適かも、と思いました。お姫様に憧れる年頃でしょうし、ちょっと大人っぽい体験もできるし。

鑑賞後も、ウキウキと華やかな気分になれる展覧会でした☆


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コメント 4

Mao

本日10時に、こちらの展覧会におりました、私。
11時から観劇だったにもかかわらず(笑)
もしかして、ニアミス?

三菱一号館の展覧会にはここ最近毎回足を運んでいるのですが、前回のときに例のピンクのチラシを見て、「これは行くしかない!」と心に決めてました。ヅカファンの心をくすぐります。本当は3月末ごろの予定でしたが、震災の影響でギリギリになりました。

Bunkamuraのフェルメールも見たいと思ってます。
by Mao (2011-05-04 22:49) 

★とろりん★

Maoさま、

コメント、ありがとうございます!!

Maoさまは4日に行かれたんですね~。私は2日に足を運びました。連休の谷間とは言え平日だし、少しは落ち着いているかな・・・と思ったのですが、それでも結構にぎわっていましたね。

私も、このピンクのチラシで「行くしかない!」って思いました☆歌劇ファンのハートを見事にくすぐったデザインですよね。

宝塚の作品世界と縁の深い時代の展覧会ですし、東宝劇場とのタイアップ企画とかあれば良かったのになぁ、と思いました。東京宝塚劇場公演のチケット半券提示で入場料割引、とか。
by ★とろりん★ (2011-05-05 10:56) 

夜野愉美

★とろりん★さま
興味はありつつ、時間がないまま、GWも終わってしまいます…。昔、ルブラン夫人の絵画は、どこかでまとめて見た記憶があります。フランス革命後はロシア宮廷でも画家をしていたような…?自画像もものすごい美人だったような…?
「ベルばら」では、妊娠中のルブラン夫人の落した絵の具を跪いて拾ったアントワネットが、その大きなお腹を見て、「母になるということは、きっと、どんなにか幸せなことでしょうね」と呟くのですよね?アントワネットのやさしさと孤独が伝わるよいシーンでした。
by 夜野愉美 (2011-05-05 23:16) 

★とろりん★

夜野さま、

nice!とコメント、ありがとうございます!!

さすが!さすが夜野さま!!『ベルばら』でのルブラン夫人の登場時の詳細をここまで完璧にご記憶とは!!私なんか愛蔵版ひっくり返して確認しましたのに…(苦笑)。尊敬します☆

ヴィジェ・ルブラン本人の肖像画もありましたが、おっしゃる通りすごく美人でした~。フランス革命が起きた時に亡命し、イタリアやオーストリア、ロシアなどで画家として生活していたそうです。ロシアではエカテリーナⅡ世の肖像画なども描いたようです。まさに「芸は身を助ける」ですね。
by ★とろりん★ (2011-05-06 09:08) 

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