私はあなたのとりこです ~紅にほふ桃の花~ [桜咲く国]
「今年は梅の花を見に行ったと思ったら、すごいスピードで桜が満開になったなぁ・・・。結局、梅と桜の間に咲く桃の花は、見ないままだったなぁ」と思いながら歩いていると、これ以上はないタイミングで桃の花に出逢いました(笑)。
「キクモモ」という種類です。
梅や桜と違って、都内では「桃の花の名所」と呼ばれるスポットをあまり聞かないせいか、ちょっと目立たない場所で、ひっそりと慎ましやかに花を開いているイメージがあります。「いえいえ、私はここで充分ですのでっ。ここで精一杯、咲かせていただきますのでっ。どうぞ、どうぞお気遣いなくっ。」みたいな、すごい謙虚キャラのイメージ(笑)。
それでも流石、花は花。今が盛りと咲き誇る姿は可憐で愛らしくて、見る者の心を和ませてくれます。
そんな桃の花言葉は、「天下無敵」「チャーミング」「私はあなたのとりこです」。
い・・・意外と自信家なんですね・・・( ̄∀ ̄*)。
そんなところもまた、かわゆらし。
そして桃の花と言えば有名なのが・・・
「春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つ少女(おとめ)」という、大伴家持の歌。
春の夕景、道すがらに咲き誇る桃の花。夕陽に照り映えて輝く、満開の花々の美しさにうっとりと見とれる、ひとりの少女・・・そんな光景が目に浮かぶようです。
もう、自分のことを「少女」と呼ぶにはあまりにも図々しい年頃だと重々承知しておりますけれども(* ̄m ̄)、花を見て美しいと思う心、そして、自然を敬愛し自然に寄り添う心は、いくつになっても、どんな時でも忘れないようにしたいものです。